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方眼紙と五線譜

日本で一番ノートを売るというコク●の現役社員が、方眼紙を使ってノートをまとめているという記事を、最近、電車の中で読んだ。そこで私は、昔々、別の用途で方眼紙を使っていた事を思い出した。

それは高校の夏休み。カンデンスキーやパウルクレーに興味があった私は、毎日の日課として方眼紙のマス目に沿って実験的に色えんぴつで色をつけていた。出来上がった幾何学模様の中で、気に入ったものは何枚かとっておいたが、当時飼っていた犬に気に入られてしまい、ボロボロになってしまったので残っていない。

五線譜にも、思い出がある。私が二十代の頃は、今みたいにメールも携帯もなかった。仕事で海外に出てしまうと、友人と連絡をとる手段は、主に電話か手紙だったと思う。

その中に音楽好きの大学の後輩がいて、便箋の代わりに五線譜を使って、手紙を書いてくれていた人がいた。当時、こんな使いかたもあるのね、と貰った私は新鮮で心がうきうきしたものだ。

さらに思い起こせば小学校低学年の時、「なんでもノート」と自分で名前をつけたノートを一冊持ち歩いていた。名前の通り、絵を描いても、文章を書いても、写真を貼っても何をしても自由なノートだ。学校に持って行ったら、これを凄く珍しがった同級生のお茶屋さんの男の子がいた。       

「ほら、僕も“何でもノート”作ったよ。」

と何日かしてから見せられた事がある。

私のメモ魔はその頃から始まり、大人になった今でも、携帯のメモ帳機能の他に、いつも白いメモ帳をかばんの中にいれて持ち歩き、何か思いついた時には、サササッと書き留めている。

ノートの使い方も人様々だが、頭の中は、可能な限り柔らかくしておきたい。今度、昔の後輩を見習って、音楽好きの友人に五線譜で手紙を書いてみようかな?

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