落とし物を辿っていけば
走って走って
落として落として
仕事が終わって1本でも早い電車に乗るために駅までダッシュ。荷物が軽いから走りやすいな、なんてのんきなことを考えていた。どこからかシャカシャカと音がするなと思いながら全く気にせず走っていたら、目の端に白に何かが写った。パッと振り返ると小さめな白い袋に緑っぽい色も見える。
一瞬でよく飲んでいる胃薬だと気が付いた。拾いに戻ると近くにペンが落ちていて、もう少し前にカバンに入れていたお菓子が落ちている。もしやとリュックを見たら何故かチャックが大胆に空いていた。他にも落としてないか見渡したけど、それらしきものはない。あまりゆっくりしていると電車に乗れなくなる。駅に向けて走り出しながら、盛大にリュックを開けたまま走っていた恥ずかしさに襲われる。
ちょっと待て、大事なものは大丈夫かとリュックの中をガサゴソ手探り。お財布などはちゃんと入っているのを確認してひと安心。無事に狙っていた電車にも乗れたから結果オーライ。落ち着いたタイミングでもう一度落とし物がないか確認すると、小さな袋はどこかに落としたままなようだがダメージはほぼないので問題なし。ただ故意ではないけどポイ捨てしてしまったのはとても申し訳ない。
シャカシャカ音がしていたのは胃薬が粉薬だったから、リュックが空いていたことでダイレクトに音が聞こえていたらしい。その時点で気づいていれば、リュックの中のものを落としながら走り続けることなんてなかったのに。もう恥ずかしいったらありゃしない。漫画みたいなことを自分がしでかすなんて想像してもみなかったわ。
不審な音が聞こえたらちゃんと確認が大事だね。