施設看護師って何するの?
こんにちは。クリニック看護師の優です。
まだ看護師6年目のペーペーですが、今まで介護施設2ヶ所で働きました。
今施設看護師に転職しようか迷っている看護師さんや、実際に施設にご家族を預けているけど施設にいる看護師って何してるの?という疑問をお持ちの方などに少しでも届けば幸いです。
有料老人ホーム
正確には私が働いていたのは、「介護付き有料老人ホーム」らしいです。
ちなみに、料金は月額¥198,300(公式HPより)
夜間は介護士さんのみなので、看護師は日勤のみの勤務でした。
満床70室ぐらいで基本は看護師2人、週1で看護師1人勤務が月1、2回回ってくるという感じでした。
私がいたところは、看護師も介護士もそれぞれタイムスケジュールが組まれているので基本的にはそれに沿って動きます。
バイタルは介護士さんが測ってくれていたので、看護師は往診時と異常がある時ぐらいしか測りませんでした。
業務としては、出勤したら入浴しない方の軟膏塗布や褥瘡等の処置にまず回ります。そしてそれが落ち着いたら、排便状況を確認して坐薬に回ったりします。
介護士さんが順番にお風呂に入れてくれるので、入浴後の軟膏塗布や処置にも呼ばれます。
経管栄養があれば、昼前ぐらいから繋ぎ始めます。
そうこうしているうちにお昼になるので、昼分の薬トレーを出して、大体1、2名食事介助に入っていました。(介護士さんと手分けしてって感じです。)服薬介助も介護士さんと手分けしてって感じでした。
午後も、午前同様軟膏塗布や処置に回ります。
往診が入居者様ごとに月2回程あったので大体週2で提携医療機関から往診医が来るので、順番に往診介助にも入ります。往診介助担当の場合は、午前は軟膏塗布などは後回しにして朝イチから往診介助に入ります。往診では、一人一人バイタル測定してその場で往診医に報告し、日頃の様子や相談(不眠や不穏、食事摂取量低下など)、薬剤師さんも来てくれるのでdo処方で良いのか、足りない薬はないかなど調整をお願いします。採血をする場合もありますが、私のいたところは血糖測定とインスリン以外の穿刺は禁止されていたので往診医かたまについてくる往診医の病院の看護師がやっていました。
往診が終わったら、PCに診察内容や処方内容を入力し、往診ノートにも手書きで書きます。
※急変対応
発熱や少し様子がおかしいぐらいの時は、提携医療機関に看護師から電話し医師に繋いでもらい、頓用処方内服や他院受診、救急搬送、経過観察などの指示をもらいます。
私がいた頃はまだまだコロナもあったので、往診に来てもらい診察、検査してもらうこともありました。
意識不明など一刻を争う場合は、提携医療機関への連絡は省き直接看護師が119に通報します。
また、看取り対応の方もいたので、そういう方が呼吸停止した場合は提携医療機関に連絡し往診医に死亡確認に来てもらい、ご家族にもご連絡するという流れでした。
管理者への報告はもう急いでいる時は事後報告という感じで、管理者も医療に関しては看護師に一任してくださっている感じだったので動きやすかったです。
週1の看護師1人勤務の時は、1人で70人近い入居者様をみなければならず、軟膏処置があるのは全員ではありませんが普段の倍近い量をこなさなければいけないので、そこに体調不良者などが出ると余裕がなくなり大変でした。また、急変があったら医療従事者は自分しかいない中で対応できるだろうかという不安は常にありました。
看護師2人の時は、余裕なことが多く残業もほとんどありませんでした。
私がいた施設は、名前の知れた保険会社が運営していることもあり体制もしっかりしていて研修も毎月ぐらいあって、かなり働きやすかったです。
私は採血などの医療行為がもっとしたくて辞めてしまいましたが、入居者様は一度入居すれば看取りまでいらっしゃる方が多いので関係性も築きやすく長く寄り添った看護が出来るので、医療行為は少なくてもゆったりしっかり寄り添える看護がしたい方、ワークライフバランス重視の方にはおすすめの職場かなと思います。
給料も夜勤なしで手取り23万円程だったので、悪くなかったと思います。ボーナスは介護施設は大体このぐらいなんじゃないかなと思いますが2ヶ月程で少なめでした。
ショートステイ・デイサービス
※私がいた施設は何個もある事業所の中でもやばい管理者がいると認識されている、本当にやばい施設だったので、ショートステイ・デイサービスはみんなこうなんだとは思わないで大丈夫だと思います。
まずスタッフの構成として、エリア長、施設長(全ての元凶)、生活相談員がショートステイとデイサービスでそれぞれ1人(私が入った頃はデイサービスしかおらず、施設長がショートステイの生活相談員を兼務していました。その後、ショートステイの生活相談員が異動してきましたが元いたデイサービスの生活相談員が施設長とバトって辞めたのでショートステイの生活相談員がデイサービス担当になり、再び施設長が兼務していました。)、そしてデイサービスに介護士2、3人(途中まで介護福祉士が1人いましたが辞めて、あとの2人と途中から入ってきた派遣さんはまさかの無資格)、看護師1人、ショートステイに夜勤含め介護士6人程(ほぼ毎日ロングや単発の派遣を呼んでました)、看護師1人、そして私はショートステイとデイサービス兼務という形でした。(本当は私はデイサービスのみで、私のすぐ後に入った看護師がショートステイ担当の予定だったのですが、施設長のパワハラで辞めたので兼務になりました。)看護師も足りない時は単発派遣で補っていました。
今まで働いていた病院や有料老人ホームでは派遣さんはいなかったので、ここまで派遣で回しているという事実にまずドン引きでした。
〜デイサービスの業務〜
送迎業務は基本ドライバーと介護士が行うので、送迎車が到着するまではPC上の日誌入力やお茶や机、お風呂の準備をしていました。
ご利用者様が到着したら、まず手洗いうがいをしてもらい、お茶を出し、バイタル測定をします。皆さん基本、午前中に入浴されるのでバイタル測定の結果入浴の可否を判断します。
私は面接で入浴介助もするということは一切説明されなかったので、一度人員不足で入浴介助をさせられましたが、上に言ってそれ以降はしませんでした。介護士がいない病棟ではやっていましたが、介護士がいる介護施設において看護師が入浴介助する意味が分からないので(褥瘡がある場合や、体調的に看護師が入れた方が良い場合は別ですが)、断固として私はやらない方向でした。施設によっては看護師も普通に入浴介助するところもあると思うので、入浴介助をしたくない場合はしっかり確認して、分からなければ面接で確認した方が良いと思います。
入浴が始まったら、入浴後の軟膏や処置があれば呼ばれるのでやりに行きます。
それ以外はフロア見守りで、リハビリマシンが使えそうな方には促したり、脳トレプリントを勧めたり、バイタル入力や家族へのコメント入力をします。
フロアを基本1人で見守らなければならず、入浴介助が終わるまで基本的にトイレにも行けなかったのでブラックだなと思いました。トイレ介助に入る時は必然的にフロアの見守りもいなくなりますが、上はそれは仕方ないという認識でそれで良いのか思っていました。もう1人いれば済む話なのにと、つくづくマネジメントに疑問を感じていました。
入浴介助が終わるともう昼食になるので、昼食用のお茶を準備し、手指消毒、テーブルの消毒、血糖測定・インスリン注射がある方がいれば行い、点眼、食前薬の内服介助に回ります。
配膳者が来たら介護士と手分けして配膳し、順番に休憩に入ります。(基本看護師1人で、1人の時は1人食事介助して食後薬の内服介助に回ります。介護士も食事介助と内服介助は出来るのに、介護士は介護士だけで休憩を回していたので、私は内服介助が終わるまで入れませんでした。それなのに、当たり前のように私1人になる状況で介護士が「休憩入ります。」とだけ言い捨てて休憩に入った時はイラッとしました。
昼食後は皆さん、座ってTVを見たり塗り絵や脳トレプリントをしてゆっくり過ごされるので看護師は順番にリハビリを行います。(以前は理学療法士がいたらしいですが、私が入った時には既におらず、看護師は機能訓練も出来るということで業務の一部になっていました。なんなら、機能訓練の書類も書かされました。面接では、リハビリについては一切聞いておらず、理学療法士のようながっつりリハビリを行うなんて思ってもみなかったので驚きました。調べると、「看護師として業務に従事していない時間帯に限り、機能訓練指導員として勤務できる」と出てくるのでアウトだったのではないかと思います。看護師も機能訓練ができるといっても、看護師はリハビリについてしっかり学ぶ訳ではないので、いかがなものかと思います。)
私がいた所では14時になるとレクリエーションが始まるので、サポートに入ったりご家族に渡す日誌に載せる写真を撮ったり、家族へのコメント入力をします。(レクリエーションも介護士と同じようにローテーションでやらされそうになったので、1回ぐらいはしましたが、そもそも面接で聞いていないし、デイサービスしかやっていない介護士と違って私はショートステイもやっているのになぜレクリエーションまでやらなければいけないのだと上に抗議して回避しました。バースデー用の色紙も同じ理由で回避しました。デイサービスの介護士は看護師も介護士と同じ業務を行うべきだと思っているのか、色々させようとしてきたので本当に迷惑でした。それなのに、自分はオムツ交換は絶対しないというモンスターお局でした。)
15時になるとおやつの時間なので、血糖測定・インスリン注射の方や内服介助があれば回って、介護士さんと手分けして配ります。食事介助もします。
おやつが終わると、あとはリハビリが終わっていないご利用者様のリハビリにひたすら入ります。
16時半で終了し皆さん送迎車で帰られるので、送迎担当ではない私は掃除して勤務終了です。
〜ショートステイの業務〜
私のいた所は25床満床で、看護師2人勤務が多いですが1人の日もありました。
出勤したらまずは昨日までの申し送りを確認し、入浴される方の軟膏等を準備し、余裕があって内服介助が終わっていなければ手伝います。
その後はバイタル測定に回って、入浴される方は可否判断します。
そうしているうちに、夜勤介護士からの申し送りの時間になるので受けます。
バイタル測定が終わったら、軟膏塗布や処置に回ります。
透析に行かれる方がいる日は、体重測定とバイタル測定の結果とその日の体調を記入し、透析用の服に着替えてもらい送り出します。
入所の方が多くて6人程いらっしゃるので、到着されたら挨拶・バイタル測定・体調確認を行い。薬をチェック・セットします。(1回分ずつ日付と名前を書いて、お薬手帳か薬剤情報を持参されるご丁寧なご家族様の時はすぐ終わりますが、お薬手帳もなければ一包化もされていないヒートごと持参された場合は、1回分ずつ日付と名前が分かるようにセットします。6人ぐらい入所がいると午前中は、薬を裁くだけで終わります。)
昼食の時間になったら、昼の薬トレーを出して、血糖測定・インスリン注射、食前薬内服介助、点眼に回ります。看護師2人勤務の場合は、1人は休憩に入り、1人は食事介助から食後薬の内服介助を行います。もう1人が休憩から帰ってくるまで、時間があればその日の夕食分から次の日の昼分までの薬をトレーにセットします。もう1人は帰ってきたら、薬トレーにセットされた薬をダブルチェックします。
時間が出来たら、軟膏塗布・処置、リハビリに回ります。バイタル測定や、受信があればその内容も入力します。
退所される方も多くて6人ぐらいいらっしゃるので、その方達の薬やお薬手帳、軟膏など看護師の部屋にお忘れ物がないか荷物の準備をし、ご家族へ渡すプリントに入所中のご様子などを看護師からのコメントとして書きます。
夕食の時間になったら昼食同様内服介助に回り、配膳車が来たら介護士さんと配膳して勤務終了です。
※急変対応
私がいた所は‘’施設長が絶対‘’なので、すぐに救急車を呼んだ方が良い状態でもまずは施設長に報告し施設長が119に通報します。
病院受診の判断も、薬の内服可否も、ご家族への状態報告も全て施設長が行います。
報告の際、「⚪︎⚪︎さんはそう思うの?」とたまに聞いてきますが、私達のアセスメントを伝えても結局は医療従事者でもない自分の考えで動くので、私達は何の為にいるのかな?という感じでした。それでいて、入居者様が転倒などした時は「何見てたの?」というような感じで絶対私達に非がないような状態でもめちゃくちゃ理不尽に詰められます。やばいです、本当に正真正銘のパワハラ上司です。
有料老人ホームでは管理者が医療面で口を出してくることは一切なく、緊急時は先に救急車を呼んで、管理者への報告が後回しになっても何も言われなかったし、本当に動きやすかったのでその差に驚きました。
あくまで、私の主観ですが私が働いた所に限って言うと、1つ目の有料老人ホームには自分の祖父祖母を預けられますが、2つ目のショートステイには絶対に預けられないなと思いました。
でも欲を言えば、24時間看護師がいる施設の方が安心だなと思います。
ここまで私の経験から、有料老人ホームとショートステイ・デイサービス施設での看護師の業務内容について書いてきましたが、少しは分かって頂けたでしょうか?
拙い文章を最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
これからもリアルな看護師体験談を届けられればと思っているので、覗いてみて頂けたら嬉しいです☺︎