ヘシルのトリセツ4 おんまからのプレゼント。
今日はこれを書こうと思う。
ヘシルのトリセツ。4回目。こないだの3.5もいい感じで書いてるから、まだの人は読んでね。
書こうと思ったワケは昨日ヘシルんのお母さんがちょっとだけいなくなっていう出来事があったから。家族もまわりも心配したんだけど、10キロ先で見つかったとき本人はケロっとしてた。そんときね、わたし、思い出したんだ。
「頭の中は誰にもとられないから」
ね、ヘシル、覚えてる? はじめてヘシルにインタビューしたとき、ヘシルが「うれしい! 私インタビューされてる!」ってニコニコしながら話し始めたときの最初のエピソード、これだったよね。
ヘシルのお母さんが子どものヘシルに言ったんだって。「頭の中は誰にもとられないから」その頃のヘシルは、自分のいる環境が好きじゃなくて言葉をぜんぶ逆手に取ってたから、「なんで盗られる前提なんだよ!」って思った。
とられる、なくなる。
愛がほしい、もっと欲しい。
ないものねだりをしているときは、どんな言葉もそんな風に聞こえる。
だけど、今、お母さんから同じ言葉を聞いたらどうだろう?
「頭の中は誰にも、とられないから」
ヘシルはこの5年ですごぉくがんばった。泣いて悔しくて、そんな自分を変えたくて怖いことにドンドン飛び込んで、環境がわかっても泣いて悔しいことはあるってわかって。それでもいつでもそこには愛があふれてることに気づいて。
だから今日はこれを書きたいよ。
お母さんの頭の中、ほんとにわからないね。とられないように隠してるのかな? どうしてそんなことしちゃうのって思うよね。だけど、人の気持ちなんてさ、ほじくり返そうとしたってやっぱりわからないよ。だから、こわくてキライ! なんでわかってくれないの? になっちゃう。私もおなじ。
ヘシルがお母さんとのエピソードを私に最初に話してくれたとき、お母さんのこと大好きなんだなって思ったんだよ。(大好きだから、こうあってほしい。大好きだから、キライにさせないで)そんな言葉が聞こえた。
その言葉は私が自宅に戻って、エッセイにしようと書き始めたとき、ある光景に変わった。ヘシルが英語を教える前、英語が大好きで仕事の行き帰りに電車の中でイヤホンをつけて、ずっとずっと映画プラダを着た悪魔のフレーズを聴いてた頃。
「自分だけの世界」
人と比べるのが怖いから、自分の殻に閉じこもって作り上げる世界。でも、それは悪いことじゃない。好きだけで作る世界は、こんなにも楽しい。苦しさなんていらない。そう思えたら、おんまの言葉はいつしかヘシルの中で、「自分の価値は自分で決めたい」に変換されて、5つの動詞だけでできる、ヘシル式英会話ができたと思ってる。
今回の事件は最近、満月のせいか、台風のせいか、季節の変わり目だからか、不安になってたヘシルにお母さんからのプレゼントだったのかなって思ってる。ちょっと刺激、強すぎだけどね!ヘシルの好みに仕上げてきてくれたのかな、おんま、やるね。
ヘシル、ほんとによかったね。
ヘシルトリセツ4でした。