#7 水曜日の昼下がり
洗濯機の稼働音が聞こえる。
分別はしない。衣服であれ下着であれ全て纏めて洗濯機へ放り込む。
スイッチを入れ、少し多めに洗剤を入れる。理由は単純だ。その方が汚れが落ちる気がする。母が同じことを言っていたが、私もしっかりとその考え方を引き継いでいる。
脱水の揺れを遠くに感じながら、私の人生はまるでジェットコースターだ、と思った。
山あり谷あり波乱万丈だった、という意味ではない。色々なことがあるように見えて、それは決められたレール上を走り、ゴールだと思えばそれはまた同じコースへのスタートなのだ。
そんな日々に嫌気が差し、私は7年前に地元を離れ、そしてまたこの場所に戻ってきている。結局はこのレール上を延々と走り続けるしかないのだ。
洗濯終了の音が鳴る。
蓋を開け、中の光景を見て一瞬思考が止まる。
やってしまった。
そこには紛れ込んだオムツのポリマーが、まるで都会に降る雪のように洗濯機の中に舞い降りていた。
きなこ
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