ズボ連

先日、テレビでみた。とある有名な料理教室に通っている主婦たちの話。スーパーで売っている出来合いのお惣菜を買ってしまうことに抵抗があり、買ってしまった後も、罪悪感でいっぱいになってしまう人が、存外に多くて主催者側が驚いたらしい。

この短い特集に、ぐぐっと私は、心をつかまれた。料理だけじゃない。人間は、サボると落ち込みやすい生き物だ。そして、番組に登場の料理家が、たまにはいいじゃない、という意味で「ズボ連（＝ズボラな主婦連合会）」を発足したという。

料理家いわく、カット野菜を使ってもいいとか。へぇ、面白い！　八百屋さんで、野菜をみていると心が落ち着くし、旬の野菜や果物には癒し効果があるのはわかっている。しかし、缶詰のホールトマトなどにも、栄養素はたっぷり詰まっていると聞くし、実際、カット野菜の栄養素はどうなの？……ちょっと調べてみる。うん、思っていたより悪くないし、値段も安い。一人暮らしの人が利用したくなる気持ちもわかる。目から鱗だ。

ちなみに、私には、この手の思い込みがありがちだ。おかげで、家の電子レンジも使いこなせていないし、無洗米もかったことがない。また私の頭の中が、カチコチになるところだった。

ほら昔、いたじゃないの。クラスに一人くらい。ふりかけだけでご飯を食べていたような仲間が。それでも、私たちは皆大きくなった。なにより、自分で自分を許せないのは、体によくない。

サボる口実を探そうとする自分とそれを許そうとする自分。臨機応変、柔軟になりたい。備えあれば憂いなしともいうし、頭の中にほんの少しだけ、カット野菜の余白も残しておこう。