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4カ月で技術士筆記試験(衛生工学)を通過した話(第6話/全12回)
氷河期世代。なんの取り柄もないので手に職をつけようと重機オペレーターになった男が数年後、なぜか技術士二次試験の筆記試験を通過したノウハウを公開します。再現論文の販売、論文添削も受けつけています。
落第し続けるひとたち簡単に合格するひとたち
~心構え編~
1.ひとりで何部門も合格するひとがいる
ひとりで複数部門の技術士の肩書を持つひとがいます。
あなたは自分の専門分野でさえなかなか解答論文を書けずに苦労しているのに、彼らは自分の業務にちょっと関わりがあるていどの他部門に顔をだして、いとも簡単に合格をさらっていきます。驚きです。彼らのIQはあなたの倍でしょうか? それとも3倍? おなじ人間とは思えません。
また一発合格するひとも少なからずいます。そしてそういうひとたちの勉強時間は極端に短い。「100時間で合格した」「4カ月で合格した」など、ネットを漁ればにわかには信じがたい言説がいくつも見つかるはずです。彼らはマウントをとるためにウソをついている? そう疑いたくなります。しかしそうではありません。私が証拠です。
私は受験を申しこんでから勉強を始めて4カ月、150時間で合格できました。では私のIQはあなたの倍あるのか? 測ったことはありませんがおそらく違います。私の高校の偏差値は50でした。その程度の学校の中でさえ数学・物理をさっぱり理解できず、私立文系を選んだ程度の人間です。でもたぶん、私はこの先何度試験を受けても9割の確率で筆記試験を通過する自信があります。
2.私は理系の論文が読めない
あなたは自分が属する業界の論文は読めますか?
私はぜんぜんダメです。読んでも目がすべって頭にはいってきません。さっき私は短時間で筆記試験を通過したとあなたにマウントをとりましたが、実際にはその程度の人間です。
私はずっと「これは自分の頭が悪いせいだ」とはずかしく思ってきました。ところがある日、学会誌で収集運搬に関するある論文を読んだところ、読みやすくて内容がスラスラとはいってきました。不思議におもって聞くと著者は地方自治体の公務員で、大学も私立文系出身でした。
そして技術士二次試験を受けることになっていろんなひとの文章を読み、話をきいているうちにひとつの傾向が見えてきました。どうも理系のひとが書いた文章は要領を得ない。議論をしてもかみ合わない。なにを言っているのか、私にはちんぷんかんぷんなのです。
3.公務員とあなたはなにが違うのか
技術士二次試験受験するみなさんはほぼ大卒、院卒のインテリ、それぞれの業界で経験を積んだ技術者たちです。社内でも技術論文を書いたり報告書を書いたりと、文章を読むのも書くのも苦にしないでしょう。ひょっとしたら「自分は理路整然とした文章を書ける」と自信を持っているかもしれません。
しかしあなたは技術士二次試験に通りません。合格率10%ですから10人のうち9人が落第します。先輩技術士から「これならA判定もらえるよ」と太鼓判を押されたのに落第する。落ちたあなたは「やっぱり技術士試験はむずかしいなあ。もっと勉強しよう! たくさん論文を読んで白書の内容も暗記しよう!」と頑張ると思います。でもそれでも落第します。
その一方で、現場を知らない公務員がひょっこりやってきて、20%近い合格率で軽々と合格していきます。どうしてでしょうか? 公務員とあなたはなにが違うのでしょうか?
この話題は次回、結論を述べます。