
時折最高:060 Roy Harper ~ Once (1990)
Backing Vocals – Jacqui Harper, Kate Bush, Roy Harper
Bass – Tony Franklin
Drums – Steve Broughton
Guitar [Additional] – Mazlyn Jones*
Guitar, Vocals [Vocal] – Roy Harper
Harmonica – Mark Feltham
Lead Guitar – David Gilmour, Nick Harper
Roy Harperというイギリスのフォーク、ロック歌手の名前とどこで出会うか? 日本のロックリスナーだったらかなりの確率でレッド・ツェッペリンかピンク・フロイド経由ではないかと想像します。
ツェェッペリンの3rdアルバムラストの曲は「Hats off To (Roy) Harper」というちょっとヘンな曲。ハードロックバンドだと聞いてこのアルバムを聴いたのなら、なんだこりゃ?と思いつつ「Roy Harperって誰?」と気になったことでしょう。
Pink Floydのアルバム「Wish You Were Here」(炎)では「Have A Cigar」という曲のボーカルをRoy Harperが担当しています。
「炎」が出た1975年にRoy Harperは「HQ」というアルバムをリリースしていますが、そちらではBill Bruford(Ds)、John Paul Jones(b)、David Gilmour(g)、Chris Spedding(g)、なんて物凄いメンバーがバックをやっていたりします。
そんなきっかけでRoy Harperの名前が気になっても、じゃあどんな音楽をやってるの?、となると、少なくとも日本ではそれほど熱心に紹介されたことはないかも知れません。CD時代以前には、一部の日本盤がひっそり出ていたくらいかも。
気になっていたこの歌手のアルバムを、中古で最初に買ってみたが77年の「イギリスでの或る日」というタイトルのアルバムでした。
一聴して「なんていい声なんだ!」とびっくり。シングルカットもされたポップな一曲です。なのにLPのB面ではOne Of Those Days In England (Parts 2 To 10)として20分ある大長編になってるんです(笑)。
アナログではなかなか集めにくかったRoy Harperなんですが、90年代くらいから再発が進んできて、自身のレーベルからCD化が行われました。
その頃に輸入盤屋のバーゲンセールで入手したのが「Once」という1990年の作品でした。
8分ほどある長めの曲ですが、これはテンポがゆっくりだからですね。
なんというか、深くて美しい曲だな、と感じました。
ポピュラー音楽の男性ボーカル曲としては、最も感動的だなと感じている曲の一つです。
大体70年代前半の作品が代表作として語られることが多いのですが、2013年のアルバムリリース後に音楽業界から引退するまでのキャリアがあるのです。80年代以降もアルバムリリースは続いていますし、90年の「Once」だって実に素晴らしい。バックコーラスにKate Bushが参加してたりもしますし。
なのに「Once」というアルバムは配信音源がないみたいなんです。
余計宣伝したくなります(笑)。
本人は、歌手である以前に自分は詩人である、という自己認識なのだそうです。長い曲も多いのですが、つまりそれは詩が長い、ということから来る必然なのでしょう。
Roy Harper Official Website
Passions of Great Fortune, The: Roy Harper the Songs Explored
沢山の写真と共に歌詞を掲載した大判のハードカバーです。