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時折最高:045 福岡史朗 - チクロ (2005)
Ginjin Recordという自主レーベルを運営し、作品をリリースしているロックミュージシャン。
90年代半ばにエイヴェックスからGreedy Greenというバンドでプロデビュー。しかしご本人によると、この時代のことは忘れてほしい、とのこと。
2001年からソロアルバムを発表し始める。
メンバーとバンド名はいろいろ変遷しながら、現在も活躍中。
この曲の歌詞、私なりの解釈ですが、昔のバンド仲間の思い出の歌なんじゃないかと思っています。
チクロって人工甘味料の名前なのですが、どのくらい通じるのかな?
一時期はチクロ入りのお菓子というものが出回ったのですが、発がん性があった、ということで使用禁止になった甘味料です。
日本での使用禁止は1969年11月とのことなので、60年代後半の思い出なのでしょうか?
若さ故のあやまちと
今でも君は言うのかな
いくらも変わらぬぼくは
のるかそるかに夢を見てる
想像ですが、音楽辞めちゃった友人と続けている自分なのかな、と。
悪くはないけど
何がいい
悪くはないが
あー、これなんかのオーディションとか?
言われそうな台詞です。
あとどうでしょう。例えば友人から「これお勧めの曲!」と言って何か曲を聞かされた時に、ふと「悪くはないけど・・・」、なんて答えちゃったりしませんか? 友人との会話なのかも知れませんね。
この「悪くはないけど 何がいい?」って、ミュージシャンにとっては殺し文句じゃないかと思うのです。残酷ですよね。
そんな歌詞が乗せられた曲は、なんだか60年代のブリティッシュ、エレクトリックトラッドの香りのするサウンド。歌詞を無視すれば、なんだかどこかで聞いたような懐かしさのあるサウンド。
「日本語の歌を作る」という点については、本当に素晴らしいソングライターだと思います。
2005年の傑作曲「SUNTIGER」もいいですよ。
わざとローファイなミックスに仕上げています。エンジニアは高橋健太郎さん。
これも、何かしらどこかで聞いたような気がするサウンドです。
あれ、この笛の音、Bonzo Dog Bandの「I'm A Urban Spaceman」みたいだなあと思ったら、案の定福岡さんBonzo Dog大好きだそうで、そのイメージで間違いないみたいです。
で「サンタイガー」ってなんじゃい?、なんですが、実は近所にサンタイガー公園というのがあって、それっぽい動物らしき乗り物というかオブジェが実在するらしいです。だから妙に幻想的にも聞こえるこの歌は、「子供といく近所の公園にあったサンタイガーなるものについて歌った」ものだったのです(笑)。
福岡史朗さんについてはネットでも情報は多くないのですが、もっと注目されるべきアーティストだと思います。
それはそれとして、ネットでいろいろ聞いているときに、「チクロ」の歌詞の中の「悪くはないけど 何がいい?」ってフレーズが頭から離れないんですよね(笑)。
可愛い顔をした恐ろしい曲だと思います。
配信音源では、年代別のベストが2つだけリリースされています。
これは配信オンリーのようです。
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