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キナリ杯感想10

↑簡単にできてたことが、気づいたらできなくなるってありますよね。書き出しが導入化粧水で頭の毛穴がばっと開くような(例え方よ)問いかけで入り込みました。葛藤や、救われたことなど、その時々のことを細かく思い出して書かれていて、わかりやすかったです。


↑Amazonと本屋さんの違いはわたしも考えたことがあったしよく見るけど、そこに図書館が入って、3つの場所をそれぞれ褒めながら日常の話も交えて細かい幸せのお話もあり、なにより本への強い愛で締めくくられていて嬉しくなりました。作品の価値の時間軸、という新しい定義もお見事。


↑一行目、超いいな。なぜか「。」もないけど、その唐突な勢いが、なんかいいな。わたしに見せたいのねで終わるのが、勢いもありつつ、若干ホラー的なインパクトもあり、文字と文字の間の余白もなんか意味深に思えてきてしまう、それくらい謎の熱量のあるお話でした。


↑大同電鍋ってなに?って思っていたら、渡りに船的なお話の早い構成で大変助かりましたし、ポンポン読めちゃいました。これかわいいな。あらやだかわいい、も渡りに船的な感想でした。手書きの説明の絵が、味があって超好きです。これは鍋がほしくなる。


↑わたしもメンヘラサイコパスと付き合ってたことがあるので、冒頭はわたしの話かと思いました。それだけで仲間意識が芽生えてしまう書き出し。そのやばい話を、美術で語っていくっていうやばい構成に笑ってしまいました。ラブと絶望感と謎の熱量だけがガンガン伝わってきて、読んだあと、ちょっと賢くなったし、美術館に行きたくなりました。


↑乙一さん、中学生のときにめちゃくちゃ流行ったけど、逆に流行りすぎてて読めなかったんだよな。このnoteを見て、わたしも読んでおけばよかったと思いました。本に救われたこと、自分がどん底にいたこと、考え込んだことなどを丁寧に聞くと、何倍も興味を持てるのですが、このnoteもそうでした。聞かせてくれてありがとうございます。


↑鼻を焼くとは…こわ……って思ったんですけど、ポップな鼻血展開でどういうことやと読み進めました。最後のドナドナの歌詞引用がさながらエンディングテーマっぽくて、哀愁のギャップに笑ってしまいました。お大事に。


↑おもしろい話で晴と雨っていう対極を出す構成、気になるし、話の流れも上手いなあって思いました。チキンラーメンが食べたくなるけどその理由がわからないくらい、レトロな日常にダイブするような丁寧な描写でした。


↑離婚届の文字が目立ちすぎていて、この芝居がどう離婚につながるんだ、といい感じでハラハラしながら読めました。苦しいと悔しいの感情の変化も、言われてみればわかる、と新しい気づきでした。お見事。そして離婚する話じゃなくて、いらん私と結婚したくないっていう話だったんですね。すごい。読めてよかった。

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