今日の学び〜痛いってなに?〜
みなさんは少なくとも1回は「痛い」と感じたことがあるでしょう。叩いたり、ぶつかったりしたら、ぱっと見、肌に何にも変化がなくても痛い。見た目に変化がある時は、なお痛い。
僕は最近親知らずを抜いて、かなり痛かった。その後1週間くらいは食べるのが大好きな僕も、食べるのが嫌になるくらい痛かった。食べてない時も痛み止めが切れると痛かった。生活の質はだだ下がり。痛み止めを飲むだけでその日1日がかなり快適だった。歯を抜いただけでこれだけ痛いのだから大きな手術をしたらもっとすごい痛みなのだろうと思った。わんちゃんねこちゃんも同じように痛いと感じていて、痛みをとってあげることは重要だろうと思って学んだ。
まず、見た目で何にもなっていないのに、なんで痛いんだろうと思った。皮膚などの叩かれたり、ぶつかったりしたところでは侵害受容器というセンサーがその刺激を電気的刺激に変えるらしい。その電気的刺激は各段階で傷害を受けた部分に戻って指令を与える。まずはセンサーを持つ神経が枝分かれをしてそのまま戻って傷害を受けた部分の血管を広げる。次に、脊髄までいった電気的刺激は他の神経に刺激を伝達して、一部は脳へ、一部はUターンして傷害を受けた部分の運動神経などへ伝わる。この刺激を受けた運動神経は手を引っ込めるなど、傷害を避けるような反射の動きを引き起こす。脳へ伝わった刺激は脳に痛いことが起こったと伝えて、ここでやっと”痛い”と気づく。
そもそもなんで痛いと知ることが必要なのかと考えると、痛いという危険なことが起こっていると知ったら、その危険から逃げられるという利点がある。そう考えると痛みが必要だということもわかるが、気づいた後はもう痛みを感じなくてもいいじゃんかと思った。ら、身体はしっかりとその機能も持っていた。脳まで刺激が伝わって、脳が痛いと感じたら、脳からはもう痛いって伝えなくていいよと言わんばかりに痛みを抑える物質が放出され、痛みを抑えるようになっている。さすがだなと思ったが、痛いところはそんなにすぐには治らない…。
そこで、病院などでは痛み止めを使うことによって痛みを取り除いたり、痛みと共にくる不快感を取り除くことで生活の質を上げることができる。痛み止めにはさまざまな方法がある。最初の段階で傷害受容器に痛みが電気的刺激に変えられなくする、脳に痛いという刺激が伝わるまでにどこかの段階で刺激が伝わっていかないようにする、脳の中でも痛みとして捉えられる前に刺激が伝わらないようにするなどなど。それぞれの薬によってどこを止めるのかが変わってくる。
本当はできれば最初の段階から何も起こらないようにしたほうがいいと思う。例えば、よく痛み止めとして飲まれるロキソプロフェン(商品名:ロキソニン®︎)は最初の段階で傷害受容器に痛み刺激を与える物質を抑えるものであり、炎症も抑えられる。しかし、脊髄などで伝達を抑制したり、脳で抑制したりする薬も使われることがある。これらの方が強い効果を発揮して抑制が強くかかる一方で、長期間にわたっては使い続けることができない。よく手術などの麻酔中に使われる。また、これらは脊髄に到達する前に神経が枝分かれして起こる傷害を受けた部分に対しての血管が開く作用は抑えることができないと考えられ、これは周囲の炎症を引き起こしてしまう。そのため、併用することも良い鎮痛方法になる。
この痛みは人もわんちゃんねこちゃんも同じように感じていると思うので、痛そうに感じる時や手術前後にはしっかりと痛みをとってあげることが重要だと思った。ちゃんと痛みをとることも、そもそも痛みを起こさないことも重要だと思った。
今回は最初に僕が大雑把に勉強したことを書いてみましたが、今回もっと詳しい生理学的なことも学んだので、今度はそれも含めて書いてみたいと思います。