
時折最高:022 DAF – Absolute Body Control [Mix II] (1985)
DAFの1985年発表12インチシングルに納められたミックス。ややおとなしくなったアルバム収録バージョンよりこちらの方が好きだ。特に冒頭シンセの音圧が全く異なる。
DAFと略されるこのグループ、正式名称はDeutsch Amerikanische Freundschaftという。現在ではEBM(Electronic Body Music)の元祖とも呼ばれている。
DAF(D.A.F.、ドイチュ=アメリカニシェ・フロイントシャフト、Deutsch Amerikanische Freundschaft)は、デュッセルドルフの音楽ユニット。グループ名独米友好協会は、東ドイツの独ソ友好協会(ドイツ語版)と西ドイツの過激派ドイツ赤軍(R.A.F.)のパロディ。
初期のDAFは実験的エレクトロニクスのグループで、インダストリアル系のパンク/ニューウェーブバンドだと受け止められていた。
上記が1st、2nd。2ndは日本でも発売された。発売元はトリオ・レコードで邦題は「サイレント・ノイズ」(原題は「小さき者と悪しき者」の意)。ノイズ系のバンドだとして扱われていたことが窺える。
この2ndアルバム、A面の録音がコニー・プランク・スタジオで、録音エンジニアもコニー・プランクである。1stの抽象的音響に、シーケンサーによるリズム感が加わり、ボーカルも入ることで曲としての形が明確化された。
明確になってきた方向性に振り切って、メンバーはロベルト・ゲアルとガビ・デルガド=ロペスの2人のみとなった。そして新たに英Virginと契約して発表された3枚のアルバムが、DAFの人気と評価を決定づけた。わざと不安定にしたシーケンサー、ドラムス、ボーカルという組み合わせで、色合いの異なる3部作を作り上げた。
この3枚を残してDAFは解散、しばらくは2人それぞれにソロ活動を行う。
1986年に再結成、英語で歌うニューアルバムを発表する。
今回ピックアップした「Absolute Body Control」はアルバムに先駆けてリリースされた12インチシングルに納められたバージョンで、アルバム収録盤よりも攻撃的なサウンドになっている。つまり一番Virginレーベル時代の音に近い曲である。しかし音楽性はVirgin時代のものから変化しており、新たな方向性との融合が成功した例だと思う。ニューアルバムは往年のファンにはあまり評価されなかった。ちょっとディスコ寄り過ぎた?
再度解散、再度結成して新譜を発表。
80年代にVirgin3部作を聴きまくっていたこともあり、私にとってDAFはDAF。その後ハウスもEBMもテクノも聴かなかった。ジャンルとしてどうこうではなく、DAFというバンドが好きだっただけなんだなあ、と今更再認識している。