彼女とホスト
「歌舞伎のホストにハマっちゃった」
「私シェアハウスのタイ人に強引に手引っ張られてヤラれた」
「料理めんどい。しかも、どこの国の人かよくわからない人が料理作ったあとキッチン臭いから。
なんか、肉煮てるんだよね。
だからUber Eats」
北関東から都内のシェアハウスに移り住んだ彼女は毎日がトラブル続きらしい。
否、不器用すぎて生活全般が上手くまわっていない。
爪が切れなかったり、メイクがわからなかったり
TPOに合わせた服装ができなかったり。
職場の人にも心配されがちな彼女。
「あ~。ダメだ。一般人じゃ満足できない。ルナくんに会いたい」
『お金大丈夫なん?』
「バイトとタイミー掛け持ちするから大丈夫」
決して大丈夫ではないのだが、満面の笑みで言われると大丈夫な気がしてくる。
彼女は生まれつき軽度の知的があり、24歳までグループホームで共同生活をしていたが、
「もっと広い世界をみたい。他のひとと同じように働きたい」
そう一念発起し、正規の手続きを踏み退所した。