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いれいすオリ曲考察「C.O.G」

いれいすオリ曲考察第八弾はC.O.Gです。
珍しい組み分けで看守側と囚人側に分かれている楽曲。その歌詞は「看守と囚人」という一言では表せないほど複雑で考察のし甲斐があるものとなっています。


モチーフ

まず最初に思うこととして、「どうして看守側がこんなに悪そうなのか」というものがあると思います。看守は囚人を逃がさないように見張る役割、つまり一般的に考えれば看守が正義で囚人が悪です。ですがこの楽曲のMV、看守が囚人レベルで悪い人らしさ全開です。しかも後で書きますが歌詞も中々残酷です。
どうしてなのか、考えているときにこのようなツイートを目にしました。

※ポストのご本人様に引用許可はいただいております。

スタンフォード監獄実験。これがこの実験中の話がモチーフだとすると納得のいく歌詞がいくつもありますし、看守がこのようになっている理由もよくわかります。

スタンフォード監獄実験

スタンフォード監獄実験をものすごく短く説明するとごく普通の人に囚人と看守という役割を与えて本物の刑務所のような場所でその役割を演じさせた場合どうなるのかという心理学の実験です。
スタンフォード監獄実験の中でもこの楽曲に使われているであろう要素を抜き出してあげていきます。
・時間が経つにつれ囚人は囚人らしく、看守は看守らしく行動するようになった
・看守は誰かに指示されずとも自ら囚人に罰則を与えるように。最終的には暴力も与えるように。
反抗した囚人の主犯格は独房に見立てた倉庫に監禁された
・実験に耐えかねた囚人が実験の中止を求めるが実験の主催者は実験を継続させた。
・精神的に追い詰められた囚人を看守は独房に見立てた倉庫へ移動させた。他の囚人にその囚人に対しての非難を強制し、精神的に追い詰められた囚人はまもなく実験から離脱した。
離脱した囚人が仲間を連れて襲撃に来るという情報が入るが実験中の囚人役のただの願望だった。

実験の結果
・強い権力を与えられた人間と力を持たない人間が、狭い空間で常に一緒にいると、次第に理性の歯止めが利かなくなり、暴走してしまう。
・元々の性格とは関係なく、役割を与えられただけのような状態に陥ってしまう。

上記のものも利用して歌詞考察をしていこうと思います。

歌詞

愛自由はない 
調教済みの快楽で支配 
断罪に怯える声が子守歌 
まだ寝れずに夜明け 
ねえもうちょっとだけ

最初のないくんのパートです。先ほどのスタンフォード監獄実験の概要を知っていると強い権力を持ち、囚人側を支配し蔑む看守としてのこの歌詞にも納得がいくと思います。

待ってやるから走って逃げろ Go chase
滑稽な光景に貢献するゴミ同然 
虫唾が先走る見てるだけで
恥ずかしい猿者追い詰めてチェックメイト

このりうらくんのパートですが、二つの見方がありどちらかがわかりません。
一つ目が囚人の味方説。囚人を逃がし、「滑稽な光景に貢献するゴミ同然」は自分に言っているような感じ。看守組の中でも一人年が離れているので純粋に実験に疑問を持っていたとしてもおかしくありません。MVの反省、反抗、反旗、反逆、反撃と映るところでも最後反撃の色が赤色になっていますし。
二つ目がド屑説。囚人を逃がすように見せかけて逃がさない。希望を与えて潰す。助ける気はゼロ。「Go chase」は直訳すると「追いかけていく」です。これだけなら囚人を逃がしてから自分も逃げるといった意味とも捉えられますが「追い詰めてチェックメイト」と言う歌詞は看守として囚人を追い詰めるという表現に聞こえます。逃げるチャンスをわざと与え、追いかけ、追い詰め、捕える。サビもないふと共に歌っていることろからもこちらの線もあり得ると思います。
どちらもあり得る見方です。

幸か不幸か俺が裁こうか 
You've got the fight, but you'll lose the light.

英語は意訳すると「あなたたちは戦いに勝ったけれど、光を失うことになる」だと思います。「幸か不幸か俺が裁こうか」は指示されずとも囚人に罰則を下すようになった看守にはぴったりだと思います。「戦いに勝つ」は実験から離脱することでしょうか。私としては

離脱した囚人が仲間を連れて襲撃に来るという情報が入るが実験中の囚人役のただの願望だった

離脱できた囚人は「勝った」と表すこともできると思います。なにせ牢獄、後の歌詞の表現で言うと歪んだ楽園から逃げ出すことができたのですから。そして「光を失うことになる」は襲撃がただの願望だったという上記のエピソードの通りでしょうか。

欲望と蹂躙の門番
背徳と快楽の支配
鉄格子越しに笑った 淡い希望
歪んだ楽園はどうだい?
拒否権はない逃げられない
無慈悲で絶対的
服従を俺に誓え

サビも実験のことを知っていると納得いくものだと思います。
「服従を俺に誓え」という高圧的な態度も、

・強い権力を与えられた人間と力を持たない人間が、狭い空間で常に一緒にいると、次第に理性の歯止めが利かなくなり、暴走してしまう。

という実験結果と合っているように感じます。

はぁ馬鹿ばっか生きづらい世の中 
くだらない法で不細工な大人方w 
何の為に辛いことすんの? 
カァイイ僕でいたいの Do you know?

この「大人方」には看守だけでなく実験の主催者も含まれていると思います。
「何の為に辛いことすんの?」は罰を与えだす看守に対しても、どんな状況になっても実験をやめようとしない主催者に対しても言っているのではと感じました。

巻いたチェーン 飛んでるブレイン 
中指含めたピース覚えとけ 
誰も彼も勝手に縛り甘く見てるFake共 
「サイアクや ちゃんと縛れや」

「飛んでるブレイン」や「Fake共」は看守を表しているのではないでしょうか。特に「Fake共」は本来は看守ではなく役割を与えられているだけなのに看守のように振る舞い、罰則を与え、暴力を与えだす彼らへの言葉だと考えます。「中指含めたピース覚えとけ」はそんな彼らへの恨みの象徴でしょうか。
「サイアクや ちゃんと縛れや」が私の中ではどういう意味か解釈しきれていません。自傷癖があって自分を傷つけた、暴走癖があって仲間を殺した…この辺りは初兎くんの立ち絵で全身を縛られているようなところ、口につける拘束具らしきものもあることからも想像できることです。

暇つぶしの相手くらいにはなってくれよ Ride or Die

反抗した囚人の主犯格は独房に見立てた倉庫に監禁された

この反抗した囚人の主犯格、あにきだと思います。直感といえば直感なのですが…。「Ride or Die」が直訳すると「乗るか死ぬか」なので共に反抗するという計画にのるか、このまま看守に思いのままにされて死ぬかを聞いているようにも聞こえます。提案しているところからも主犯格らしいです。この歌詞はいむしょーに向けてでしょうか。前の歌詞を見る感じもいむしょーは看守、そして実験の主催者へ不満を持ち反抗の意志もありそうですし。
ちなみに、「Ride or Die」は親友や相棒のような人を指す言葉でもあるようです。こちらの意味でもこの言葉は囚人としての協力者であるいむしょーを表しているように思えます。それか、妄想の域になりますが看守側の誰か、あにきとVSとなっているのはいふくんなのでいふくんな説が強いと思いますが、いふくんとあにきは実験開始前親友か相棒か、そんな関係で実験で看守側と囚人側に分かれてしまったのであにきが残酷な人間と化してしまったいふくんに皮肉も込めて「暇つぶしの相手くらいにはなってくれよ」と言っているのではという説もあります。

絶望と復讐の玉座
背徳と快楽の自戒
鉄格子越しに睨んだ 粗い眼光
冥暗の深淵へ招待
拒否権など必要ない
自由が待ってる場所まで
Mastermind  ここから飛び舞おう

このMastermind(黒幕)は実験の主催者を指しているのでしょう。「拒否権など必要ない」は「拒否権はない」と言う看守は無視する気満々だからでしょうか。自由のためには看守に手を出す必要はありません。実験の主催者に反抗しなければ実験は終わらないので。

このように考えれば囚人側に一切反省の色がないのも理解できます。実験のせいであれば囚人側に非はありませんから。

理解不能なら頭から先まで系だ 
脆弱蹴り飛ばし消えな 
全て壊せEvil unchanger

Evil unchangerは邪悪な不変者。おそらく囚人三人のことだと思います。自分たちに向けて言っているのでしょう。邪悪は囚人側であること、不変者は実験をされてもなお囚人という役割に徹さず実験の中止を求めていることを表しているのではないでしょうか。

好き勝手に発狂で品がない まかり通ると思ってる 馬鹿馬鹿しい
ハッタリはかったりい
狂った笑い
覚悟はいいか 恰好の的さ

・精神的に追い詰められた囚人を看守は独房に見立てた倉庫へ移動させた。他の囚人にその囚人役に対しての非難を強制し、精神的に追い詰められた囚人はまもなく実験から離脱した。

これの非難を強制したところではないでしょうか。たとえ発狂したとしても簡単に離脱させるつもりはない、そんなようにも聞こえます。

監獄に残酷な忠告するMaster

ここのMasterは囚人側の言うMastermind、つまり実験の主催者だと思います。反撃しようとしている囚人に主催者から忠告が来る。それを通達するのは看守組だと思いますが。

欲望と絶望の交錯
背徳と快楽の誓い
鉄格子越しに交じった
正義VS正義を

欲望が表すのは看守側、絶望が表すのは囚人側。そしてそれが交錯鉄格子越しに交じったとあるのでまだ囚人側は行動を起こしていないように思えます。行動を起こす直前といった感じでしょうか。
あくまで看守役を徹底している看守側、酷すぎる実験を中止させようとしている囚人側。どちらも彼ら自身の中での正義ではあります。だからこその正義VS正義でしょうか。

断ち切った鎖の正体
己を縛る罪と罰
魂までは縛れない
賽はまだ止まらせない

「己を縛る罪と罰」や「魂までは縛れない」は囚人に向けて言っているのではないかと思いました。囚人という役割を与え、罪と罰で縛ろうとしても彼らは反抗するつもりですから。囚人パートの歌詞、MVの雰囲気からも反抗の意志があることは看守もわかっているでしょう。
「賽はまだ止まらせない」、これは実験を終わらせないことを意味していると考えます。看守側はこの実験を終わらせようと思っていません。「賽」がいれいすメンバー全員を指しているであろうことからも実験そのものへの話だろうとは考えられます。そして「止まらせない」。強制的に動かし続けるようなものです。止まろうとしても動かし続ける。MVの中でもサイコロが鳥かごに入っているような描写がありました。囚人側だけでなく、看守側も鳥かごの中。囚人を逃がさないといった意味よりも囚人も看守も含めた実験そのものを終わらせないことを意味しているような気がします。

なのでこの歌詞は、囚人は反抗する気満々だけれど実験を終わらせるつもりはないといった意味ではないかと考えます。

断ち切った鎖の正体
己を縛る罪と罰
欲望と絶望の勝敗
服従を俺に誓え
自由はまだここにある

最後まで看守側は看守としていること、囚人側は自由を求めることをやめません。
この楽曲のラストではガチャンと牢屋が閉じられています。囚人側が実験を止めようとしたけれど失敗し、牢屋に戻されたことを表しているのかなと思いました。だから捕えなおしてからの看守側の「服従を俺に誓え」。でも囚人側はそんなもの聞くつもりもなく、実験の中止を諦めようともしていません。だから「自由はまだここにある」と言っているのだと考えます。
史実としてのこの実験は最終的に被験者の家族やそのほか実験の残酷さを知った人物たちから止められて終わります。この楽曲の物語もそうして終わるのでしょうか…

最後に

以上が私のCOGの考察になります。様々な解釈を考えてみる中でもこれが一番納得しました。わからないところもたくさんあるので初兎くんの歌詞解説を全力待機します。この考察を根っこからひっくり返される可能性も高いので怖さもありますが。初兎くんの解説を聞くことが出来たらそれはそれでまとめるのもありかなと思っています。

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