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4カ月で技術士筆記試験(衛生工学)を通過した話(第11話/全12回)

氷河期世代。なんの取り柄もないので手に職をつけようと重機オペレーターになった男が数年後、なぜか技術士二次試験の筆記試験を通過したノウハウを公開します。再現論文の販売、論文添削も受けつけています。

PREP法

1.骨子法とならぶプレップ法

 ビジネスで効果的だと言われ、技術士二次試験でも有効だと私が思っているプレップ法について説明します。この文章術では、はじめに結論を述べ、中盤でその根拠となる内容を説明し、終わりにもう一度結論を繰り返します。読者は冒頭で結論を読むので「このパラグラフはプレップ法について書いてあるんだな」と理解して読み始めることができます。読者が迷う余地がありません。そのためプレップ法はビジネスで有効とされています。

2.悪文の見本(入院した母親からのLINE)


母親からのLINE

 読んでみて意味はわかりましたか? 
 母がLINE で伝えたったのは結末の「たまった衣類を引き取りに来て、洗濯しておいてほしい」ということです。しかしパラグラフの最後までそのことに触れないので、なにを言いたいんだと推理しながら読み進めなくてはなりません。

 これがプレップ法だとこうなります。

 こんにちは、洗濯ものがたまっているので取りに来てほしいです。
 私はいま、リハビリも洗濯も乾燥も済ませて部屋にいます。今日はカーテン越しの日差しが強くて、病室は暑いです。ただ窓際のベッドの私だけが暑くて、相部屋のみなさんはそうでもないみたい。1人は私と同級生です。あとの2人は81歳と91歳で人生の先輩です。だから何をするにも気をつかっておうかがいをたてています。
 あなたは屋外で仕事中だから風もあって寒いでしょう。きっと私が退院する日でも寒いでしょうね。そうそう退院といえば、もう使わない衣類を持って帰って、洗濯しておいてもらいたいです。


3.読み飛ばしへの対策

 技術士二次試験の話に戻りましょう。あなたが試験で書いた解答論文は全部読んでもらえるでしょうか?
 受験する側からすると試験官は十分に時間をかけて精読していると思いたいところですが、彼らは本業がある技術士のはずです。仕事を終えて帰宅してから原稿にむかう時間を一日何時間とれるでしょうか。ひとりで何百枚も解答論文を読むことを考えると、そこまでじっくり読んでもらえるとは考えにくいです。

 おそらくマンガの持ち込み対応する編集者のように高速で読んでしまうのではないでしょうか。こっちは人生がかかった試験なのでそんなことはやめてほしい! しかしこの想像の試験官に文句をいってもしかたがありませんので、私はそんな風に読まれてもいいように対策をたてました。

解答論文を超高速で読む技術士



4.代表的なプレップ法である新聞を見習おう

 ここでプレップ法です。ただ解答論文は文字制限がきびしいのでそのままプレップ法で書くのは難しい。そこで私が考えたのは見出しを読めばなにを書いているのかわかる、新聞の書き方をマネすることでした。

解決策:パラグラフの要約をタイトルにしてしまう
 試験官はひとりで何百枚も読むので、一枚あたりに割ける時間は短く、精読はしてくれないだろう。そのため読みにくい論文は一瞥でB判定にされるかもしれない。それは避けたいので、新聞のやり方をマネすることにした。新聞の見出しのように記事を要約したタイトルをつければ、試験官はあらかじめ内容を把握して読み進めるので理解がしやすいはず。こう考えた私は各パラグラフのタイトルは、それだけで内容が全てわかる要約にした。その結果、筆記試験に合格できたのである。

 いかがでしたか?
 プレップ法がわかりやすいでしょう。




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