見出し画像

時折最高:059 Steely Dan - Gaucho (1980)

Steely Danというバンドのアルバムで、最初に聴いたのが「Gaucho」でした。発売時にFMで全曲放送されたのを録音してました。その頃は冒頭の「Babylon Sisters」がまあ覚えやすくて、ふ~ん、こんな感じのバンドなんだ、というくらいの感想。

その頃はプログレ開拓とパンク、ニューウェイブ、ノイズ、シンセ音楽あたりを追いかけていたので、Steely Danについては「ちょっと聴いてみた」、「知ってる曲もある」くらいで終わりました。

次に好きになったのは「Rikki Don't Lose That Number」。これはポップだし、サビのコーラスがいい感じだし。

そこから20年近く、その後聴いていなかったSteely Danですが、もうちょっとちゃんと聴いてみるか~、とベストを入手してみました。

買ったのはこれ。

うん。キャリア横断のベストだから、これで大体のことは分かるだろう、と。

そうしたら今更のように冒頭の「Do It Again」「Dirty Work」「Reelin' In The Years」がとても気に入りました。そうか。あのヘンテコなイラストの1stアルバムってこんな曲が入ってたのか、と。

次に気に入ったのは多分「Peg」あたりだったんじゃないかと記憶しています。

なるほど。巷でやたら名盤扱いされる「Aja」あたりになると、こんなフュージョンっぽい音だったのか。

その後以前よりはずっと好意的に聴けるようになってから、紙ジャケが出たのを切っ掛けに、オリジナルアルバムを揃えて聴き直してみました。

そして何回か繰り返し聞き返して、残ったのは「Aja」と「Gaucho」。自然とこの2枚を聞き返すところに落ち着きました。

それでもこの2枚にも違いがあって、「Aja」はやや重く緊張感が強い。
「Gaucho」は少しリラックスして漂う感じ。
結局一番聞き返した回数が多いのは「Gaucho」でした。

その中でも、アルバムタイトルトラックの「Gaucho」。ある日急にこの曲が浮き上がって聞こえたのです。なんだか異質。

そもそももう何十回と聞き返しているのに、未だに主メロと伴奏の段取りが覚えきれない。なんともまあひねくれたメロディと伴奏。なのに全体の音の響きだけはず~~~~と妙に心地よい。流して聴いているといい感じの響きの美しい曲なのに、注目して集中すると、なんとも捉えきれない奇怪でヘンテコな曲。

ここまでひねくれてヘンな曲なのに、BGMにするといい気分。
なんじゃそりゃ?(笑)

結局Steely Danというバンド自体については大ファンとは言えない程度の気持ちしかないのですが、「Aja」と「Gaucho」は大好きです。あとは個別の曲で何曲か好き。ウェイン・ショーターがサックスソロを吹いてる「Aja」も名曲だと思います。

バンドのファンではありませんが、曲のファンではあります。
そして1曲選ぶなら、一番訳の分からない美しさを誇る「Gaucho」を選びます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?