赤ちゃんの脳と足に異常の疑い。その時、私は何を思う? 赤ちゃんが伝えてくれたメッセージ。
子どもは10歳まで母親のために生きる。
赤ちゃんは100%、幸せにしたいお母さんを選んでやってくる。
信じてる。
信じてた。
何もなければね。
中期の妊婦検診で、すぐに大学病院に行くように言われた。理由は、脳室の大きさと足関節の異常が見られるからだ。
暗い部屋でエコーをみると、いつも涙が一筋流れる。しっかりと目を凝らしているから、乾いているだけ。そうなんだけど、今回は泣いていたのかな。
産婦人科でも、自宅に戻って夫に話すときも淡々とふるまった。まだわからないし。明らかに動揺している夫を前に私が取り乱すなんて、といつもより足を踏ん張った。
娘を幼稚園に迎えに行くため、夫との会話は3分で済ませた。
子どもたちの笑い声が聞こえてくる。「フツー」であることのありがたみ、「フツーでない」ことへの偏見と行ったり来たりしながら、裏門をくぐった。
何も知らない娘がいつも通り、走って駆け寄ってきた。手には塗り絵と1枚の紙。お絵かきをしたんだね。見るとそこには、家族4人がいた。真ん中に大きな私、そのお腹には赤ちゃん。左右に、娘とお父さん。
先生が「ね~、ほら~」といつもとは違う娘の作画に、わたしがきっと喜ぶだろうといつもより大きな笑顔で近づいてきた。
「わぁ・・・・」
止められなかった。
産婦人科のエコーを見ながら一粒だけ流した涙の後ろから、大量の・・・。子どもたちがきょとんとしながらも、私の涙を手で拭いてくれる。「うれしくてね・・・泣いてるんだよ・・・」
何も知らない先生も笑い顔。
こんなタイミングで。
あと1ヵ月で4歳の娘は、疑いようもなく、私を幸せにするために絵を描いた。何も知らないのに。それとも、知っていたの?
その晩は、ぐずることもなくスッと寝た娘。
リビングに戻り、夫と話すつもりだったが、やっぱり気になってスマホ検索。胎児の間は治療をしないこと、予後が大事なこと、診断されたけどどうしたら・・・の悩み投稿。
さんざん見た。
悲観に飽きた頃に、「楽観的なものだけ信じよう」と3つほどブックマークした。後期になったら、脳の黒い影がすっきりなくなっていた、診断はされたけど元気に生まれて育っている、今気にしても仕方がない(生まれてからわかる病気もいっぱいある)、そんな風に書き残してくれる人たちに、ありがたいと思った。
私も文章で癒しを与える人になりたいと、ほんのり決意。
その夜は、暗くなる漫画はもう読まないことにして寝た。意外に眠れた。翌日につづく。
ありがとうございます! ひきつづき、情熱をもって執筆がんばりますね!