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グリーン・ウィーク

かつて皆さんは、偶然ばったり、友人や知人と遭遇したことはなかっただろうか?
 
それは、近所のカフェだったり、
図書館だったり、どこかの公園だったり……。
 
かなり前の話になるが、五月の連休に一人で、東京の文京区にある小石川植物園に足を運んだことがあった。

『植物の世界』(週刊朝日百科)を読み、風媒花(ふうばいか)という、風に運ばれて受精する「きみどり色の花」があることを知り、本物が見たくなったのだ。
植物園にいくことは誰にもいっていなかったし、小石川植物園は思ったより広かった。それなのに、みたことのある人がたっているな……と思ったら、私の友人だった。風媒花を話したら、友人が洒落た提案をしてくれた。

「それなら、今年は、ゴールデン・ウィークを改名してグリーン・ウィークにしない?その花を探しにいこうよ。」

後日、友人と都内の公園をカメラもって、何か所か歩き、最後にはとうとう、風媒花をみつけたことは、いい思い出だ。

それから、もう一つ。これは、大学時代の先輩の話。先輩は、卒業旅行に行ってくるといい、アメリカに飛び立った。
異国のビル街を一人であるいていたら、向うのビルの角を曲がって歩いてくる日本がいたらしい。近くまできて、驚く。同じ大学の後輩だったらしい。

「アメリカまできて、何でお前に会わなくちゃいけないんだよ。」

悪態をつきつつも、二人で麻雀をして帰って来たという。
まぁ、旅は道づれ、っていうし、いいじゃないか。

最近は、スマートフォンとか、グーグルマップなど、文明の力が発達したからなのか、そんな偶然を楽しむことに鈍感になったなと、感じる今日この頃だ。
 コロナが落ち着いたら、手ぶらで小さな旅にでてみようか?

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