63歳の親がクソ保険に入れられそうになった話
私の親が保険で騙されそうになった話をします。結論、契約ギリギリで私に相談してくれたので、契約を止めることが出来ましたが、多くの人は騙されてしまうんじゃないかと思いました。そんな危ない保険を買わないための啓蒙活動の一環として、この記事を書くことにしました。
今回親が長年の友人からセールスを受けていた超大手の保険商品は、個人型変額年金保険というものでした。一括払いで保険会社にお金を支払い、運用してもらい、10年後か年金として10年間お金を支給してくれるという商品でした。過去数年の実績を見ると予定支給額は預けたお金の1.5倍以上になるとセールスは言ってたそうです。ここでは、あえて会社名や商品名は出すのは控えます。
保険の目的と保険会社の役割
そもそも保険は(事故、死亡、病気、超長生き等)お金で困ることがあった人に対して、みんなで助け合って困らないようにして安心しようって仕組みです。でも個人が集まってお金集めたり管理するのはものすごく大変だから、保険会社が代わりにお金を集めて、運用して、困った人に支払ってくれるのです。
ただ、保険会社も営利企業なので利益を出す必要があります。どういう風に利益を出してるかっていうと、将来どのくらい困る人が出るか確率を出した上で、集めるお金(保険料)、運用率、支払うお金(保険金)と、”儲けたい分の利益”を設定して、保険商品を作ります。すでにわかってる確率から自分で利益決めてるから、ほぼほぼ確実に儲かりす。逆に、困る人がどれくらい出るのかのわからない保険は絶対に作りません。
そうやってめちゃためちゃ慎重に利益が出るように設計した保険商品ですら予想できないことが稀に起こって、保険会社にとって赤字が出てることがあります。それでも保険会社は契約内容にそって必ず保険金を支払ってくれます(戦争などの超例外を除き)。保険会社がそのリスクを請け負い、困った人に事前に契約した内容通り、お金を払ってくれます。結果、お金で困った人が”約束通り”助かります。
何も約束しない保険商品
今回親が提案された商品は、”この約束”が何もないところが最もひどいポイントでした。保険本来の「安心感」が完全に欠如しており、保障機能がほぼほぼなく、運用リスクが契約者に全て転嫁されていました。死亡保障ですら、積立金を返してくれるだけでした。ざっくりいうとは、”お金を保険会社が代わりに運用します”、”支払い額は事前に定めません”。つまり、”うまくいったら増えます、失敗したらごめんなさい”。”でもうまくいこうがいかまいが、手数料はガッツリもらいます”、という事をうまーーーく説明しているのです。
保険会社に運用を任せる意味はない
保険会社が前述のようにリスクは取らないのであれば、保険である意味はすでに皆無なのですが、100歩譲って、投資としての魅力的な点があれば、検討余地はあります。投資商品なので、あれば大切なのは、手数料と中身です。手数料が安くて、運用の投資先が魅力的、戦略的なのであればですが。(後述しますが、全くそんな事はありません笑)
1, 高い運用手数料
年間4-5%増えれば万々歳の投資の世界で、運用で取られてしまう手数料はすご〜く慎重に検討しなければなりません。この商品を見ると、保険会社の運用コスト(約1.25%)+信託報酬(約0.5%)=合計約1.75%でした。年利4%だとすると、利益の半分が手数料に消えてしまいます。現在はネット証券などで、簡単に低手数料の商品を買えます。信託報酬0.1~0.2%のインデックスファンドはゴロゴロあるので、運用効率が著しく劣ります。
2, 運用商品なのにファンド選択が限定的
投資先を見てみると、国内外の株式や債券、リートが対象でした。内容は一般的な投資信託(オルカンや債券バランスファンド)をベンチマークするといったいたって普通の内容です。こんなものであれば、スマホでポチッと証券会社から低手数料で直接購入できますし、ニーサやイデコの枠が余ってる人達なら、そっちの方が節税もできます。
手数料が高くて中身は普通なクソ投資商品
解約控除がある
• 最大4%の控除:契約から5年以内に解約すると、解約控除費用が積立金から差し引かれる。
• 資金の流動性が下げる:途中解約するとめちゃ損する。
セールスの仕方も胸糞悪い
過去数年のファンドの運用実績から”10年後”の返戻金予想(年金として支給してくれる額のこと)を基にセールスしてくるところもすごく詐欺的ですよね。10年後の運用結果なんて誰にもわからないのにも関わらず、成績の良かったファンドを商品の中で組み合わせで提案してきてます。暴落局面だったら、全く違う商品を提案してくるんでしょうね。ビットコインは過去5年で15倍になりました!今後5年でさらに15倍、その後5年で15倍になるから1000万入れれば、10年後には22億円ですね!っていってるようなもんです。。。。
まとめ
こんなひどい商品を長年の友人に提案しなくちゃいえないようなセールスは、おそらくよほど切羽詰まってたことでしょう。本当にこれが良い商品だと思っているなら純粋に金融リテラシーが足りないポンコツであります。
親には小一時間説明した上で納得してもらいましたが、当の担当セールスには直接会わせてもらえませんでした。(関係性が悪くなるのが嫌だと。。。)
私としては、どうにか私の気付けていないメリットがあるのであれば勉強のために教えて欲しかったのですが(税制優遇面も調べましたが、超限定的でした)、今回は諦める事にしました。ぶっちゃけモヤモヤはしてるので、どなたか博識な方教えてください!!!
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今回はここまで、、、ではまた