観た。『イシナガキクエを探しています』
観ました。
以前からなんとなく存在は認知していたのですが、なんだかよくわかんないけど一部で流行ってるね~くらいの認識でした。
時期を同じくして『アメイジング・デジタル・サーカス』の2話もしばらく寝かせていたので、動画を摂取するモチベーションがあまり高くなかったタイミングだったのかもしれません。
アメイジング・デジタル・サーカスも面白いので是非。
『イシナガキクエを探しています』を観ることにしたのは、誰だったかのツイートで「TVerでの配信は今月中だよ!」ってのが回ってきたのがきっかけ。
ちょうどブンブンジャーやらワンプリやらを見終わってTVerを開いていたので調べてみました。
どうやら全部で4話で、各話は30分以内に収まっているらしい。
こりゃ良い具合だってんで、一気に全部観ました。
それほど真面目に観ていたわけではなく、二枚目のディスプレイでせわしなさの少ないゲームをぽちぽちしながら。
良かったです。
なにかこう、激しく面白かった!やったー!って感じではないのですが、なにか良かったです。
今更ネタバレに配慮することもないのですが、念のため伏せつつ。
これは50年以上も前に行方不明になったイシナガキクエさんを探す米原実次さんの遺志を継いだ公開捜査番組という体で進行するモキュメンタリードラマです。
モキュメンタリーってなんか流行ってるんですかね。
ブレアウィッチとかパラノーマルとかが話題になった20年くらい前にはたくさん観たのは覚えているのですが、それからはあまり流行っている印象はありませんでした。
近年になって奥様ッソとかこのテープとか増えてきたような感じがあります。
モキュメンタリーの嫌な感じの生々しさって好きなので、また勢いを増してくれると嬉しいです。
『イシナガキクエを探しています』は最初からどこか不穏で、キクエを探している米原さんの周りに漂う湿った異常性がすごくリアルで、それでいてインタビューを受けながらご飯を食べる姿が思った以上に普通で、グラデーションとしての人間描写が良くも悪くも不気味でした。
そもそもイシナガキクエって存在するの?米原さんの妄想じゃないの?って思ったところからスタートです。
いるんだかいないんだかわからないキクエを探すなかで、それどころではない別の不穏さが各方面からさまざまな形でじっとりとやってくるのがハマる人にはハマりそう。
Youtuberのキラフが出たあたりでややダレる……というか、謎がぐっと深まるのでその奥にある深淵とか真相とかが急に翳って見えにくくなるのが仄暗くて怖気が走る。
特に3話目はローカル番組に出演する米原さんの言動で急に情報量が増えるので、良からぬ想像も搔き立てられてまたGood.
番組の序盤で目撃情報として寄せられたあれやこれやはいったい……となるともうわかりません。
米原さんが最期を選んだ理由も結局明らかにはされなかったし。
あるいは自分で選んだわけではなく、組織ぐるみで?
なんとなくの大枠の情報はほのめかされているものの、その全貌が明らかにされるわけではないので観終わったあとはモヤモヤ…
でもモヤモヤしつつも、なんかいい体験したわ…って達成感に似たカタルシスがあるのも事実で、それ以上は余計に痕を残さない潔い締め方も個人的には好き。
テレ東が映らない地域で青春時代を過ごしたのでこれまであまり縁がありませんでしたが、テレ東はこういった番組にも力を入れているみたいなのでまた似たようなものがあればぼちぼちチェックしておきたいです。