男の中の男
衝撃の実話を小説風に書いてみようと思います。
東京発名古屋行きの夜行バスの出発時刻は22:50。
同期との退職前最後の華金。
飲み会残り30分に差し迫ってきた頃、意外にもみんなからのストップが入った
今日のバスキャンセルして明日新幹線にしちゃいなよって
予想以上にとめてくる彼らに圧倒されて少し悩む私。
そこの飲み屋からバスターミナルまで徒歩20分
22:15に飲み屋を出た。
ちなみにキャリーケースは駅中。
バス出発まで残り35分前。
意外にもゆっくり歩かれたり、
先に行かせてくれなかったりで駄々をこねる同期
そして駅に着いた時、荷物の場所がわからないハプニング
___________ああ終わった
荷物を見つけて時計を見た。
駅を出たのは出発10分前の22:40。
歩いてターミナルまで20分もかかる
間に合うわけがない。
1人は終電で帰る同期
あー。即座の決断力が足りなかった。
終電で帰るのか。
と
覚悟を決めた私に一言。
『おい、荷物貸せ。走るぞ。』
そして私が持っているキャリーバッグと仕事用バックを両手にガンダッシュを始めた。
途中も間に合わないよ、
といったが
『乗らないとまずいだろ。いいから早く走れ。道教えろ』
あの状況の中、この決断をするものなんて誰もいないし
初めて会った。そして重い荷物を両手に自ら走って前向きな言葉をくれる彼。
私先頭で彼と夜の通り道をガンダッシュ。
持久走の気分だった。
あの瞬間は余裕がないはずだったが
これなら間に合わなくてもいいとさえ思った。
それは決して下心ある意味ではなく、
それくらいあの瞬間は
彼と心の距離が縮まり、彼に対して安心感が芽生え朝まで語り合えそうとさえ思ったからだ。
通行人は笑いながら走る私を不気味に思っただろうか
そして到着したのは出発時刻は2分前。22:48
かっこいいと思った。
この感情は覚えていたいと思った。
彼氏がいるので惚れることはないが、
良い男だ。というか尊敬した。
私が思ってる以上に男の中の男だった。
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