「103万の壁→178万」対応にちょっとだけ物申したい話
はじめまして。40代だけどパーカーしか着ないおじさんです。
Facebookで数少ない友達宛に誰得な長文を披露するのが趣味だったんですが、
なんか、そんな感じのプラットフォームでもなくなってきたので、思い切ってこの度noteを立ち上げてみることにしました。
直近でプチバズりしてる案件をノリでユーザーネームにしちゃって良いのか、って気もするが…
自分が興味のあるスポーツの話(大学駅伝、サッカー、アメスポetc.)、お笑いの話、音楽の話、お堅い話、プライベートの話などなど、気が向いた時に気が向いたことを書きます。
手始めに、コレを書きたいと思ったからnoteを始めることにした、ちょっと(だいぶ)お堅いお話。
「103万の壁→178万」の話が、すごいスピード感で進んでいる。
FBには先週この件投稿してて、本当にnote始めようかなー、どうしようかなー、とか思ってるうちに3党合意に至っちゃった。
やることに対しては大賛成ですし、見たことない政治の動き方をしてるのは喜ばしいことなんですけど、「なんだかなー」と思う部分もあって。
ざっくり言うと、「ちょっとアクセルふかしすぎちゃうの?」っていう。
FBに投稿したきっかけは、応援してる自民党の若手の小林史明さんが、「103万の壁→178万の対応はどんなに頑張っても2026年の1月から」って言ったことで、Twitter上でボッコボコにされたからなんですけど、
(注:ボクは今でもXのことをTwitterって言うし、引リツって言うし、地元のイオンのことはジャスコって呼ぶ派です)
玉木さんが「なんでそんなスピード感?話にならない」って噛みついたので、みんながそれに乗っかって目の敵にされている。
「これだから自民党は」「お前も一味か」みたいな叩かれ方をしてるんですけど、ボクはそんなことないと思っていて。
なんというか、一面的な見方で「The・ネット世論」みたいな盛り上がり方をしてるなー、と。
で、Twitter上ではあまり見なかった、人事部門とか、ユーザー企業側の人事システム運用(社内SE)とかの目線で、「親・玉木&反・小林」に反論してみたかったからなんです。
◆反論その1:定額減税はできたやん
いや、これはね、違うんですよ。
国が(自民党が)リードしたから実現できました、とかっていう話では全然なくて。
実績アピールのために年末に岸田さんとその近辺が昨年末に「6月からやるぞー」「減税だぞー」みたいなことをいきなりぶち上げて。
で、トップはぶち上げるだけで、おそらく中身は官僚たちが謎な要件を作り上げて、しかもそれが出てくるのが遅くて遅くて、制度設計そのものの手落ちみたいなヤツがいくつもあって。
所得税を計算する企業の人事総務担当、その仕組みを用意するシステム担当、その人事給与システム自体を用意するITベンダー、それから住民税を計算する自治体の担当。
みんなが血を吐きながらなんとか間に合わせて形になってるだけなんです。
ボク自身は、「定額減税とは?」を説明させたら、たぶん日本国内でもけっこう屈指のレベルだと思ってるんですけど。いっぱい勉強したし。今年はマジで一年中このことばっかり考えてたし。
国やマスコミが広報の努力を全くしてくれなくて、その「とは?」の説明の手間すら企業側や自治体側に押しつけられてるから、一般の人々には到底理解できないですよね。制度が複雑すぎて。
弊社も今まさに追い込みの期間ですが、源泉票受け取って初めて「あれ?定額減税されてないけど??」みたいな人いっぱい出てくると思うんだよなぁ。
あと、「定額減税に比べたら余裕よ」ってシステムベンダーの人や税理士さんが主張して、それにめちゃめちゃいいねがついたりしてるんですけど、
いやあなた方は、製品を売って終わりとか、最終的に上がってきたものを申告して処理して終わりなのかもしれないけど、
その中間で、何も理解してない従業員への対応を全部人事がやってるんですよ…で、人事がいい加減な仕事すると、出口の自治体にしわ寄せが行くんですよ…
我々も一応労働者の端くれで、手取りは増えるかもしれないけど、仕事はもっと増えるからね、なんですけど…っていう。
人事と自治体が見た「運用の地獄」の実態を知らない外野がワーワー言って、それを燃料にして玉木さんがアクセルふかしてるのがなんだかなー、と思うんです。
◆反論その2:システムの準備って、上限値変えるだけちゃうの?
コレは、「半分正解、半分間違い」というのが個人的な見解です。
年末調整計算のロジックについては、おそらく「正解」。
定額減税については、配偶者情報の管理方法自体(定額減税のカウント対象になる、のフラグの追加)を変える改修したところもあれば、
どうせ単年限りの対応だから、って言って応急処置的な改修で済ませたところもあって、ITベンダーによって対応は様々だったっぽい。
ただ、「年末調整計算時(の基礎控除)の上限値が上がる」は、どのベンダーの製品でも共通するロジックなハズで(ボクは使う側なので中のプログラムは見えないですけど)、たぶんココの難易度はそんなに高くない。
「半分間違い」なのは、影響範囲って年末調整だけじゃないですよ、っていうところ。
給与や賞与から、毎回所得税って引かれてるじゃないですか。
所得税って、本来は年間の収入が確定しないと正確な額って出せないものなんです。「その1年間の所得」に対しての税だから。
でも、毎月の給与での所得税控除がなくて、12月になって「はい、あなたの今年の所得税は100万円ですから払ってね」とかいきなり言われてもムリなわけで。
なので、103万を12で割った8万円台後半から、金額ごと・扶養数ごとに「毎月これくらいずつ引いていけば最終的にイイ感じになる」
っていう早見表みたいなものに基づいて毎月の給与計算が行われていて、年間の確定額と申告内容を見て「年末に調整」してるだけなんです。
その早見表を更新するための法改正が必要になるよね、ってのがまず1つ。
小林さんの言ってる「永田町ではスケジュール感のコンセンサスがあったのに」は、ココまでを含めてるんじゃないかと思われる。
さらに言うと、その表で参照する「扶養数」を計算するために、おそらくどの人事給与システムでも家族一人一人に対して扶養対象かそうじゃないかっていうフラグを立ててるハズで、
103→178万にバーが上がると、全給与所得者の全家族に対してそのフラグの見直しをかけないといけない。従業員一人一人に理解させた上で、申請させないといけない。
よりシステム的な話をすると、同じフラグを使い回して、ある時点から「指してる基準(103→178万)が変わります」とするのか、新しいフラグを立てて「はい、今年からこっち使うから全員申請して!」ってするかで、
人事部門がやること(=従業員にやらせること)って全然変わってくる。
ゴールの時期と金額だけ決めて、細かいところはまぁ上手いことやっといてー、って定額減税の二の舞になりそうな予感がするんだよな…
◆小林さんを全力で擁護・玉木さんには全力で期待
小林さん、デジタル分野に強みがあって、民間出身としての目線もあって、バランス感覚に優れた非常に優秀な方だと思う。
定額減税で企業と自治体は今はヘロヘロだよね、とか。自治体は2025年にガバクラ(自治体ごとにバラバラのシステムを統一しよう、の動き)っていう大きな案件控えてるよね、とか。
「とりあえず反論」ではなくて、現実を見ながら必要な時にブレーキを踏んでくれたんじゃないかと思ってる(と、信じたい)
「増税一味」とか「やらない理由ばっかり言うヤツ」っていうイメージでは決してないです、ということだけお伝えしたい。
玉木さんは玉木さんで、今が一番大事な時だから、ある程度わかった上でわざとポジショントークに徹してるんじゃないかな(と、信じたい)
「どうしたらできるか」に議論の方向を持っていくために、まず初めに意図的にぶちかましてるんじゃないか、と。
サッカーで例えると、試合開始すぐに強めのファウルかまして審判に対してイエローカードの線引きしてます、的な。
◆この案を出してくれる政治家さんに一生ついていきます
とはいえ、「2025年から178万にします」で決まっちゃった。
なんだか、ボクが「やらない理由をグダグダ言ってるヤツ」みたいな感じになってきたので、こうしたらいいんじゃないの?という話を最後に。
月々の所得税については25年1月からの対応はもうムリだし、年度中にルールが変わるのもわかりづらいし、月8.6万→月14.8万にパートさんの働き方も、働かせ方も、急には変えられないと思う。
システム対応を終えた順に、ベンダーAは4月から、ベンダーBは8月から、みたいになっちゃうのが一番ダメ。
年初から「103万」のバーでずっと計算してるので、年末調整なり確定申告なりで基準を「178万」に上げて再計算して、ドカッとお返しします、になるのはまず間違いない。
で、それをどうやるか。
今こそ、マイナンバー使いましょう。
国民民主でもいいし、自民でもいい。玉木さんでも小林さんでもいい。
コレを主張して、国民を説得して、官民の動きを調整してくれる人が出てきたら、ボクはその人に一生ついていきます。
2025年度の年末調整計算については、一切のシステム対応は不要(※ただし、26年1月から「178万バー」で月々の所得税を計算するための仕込みは必要)
従来通りに計算して提出した2025年度データを、国の方でちゃちゃっといじって、マイナの公金口座に還元、って形での減税にしてほしい。
口座紐付けのある人だけ減税があります、って言ったらマイナンバー制度に反対する人いなくなるでしょ。20000ポイント差し上げます、とか言わなくても。
保険証でギャーギャー言ってる人たちも、デジタル化したらこんなことができるんだ、ってわかるでしょ。
そのための仕組みなんだから。もうこれ以上こっちに押し付けないでくれ、っていう感じ。
我々ね、そういう未来が待ってると信じて、マイナンバー始まってから9年間、従業員と家族のマイナンバーを一生懸命管理してるんですよ…
システムによる申請でマイナカードの画像を添付してもらうんですけど、間違ってディズニーで自撮りした顔写真を添付してきたブラジル人に丁寧に説明したりしてるんですよ…
小林さんが炎上してから時間が経って鮮度が落ちたので、当初の投稿を2/3くらいにそぎ落として、そこからの1週間の動きを追って言いたいことをさらに追加したら、軽く4000字超えました…
とりあえずこのまま世に放ってみますが、こんなん誰が読むんだ…