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時折最高:012 Black Sabbath - Neon Knights (1980)

元祖ヘビーメタルバンドのブラック・サバスから一曲。サバスの曲の中でも際だって出来がいい曲だと思うのですが、代表作かと言われるとちょっと迷う、微妙なところです。

Black Sabbathは1969年デビュー、1stアルバムの発売が1970年。初代ボーカリストOzzy Osbou時代は19779年まで続き、8枚のアルバムを制作しました。アルコールとドラッグでオジーはクビになり、元エルフ/レインボーのRonnie James Dioが新たなボーカリストとなります。

"Neon Knights"はこの新生ブラック・サバスのアルバムHeaven And Hellの冒頭を飾る一曲。それまでのサバスとは趣の異なる、疾走感に満ちた曲です。また歌詞もロニーの趣味を反映したのでしょう、エピック・ファンタジーの世界です。レインボーよりヘビーなサウンド、サバスにしては明るい曲調。単純なリフなのですがとても魅惑的。

この後にDio Yearsと称される時期は1982年までしか続きませんでした。アルバムはHeaven And HellMob Rulesの2枚。加えてライブ盤のLive Evilです。

その後のサバスはIan Gillanが参加したり、オリジナルメンバーがギタリストだけになったり、オリジナルメンバー4人で再結成したりと、2017年の活動終息まで、実に困難な道のりを辿ることになります。

50年近く続くことになったサバスのキャリア全体からしても、今になってみれば1980年代初頭のDio Yearsは特別でした。メンバーが全員がそれなりのキャリアを積み、アルコールとドラッグの問題を抱えながらもまだ元気でした。ハードロックは時代遅れになりつつも、まだ凋落まではいっていなかったし、NWOBHMの新生代ヘビメタが脚光を浴びるようになる手前の時期。

そのDio Yearsの中だけで見ても、やはり"Neon Knights"はちょっと浮いているような気がします。まずテンポが速い。サバスの曲はミドルテンポかスローテンポの曲がほとんどなのですが、その中では珍しい早さです。次のアルバム"Mob Rules"のオープニング、"Turn Up the Night"が"Neon Knights"と似たような速いテンポですが、これは恐らく前作を意識したのでしょう。曲もやや似ています。

要は、サバスの曲の内、疾走感溢れるアップテンポで、爽快感のあるメジャー調な曲なんて他にないのです。

同時に、他のハードロックバンドの曲と較べても、やはり"Neon Knights"は飛び抜けていると感じるのですが、それはこの曲のリフがとても単純だからではないかと思います。ちょっと音が下がるのと、ちょっとコードを掻き鳴らすのと、その間をリズム隊がザクザク埋めているだけ(笑)。これでカッコいいサウンドが出来る!、という発見がこの曲のキモでしょう。

あまりにシンプルなリフ故に、飽きないのかな、と思いますが、同曲のライブバージョンを聞き比べてみると、やはりスタジオ盤が一番カッコよく聞こえるのです。ということは、曲自体プラスこのサウンド、そしてボーカルとすべてのバランスが奇跡的に取れたのがこのテイクなのではないかと。

なかなかこの曲と同じような味わいのものが思い浮かびません。
どなたか、何か思いついたらぜひ教えて下さい。

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