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イギリス③プロポーズ

つづきです。②はこちら↓

コロナ禍が始まると同時に京大に入学した。コロナ禍関係の詳しい話は省略する。とりあえず、結局ヨークには現地留学できなかったとだけ書いておく。全編オンラインで、時差に耐えて夜中に授業を受け、孤独にMA論文を執筆し、無事MAを取得した。この期間京大は休学していたけど、授業には出ていた。指導教員に「時空を超えて2つの大学に存在してる」と言われた。さながらハーマイオニーである。

ちなみにこのMA取得で、私からイギリスにプロポーズをしたことになっている。ここから大真面目な話をするので、心してほしい。

中学生でエリザベス1世に憧れて、イギリスと結婚する!と決めた。「イギリスと結婚」とは具体的にはどういうことだろう、と考えた。結婚=同じ籍に入ること、と考えると、私がイギリス国籍を取れば、イギリスと籍が同じになるなのではないか、と思った。当時はさすがにここまで言語化はできなかったけど、こんな感じのことを考えて、イギリス国籍をとることが当面の目標になった。
その後、高校の初渡英で告白してお付き合いが始まり、大学1年生の語学研修でお泊まり旅行、交換留学で同棲と、私とイギリスの関係はスムーズに進んでいた。

しかし、修士課程に進学し、次なる博士課程への進学、そしてその先の研究者ということを現実的に考えると、日本で教育を受けた日本人が、イギリスでイギリス史を研究してまともに生活していくのは難しいのではないか、と思うようになった。そこで、世界で一番そのことに詳しい証明とも言われる博士号を取ったら、世界レベルでイギリスと私の関係が認められたということなのでは、と考えるようになった。博士号で結婚にしよう、とMAを取ったときに決めた。

イギリスへのプロポーズを終えた5ヶ月後、2年ぶり4回目の渡英を果たす。この時は史料調査のためにノリッジに1週間滞在した。初の史料調査で、本物の16世紀の紙に触れられて感動した。これが私の時代か……と思った。

翌年の3月、無事に京大の修士号を取得した。これでイギリスからプロポーズのOKをもらったことになっている。

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