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洗面脱衣室という不合理
家づくりをしていると当たり前に登場する洗面脱衣室、洗面台と洗濯機が置いてある脱衣室です。もはや日本の家のテンプレと化していますが、果たしてこれが最適解なのでしょうか?
これから家づくりをする方に向け、洗面脱衣室を分解し解説してみます、使いやすく合理的な間取りづくりのヒントにして頂ければと思います。
脱衣室の役割
入浴前の脱衣した姿を隠す
脱衣した衣類置き場
脱衣室は家の中で最もプライバシーが必要な空間ですが、最低限必要な機能は服を脱ぐだけなので畳1枚分程度で足りたりもします。
実際に洗濯機や洗面台を設置せず脱衣機能のみに特化した設計をしたことも多々有りますが、他をきちんと考えれば問題なく快適に住まうことができます。
洗濯機置き場
洗濯機は脱衣室に無くてはいけないのでしょうか?洗濯物を洗濯物干しスペースに持っていくことを考えると、物干場の近くに有っても良いですよね。必ず脱衣室になくてはならない、というものでは無いと思います。
洗面台の役割
手や顔を洗う
歯磨き
メイク
ドライヤー
洗う・鏡を見るという行為は浴室でも行うので、何となく近くに有ったら良さそうという気もしてきますが、よく考えてみると近くに無くても全く困りませんよね。
どうでしょう?洗面台・脱衣室・洗濯機置き場が同室になくてはならない、という合理的な理由は有るでしょうか?
個人的にはトイレを出た後に手を洗う回数を考えると、洗面台は脱衣室よりトイレとの関係性がずっと強いと思っています。
洗面台が脱衣室にしかない
ここまでは「同室でなくても良い」でしたが、これは「同室だと良くない」です。大きく2つの「良くない」があると思います
誰か(主に女性)が入浴中に他の人が洗面台を使いにくい
来客時に脱衣室まで見られてしまう
1.は全然平気という方もいるかもしれませんが、パートナーの意見はどうでしょうか?またお子さんが大きくなった時のこともイメージして頂ければと思います。
2.はお客さんが手を洗うような場合ですね。都度片付ければよいという意見もありそうですが、どうしても生活感が隠しきれないスペースになるので片付けるのは結構大変です。
我が家は
脱衣室に洗濯機・ガス乾燥機・肌着類や洗剤類の収納を設置しています。脱衣・洗濯・乾燥・しまうを完結させる狙いで、生活感全開の空間になっています。
脱衣室を出たところが共用部になっていて洗面台を設置しています。共用部からはトイレとリビングにもアクセスできます。
共用部とは言いましたが、リビングとの間に引戸を設けているので、ある程度のプライバシーは確保できます。
今回の話題から少し離れますが、こういった間取りの場合、トイレの音対策として、トイレの壁をリビングと接しないようにする(または壁に断熱材等を入れる等で対策する)のがポイントです。
まとめ
洗面脱衣室を洗面台・洗濯機置き場・脱衣室という役割に分解して考えてみましたが、同室である必然性は無さそうでした。むしろ洗面台が脱衣室にしか無い間取りにはデメリットが有りそうでしたね。
捉え方は千差万別と思いますが、皆さんの間取りづくりのヒントなれば幸いです。