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【北鉄金沢バス】北部営業所 撮影会ツアーへ行ってきました!
<お読みの方へおことわり>
・本記事中に掲載している一部の写真には、乗務員さん・他のツアー参加者・乗客などが写り込んでいます(写り込みの少ない写真を選んだつもりです)。お顔が鮮明に見えている場合は、できる限りの画像処理を施しております。ご自身の写り込みについて修正をご希望の場合は、私のXにダイレクトメッセージなどでご一報ください。
・また、写真の無断転載は禁止といたします。写真を他所で使用されることをご希望の場合は、事前に筆者のXまでご一報いただき、許可を得てからご使用ください。
<筆者のXアカウント:@Fue_Rue_ >
はじめに
こんにちは。みなさまバスはお好きですか?
今回は、令和5年12月3日に開催された、北鉄金沢バス 北部営業所への撮影会ツアーに参加してきましたので、その様子をご紹介します。
石川県の北陸鉄道グループでは、バス・鉄道ファン向けの企画が開催されることがたまにありますが、今回もその一環で開催されました。
そして、今回の使用車両は16-693号車でした。
「16-693ってなに?」という方もいらっしゃるかと思いますので、簡単に紹介します。
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1.所属先 :北鉄白山バス(本社営業所)
2.シャーシ:日産ディーゼル
3.ボデー :西日本車体工業
4.車種 :スペースランナーRA
5.新製配置:平成18年秋
6.形式名 :PKG-RA274PAN
(ワンステップバス)
スタート:金沢駅西口 団体バス乗降場
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8時50分集合のJR金沢駅からスタート。お世話になる16-693号車とご対面です。
実は私は、693号車には数日前に営業運行でお世話になっておりまして、16-693に乗るのは久しぶり…ということではありませんでした。
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金沢駅発 緑が丘十丁目ゆき(辰口線)に充当。
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営業運行で、11月に数回お世話になりました。
ですが今回のツアーでは、いつもの何倍も長い時間、この車両で過ごすことになります。
いつもの営業運行では、一般のお客さんが多くいますので、車内をじっくり見ることはできません。ましてや写真を撮るなど…
きょうはいろんなものを撮るために来たバスファンしかいませんから、この機会にあれこれ見て・撮ってみましょう。まずは優先座席から。
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16-693号車の優先座席には赤系のモケットが使われていますが、金沢地区のバスではほとんど見られなくなったタイプです。
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運転席も外側から少し見学。
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運賃箱はいたって普通です。
両替方式で、北陸鉄道のICカード乗車券「ICa(アイカ)」の車載器も装着されています。
(この車をはじめ、北陸鉄道グループの一般路線バスでは、Suica・ICOCAなどの全国相互利用の交通系ICカードは利用できません。整理券をお取りになった上で、運賃ちょうどの金額を現金で支払うことになります。)
また、1000円以外の紙幣の両替と、新500円硬貨の両替には対応していません。
メイン:北部営業所での撮影会
金沢駅西口を発車し、まず北部営業所へ向かいました。
最寄りのバス停は「柳橋」です。金沢駅・香林坊・有松をはじめ、市内の主要幹線では柳橋ゆきのバスが走っているのをよく見かけますが、終点には営業所があります。
発足当初は「ほくてつバス」という会社の営業所でしたが、北陸鉄道グループの「北鉄金沢中央バス」などとの合併で「北鉄金沢バス」の営業所になっています。
こちらの北部営業所には、金沢地区における古参車が比較的多く配置されています。北鉄グループで残り1両となって久しい扁平型ノンステップバスの36-668号車や、平成18~19年式のPJ-規制車が多く在籍しています。
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なお、金沢地区で最後の、PJ-規制の日野ブルーリボンⅡだった25-106号車(PJ-KV234N1)は、このツアーの数日前に廃車となり、営業所から旅立ってしまったとのこと。
ツアーの募集案内が北陸鉄道のホームページに掲載されたとき、36-668には言及があったものの25-106には言及がなく、あれ…?と思ったのですが、それが関係しているかはさておき、撮影はかないませんでした。
令和5年12月1日現在、北部営業所に在籍するPJ-規制車は、
◆PJ-MP35JM
36-664・37-718・37-719・37-721・37-723・37-724
(以上6両)
◆PJ-MP37JM
36-668
(以上1両)
となっています。
直近でいうと、
転出:35-104・35-105
転入:37-723・37-724
廃車:37-717・37-720・25-106・32-967
となっています。
特に32-967号車はQKG-規制のワンステップ車で、まだ新車での導入から10年前後でしたが、車両の不具合が深刻なため、除籍となったようです。
というところまでふれたうえで、北部営業所で撮影を楽しみました。毎回恒例の、LED行先表示をあれこれ変えての撮影です。
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中央営業所から最近転入した37-723と37-724による、上荒屋線の50番・金沢大学附属病院ゆきの表示。始発地がイオンモール白山か上荒屋西かによって、行先表示のレイアウトが異なるようです。そう言われてみれば違いますね…。
そもそも、イオンモール白山から金沢大学附属病院まで行くバスが今春にできたばかりなので、この表示をリクエストした方の観察眼のするどさに驚きました。
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36-668は、錦町B線の11番・金沢学院大学ゆきの表示を。
金沢にお住まいの方は、この写真に違和感を覚えたかと思いますが、行先表示の「ひがし茶屋街」が「ひがし茶屋町」になっています。誤字がいつか修正されることを楽しみに待ちたいと思います。
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そして辰巳丘高校ゆきの表示を並べてパチリ。
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一方で、北部営業所の乗務員さんによる粋な計らいも。
先日、企業によるラッピング広告が終了して通常塗装に戻った29-863号車のフォトランがおこなわれ、さまざまな行先表示を出しながら構内を超低速でぐるぐるまわっていました。
このときは、97番・金沢大学ゆきの表示でした。
(令和5年4月のダイヤ改正で登場した、鈴見台一丁目から客扱いをする便です)
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そして「若松始発 金沢大学(角間)」の表示も。
若松始発とは文字どおり「若松」という停留所が始発のバスですが、発車時刻まで余裕があって数分間時間調整をするとき、後続便の運転士が追い越してよいか迷わないように、行先表示に「若松始発」の文字が入れられています。
そういえば、後面の行先表示に(角間)の文字があるのはめずらしい気がします。
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歩くよりもゆっくりとした速度で走っていたので、側面の行先表示もなんとか撮ることができました。
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そして16-693・36-668と同じくらいに(ファンから)熱視線が注がれていたのが、36-664号車でした。
ナンバーは「金沢200か・・59」。
かつて大量にいた「金沢200か・・**」という2桁ナンバーを維持している最後の1両となっています。
(ちなみに2桁ナンバーは最近まで4両ありました。登録番号順に
26-684:「金沢200か・・22」
25-106:「金沢200か・・30」
35-105:「金沢200か・・78」 でした)
26-684については写真が少しだけあったのでご紹介します。
コンデジで撮った写真ですがどうぞ。
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さて、36-664に話題を戻します。
撮影会のときにナンバーを撮っておきました。
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ちなみに私は先日、この664号車が金沢大学線に運用入りしているところを偶然撮影していましたので掲載します↓
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撮影会では、先ほどの柳橋寺町線(81番)や東金沢金大線(99番)などの行先表示が披露されました。柳橋寺町線も東金沢金大線も、運行時間帯や本数がきわめて少ないため、(通勤通学などで)必要性があって使っている人でなければ、乗る難易度は高いといえます。
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そして西金沢線にもスポットライトが。
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西金沢線の元祖ともいえる、53番・兼六園下ゆきの表示を見ることができました。現在は金沢大学へのアクセス路線という意味合いが強まってきた西金沢線ですが、もとは兼六園下までの路線でした。その後旭町へ延伸し、そして金沢大学 角間キャンパスへの乗り入れと、少しずつ路線が伸びた経歴があります。
現在でも、本数はごくわずかですが、元祖・西金沢線の区間のみを走る便が設定されています。
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撮影会では、西金沢→兼六園下の53番と、西金沢→若松の96番の表示が並びました。鈴見線・金沢大学線などでは夜の遅い時間を中心に、途中の若松で終点になる区間便(若松ゆき)が数本設定されていますが、西金沢線にもわずかに設定があります。
かつては平日18時台に96番・若松ゆきが1本あり、若松ですぐ折り返して53番・西金沢ゆきになる運用がありました。金沢大学の、5限の講義終了後にあたる時間のため、金沢大学から来るバスはどれも満員だったのですが、そこに若松始発が1本差し込まれていたので、座って優雅に(?)移動できたのを思い出しました。現在、平日18時台の若松折り返しは姿を消しています。
そして、北部営業所にいるPJ-規制車がずらりと並んだ光景も圧巻でした。
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16-693も含めると、これまたすばらしい並びでした。
そしてこのあと、37-721・37-723・37-724と36-664の4両での撮影がはじまりました。(16-693と36-668の並びでの撮影も同時進行です)
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まず、柳橋円光寺線・木越円光寺線の表示が出ました。
市街地を南北に縦断するこの2路線が、北部営業所を代表する路線ということでした。
路線名にはあまりなじみがなくても、
「32番 香林坊・有松経由 円光寺ゆき」
「80番 橋場町経由 柳橋ゆき」
「84番 千木経由 木越住宅ゆき」
「85番 福久経由 木越住宅ゆき」という路線番号・行先は見たことがある方が多いと思います。私も何度もお世話になっています。
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そして次に、全車両が柳橋ゆきの表示に。
柳橋ゆきのバスってあったっけ?という方がもしいらっしゃったら、これでピンときた方もおられるのではないかと思います。
柳橋寺町線(81番)と石引線(83番)の柳橋ゆきは本数がきわめて少ないですが、よく見ると鳴和・増泉線(82番)の表示も、1日1~2本の金沢桜丘高校&星稜高校経由便になっていますね!レア系統揃いです。
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そして私も、北部営業所の方に許可をいただいてリクエストを。
金沢大学生ということもあり、系統違いの金沢大学ゆきでお願いします!と頼んでみました。
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それぞれ、
37-721:若松始発 金沢大学ゆき
37-723:94番 田井町始発 金沢大学ゆき
37-724:96番 西金沢始発 金沢大学ゆき
36-664:99番 東金沢駅始発 金沢大学ゆき
です。
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途中で37-723の表示が「97 金沢大学(角間)」に。金沢大学線のうち、鈴見台一丁目始発の区間便ですね~
金沢駅から金沢大学までの全区間を走破する97番は、北陸鉄道(金沢営業所 東部支所)が運行を担当しています。
<解説>金沢大学線の路線番号
93番:鈴見台二丁目経由
94番:田井町・旭町経由
97番:鈴見町(山側環状)経由
(若松~金沢大学の区間便は番号なし)
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そして、PJ-MP35JMの並びを撮り終えたあとは、16-693と36-668の撮影に。
金沢地区の北鉄グループでは、令和5年11月に三菱ふそうの新車が、12月に日野の新車が登場しました。
今回は運用の都合により、たまたま車庫に帰ってきた、11月デビューの新車、33-490号車を交えて撮影ということになりました。
三菱ふそうのノンステップバスの古参(36-668)と新車(33-490)の並び、なかなか味がありますね~
なにより車高の高さがここまで違うのかと驚かされます。
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すでに写真を見てお気づきの方がいらっしゃるかもしれませんが、36-668号車にも北鉄白山バスのデータが入れられていました。
野々市線の48番系統の撮影を。
路線番号48番といえば、金沢大学と野々市車庫を結ぶ「野々市金大線」のイメージがありますが、現在は野々市側の終点が太平寺に変更され、路線番号は両方向とも98番に統一されています。
(かつては金沢大学方面が98番・野々市方面が48番でした)
また、「48 松任駅北口ゆき」は、北鉄金沢バス 野々市営業所が廃止された際に、野々市線「44 野々市車庫ゆき」と金沢寺井線「40 松任ゆき」の代替で設定されたものになります。
野々市線のうち、野々市営業所の出入りには無関係だった「44 野々市市役所ゆき」は、現在も変わらず44番を出しています。
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そして、36-668に北鉄白山バスのデータが入ったということは…こういう表示も。
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路線違いの白峰(しらみね)ゆきを出していただきました。
左は白峰線の白峰車庫ゆき、
右は白山線の白山体験村ゆきの表示です。
白峰(しらみね)線と白山(はくさん)線、漢字で見ると似た名前ですが運行経路は異なり、白峰線はJR金沢駅へ、白山線はJR松任駅へ乗り入れています。
どちらも片道1時間半~2時間前後の、非常に距離が長い路線のため、なかなか乗る機会に恵まれません。
そしてまた余談ですが、白峰には一度だけ行ったことがありますので、写真をすこしご紹介します。
余談:白峰ってこんなところ!
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白峰は、石川県白山市(旧 白峰村)の山間部にある集落で、金沢から約55kmほど南へ下ったところにあります。白山ろくの山間部なので積雪量が多い豪雪地帯として知られ、数メートルの積雪を観測することもあります。
白峰車庫は、集落の中心部からは少し離れた場所にありますが、バスを停めておくための屋根は完備されています。豪雪地帯ですので、あたりまえといえばあたりまえかもしれません。ちなみに白峰車庫では、運行管理業務はおこなわれていないようで、詰所のようになっています。
少し前は、金沢駅を17時37分に発車する白峰線の白峰車庫ゆきが、到着後にそのまま白峰で泊まりになる運用があったみたいですが、いまはどうなのでしょうか…?(営業所まで回送させるにも、おそらく1時間以上はかかると思われます)
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白峰車庫から白峰のまちなかのほうへ向かう道はかなり狭いですが、バスが(回送を含めると)一日数往復通っています。
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また、白山体験村というのがこちらです。
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うまく写真が撮れませんでしたが、来訪時は1月だったため、バス停が雪に埋もれかけている光景を見られました。
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集落の中心地近くに、いかにもそれらしい「白峰」バス停がありますが、この風格が非常に好きです。
豪雪地帯かつバスの本数が少ないことから、訪問するハードルは高いと思いますが、みなさまもぜひ一度訪れてみてください。
さて本題に戻ります。
再度本題へ:北部営業所での撮影会
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そうこうしていると、バスの行先表示は、ほかの参加者さんがリクエストされた佐野線に。
36-668は北陸鉄道 南部支所の在籍経験がありますが、北鉄白山バス・および合併前の加賀白山バスにいたことはないので「小松駅」の表示は非常に新鮮です。
(加賀白山バスの合併、上記の説明は深掘りの余地がありますが、本題ではないため今回はパスします。)
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そして許可を得て、36-668号車の車内へ。
青緑っぽい色の床や、導入年によって異なる座席モケットの柄が、いかにも古参車であることを物語っています。
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扁平型ノンステップバスゆえの仕様かもしれませんが、中扉から後ろ側は細かく段差がつけられています。
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北陸鉄道グループで最後の扁平型ノンステップバスである36-668号車。もし営業運行している姿を見かけましたら、ぜひ乗ってみてください。
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そして新車の33-490号車が、柳橋円光寺線の円光寺ゆきとして出庫していきました。
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16-693号車は、急行 よらんかいねぇ広場前ゆきという表示を。よらんかいねぇ広場というのは、白山市井口町にあるJAのファーマーズマーケットの名称です。現在、白山市コミュニティバス「めぐーる」の『蔵山・林ルート』において、レッツからよらんかいねぇ広場までノンストップの特急バスが運行されています。
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いしかわ動物園ゆきの表示も。
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そして36-668号車を再び撮ったわけですが、44番 野々市市役所ゆきの表示を出していました。個人的に野々市線といえば44番なのですが、野々市営業所(令和4年3月廃止)への配置歴がないバスがこの行先を出しているのは、見た目がすごく新鮮です。
また、一時期、英語表記が「Nonoichi City Holl」とスペルミスしていたこともありました。
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そして私もリクエストをさせていただきました。
先ほどは北部営業所の古参車両で金沢大学ゆきをそろえていただいたのですが、今度は市立病院線の行先表示をリクエスト。
市立病院線は平日朝のみ運行の路線で、四十万→辰巳丘高校と、四十万→金沢大学の片道1本ずつとなっています。金沢市立病院のある平和町を途中に通りますので、市立病院の名が路線名になったと思われます(平和町線は別区間で存在)が、現在ではその本数の少なさから、きっちり時間をあわせない限り乗ることは難しくなっています。
・・・ということで表示を出していただいたのですが、左の辰巳丘高校ゆきは、「加賀産」「寺地」の経由地からして、どう見ても辰口線にしか見えない…気もします。とはいえこれも、平日早朝1本だけしかないレア系統ですので、693号車で見られて非常にうれしかったです。
(辰口線の辰巳丘高校ゆきは緑が丘十丁目始発の早朝1本のみ)
続いて「四十万もあるよ!」とのことだったので、四十万ゆきの表示も出していただきました。リクエスト(もはやワガママ)に応えていただき大変感謝です。
あ、そうそう、"よんじゅうまん"と書いて"しじま"です。他地方出身の私には読めなかった地名のひとつです。
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おそらく辰口線?の辰巳丘高校ゆきと、市立病院線の四十万ゆきの並びです。
ちなみに、令和5年3月31日で廃止された、金沢大学発の鶴寿園ゆき(市立病院線)は、経由地のひとつが「菊川①」と、丸囲みの数字がLEDには表示されていました。
続いてはこちら。
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知る人ぞ知る珍系統、野々市線の「野々市横断ダイレクト便」です。
野々市横断ダイレクト便は、JR野々市駅から金大附属学校自衛隊前まで、金沢工業大学・金沢泉丘高校など多くの学校を通りつつ結ぶ路線で、冬季限定運行となっています。
なお、令和5年から令和6年にかけての冬は、野々市横断ダイレクト便は運休が決定しています。
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そして松任中奥線(47番)の香林坊ゆき。
金沢市の中心部・香林坊を始発/終着とするバスはかなり少なく、現在も減少傾向にあります(最近でいうと、令和5年のダイヤ改正で、安原線の51番・香林坊ゆきがなくなりました)。
平日の夕方に、湯涌線の12番・香林坊ゆきが2本ありますので、「香林坊ゆき」と聞くとそのイメージです。
ちなみにその「12番・香林坊ゆき」の表示も撮らせていただきました。
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ちなみに松任中奥線(47番)も、野々市横断ダイレクト便と同様、多くの高校や大学をまわりながら走ります。徹底的に裏道ばかりを攻めて、高校生や大学生の登下校にしっかり寄り添う路線です。
香林坊を始発・終着とする数少ない路線ですので、ぜひ乗ってみてください(土曜日のお昼に1本、香林坊からバスの設定があるので、松任中奥線に乗ってみたい方は、そちらにぜひどうぞ)。
そして今度は少しだけ、16-693に北鉄金沢バス 中央営業所のデータが入りました。令和4年3月に廃止された「16番・駒帰ゆき」を。
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駒帰(こまがえり)は、山のすこし奥地に入ったところの集落で、金沢駅から犀川線のバスが1日数本走っていました。
令和4年3月31日の運行をもって、駒帰と、その途中にある瀬領への立ち寄りが廃止され、犀川線は手前の上辰巳で折り返しになりました。
駒帰ゆきの最終バスに乗ったことを思い出して懐かしくなりました…
ちなみに16-693号車は、北鉄金沢バス 中央営業所の在籍経験がないため、駒帰に営業運行で行った可能性は(おそらく)ゼロといえます。
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16-693が駒帰ゆきを表示している横では、36-668が八日市線の表示を。令和5年3月31日限りで廃止された、押越経由の46番系統です。
現在は八日市線の全便が、押野六丁目経由の45番系統に統一されています。
(46番が廃止された現在の押越には、平日朝に1本だけ、野々市線の金大附属学校自衛隊前ゆきが停まります)
「45番 野々市駅ゆき」と「45番 金沢駅ゆき」
なじみがある方も多いと思います。
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そして29-863が、錦町粟崎線のコマツ金沢工場ゆきの表示を出して登場。
いろいろな行先表示を出しながらぐるぐるまわってくださった、北部営業所の運転士さんには感謝感謝です。
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↑こちらの行先表示、「70番・コマツ金沢工場ゆき」自体はそれなりの本数が設定されていますが、もちろんそう単純ではありません。
平日朝に2本だけ、粟崎三丁目を通らずにショートカットする便がありますが、おそらくそれを出してくださったのではないかと思います(実物を見たことがないので推測ですが)。というのも、ふつうのコマツ金沢工場ゆきは、行先を「粟崎・コマツ金沢工場」と表示するからです。
粟崎三丁目に立ち寄らないバスは、粟崎五丁目の次に粟崎一丁目までまっすぐ進みます。
そしてすこしずつ晴れてきたので、PJ-MP35JMの後ろを撮りに行ってみました。
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37-721・723・724と36-664の4台並びを後ろから撮ってみました。
一番右の37-721だけに広告が装着されていますが、この車両だけ予備車ではないんですよね~
予備車じゃないんだぞ!と言わんばかりに、誇らしげに広告を出す姿が印象的でした。
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そしてこちらが、中央営業所から転属してきた37-723号車です。撮影会の時点では所属記号が「中」のままになっていましたが、そのうち「北」に貼り替えられるかもしれません。
それにしても、いま並んでいるバス4台で、ひとつとして外見が同じ車両は存在しないのが味わい深いですね~
車番フォントとか車番貼付位置、ステッカー類や広告枠の種類など。
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そうこうしていると、北部営業所の空に虹がかかってきました。雨予報が見事に当たり、雨やあられに降られつつ撮影していた我々でしたが、最後に虹を見ることができました。
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今後の北鉄金沢バス、北部営業所に幸運が訪れるように、イチ生活利用者として陰ながら応援しています。
こうして、北鉄金沢バス 北部営業所での撮影会が無事に終了しました。
続いては自由昼食を兼ねた休憩…なのですが、その前にすこし寄り道を。
立ち寄り:木越住宅
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柳橋の車庫を出発し、バスはすぐに狭隘な道へと進みました。
柳橋円光寺線の85番が通るルートです。
金市団地や福久・荒屋などの集落をゆっくり通りすぎたあと、令和5年3月31日で廃止となった、大浦保育園前までの木越円光寺線の跡をたどりながら木越住宅へ移動しました。
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一度路線バスで通りがかったことはある場所なのですが、この車で来ると、なんだか感慨深いですね…
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どうにかして「木越住宅」感のある写真が撮れないか試行錯誤しましたが、ツアーの添乗員さんが制作された「世界No.1クリーンディーゼル」のマグネット(実際に過去に装着されていたものを模したそうです)と、バス停の上屋にある木越住宅の文字を撮ってみました。
余談その2:大浦保育園前の記録
さて、今回は693号車で車窓観光となりましたが、令和5年3月31日で廃止された、木越円光寺線の末端区間である木越住宅~大浦保育園前には廃止前に訪れていましたので、こちらでご紹介します。
廃止時点(令和4年7月改正のダイヤ)で、平日朝に大浦から市街地へ向かうバスが2本、夕方から夜に市街地から大浦へ向かうバスが3本ありました。
大浦保育園前は木越住宅から4つ先のバス停で、千木経由のバスだけが走っていました。
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84番はほぼ全便が木越住宅止まりでしたが、時刻表では誇らしげに「大浦保育園前」の文字が躍っていました。ちなみに右端の、番号なしの本津幡駅ゆきも、大浦保育園前への乗り入れ廃止と同時に姿を消しています。
さて84番のバスは木越住宅を過ぎると、木越→大浦東口→大浦→大浦保育園前と進んでいきます。
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そして終点の大浦保育園前へ。
運賃は、始発の円光寺から620円(当時)でした。
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大浦保育園前の降車場でパチリ。
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そして大浦保育園前で降りたあとは木越住宅まで歩きました。
大浦保育園前の降車場から順番にバス停を見ていきます。
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大浦保育園前は、しっかりバス停だとわかる構造物がありました。
次はひとつ戻って「大浦」です。
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そして次にひとつ戻って「大浦東口」です。
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バスが停車できるような広いスペースがありました。
さらにもうひとつ戻り、「木越」です。
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こちらが「木越」です。田中医大線(金沢駅西口ゆき・香林坊ゆき)と停留所が共用のため、木越円光寺線の停車はなくなりましたが、停留所自体はいまも使われています。
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立派な電照ポールが立っているバス停ですが、大浦へ行くバスがあった当時ですら、1日に5本しか来なかった模様です。
現在は、時刻表のうち「84 大浦保育園前」ゆきがありませんので、1日2本しか来ないようになっています。
もうひとつ戻って「木越住宅」です。
大浦への乗り入れが終了した現在では、84番との全便がここの木越住宅までになっています。(85番は以前から、全便が木越住宅までの運行です)
訪問時、木越住宅で待機していたバスは、今回のツアーで撮影させていただいた36-664号車でした。
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さて、再度本題に戻ります。
木越住宅で少し撮影を楽しんだあと、バスは木越住宅を発車。
田中医大線(86番)の経路をたどりつつ、広坂合同庁舎の横にあるバスの駐車場へ向かいました。
休憩:広坂観光バス暫定駐車場
お昼は自由昼食とのことで、各自お好きにどうぞ、となりました。
解散しましたが、もう少しバスを撮っておきたかったのでパシャパシャと。
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駐車場の名前からして当然、観光バスの利用が多かったですが、その中で路線バスがたたずむ姿は、見ていておもしろかったです。
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本格的に晴れ間が出てきたことで、いい感じに撮れるようになりました。
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北鉄白山バスの中で、決して新しいとは言えないほど年数が経っている16-693号車ですが、北陸の厳しい気候においてもがんばっています。
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約1時間の休憩時間も終わりが近づき、参加者の方が戻られかけたタイミングで、車いすのお客さまが乗降する際に展開するスロープが設置されました。
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少し低めの目線からも写真を一枚。
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というわけで、次の場所へ移動します。
次の目的地は卯辰山です。
フォトラン:卯辰山公園
広坂の駐車場を発車し、卯辰山線(90番)の天神橋経由便と同じルートで卯辰山を登り、卯辰山公園に到着。
ここでフォトランが行われました。
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卯辰山の狭い坂道&カーブを通り抜け・・・
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やってきました!卯辰山ゆき(仮)のバス!
フォトランは2周おこなわれたのですが、2周目はうまく撮れませんでした。こういうこともバス撮影にはつきものですね…。
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いまは、それなりの頻度で卯辰山線を利用しますが、16-693号車で同じ道を通ると、すごく特別な感じがしました。
かつては動物園やテーマパークなどがあり、卯辰山に登るバスは30分間隔の高頻度運転だったようです。現在はかなり静かな公園となっており、バスの本数もさびしいものになっています。さらに奥卯辰山健民公園ゆきなどの枝路線は廃止されたことで、卯辰山線は全便が千寿閣ゆきになりました。
バスの本数がさびしいと嘆くだけであれば簡単なのですが、需要のあったモノがなくなったことで、乗って行っても特段見るところがない(景色ぐらい?)ので、乗客がいないのも致し方なしだと思ったりします。
ふだん卯辰山線に乗っていても、観光客の方が金沢駅から香林坊・兼六園下まで移動するために存在しているバス(バス自体は必要でも、バスが卯辰山に登る必要性が果たしてあるのかないのか・・・)という印象を受けることも多いです。
撮影会:JR西金沢駅周辺
卯辰山からは、卯辰山線の鈴見台三丁目経由便の経路を香林坊までたどりつつ、JR西金沢駅のほうへ向かいました。
まずは西金沢駅西口へ。
北陸線の特急「サンダーバード28号」 大阪ゆきが西金沢を通過するところが見えたので、なんとか16-693と一緒に撮れないか考えた結果、特急列車の車体をバスに反射させることにしました。
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そして西金沢駅の反対側(東口)へ。
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北陸鉄道石川線の踏切を渡るようすを撮りましょう!ということだったのかもしれませんが、私は早々にあきらめて、西金沢を走ってるぞ!ということを別のやり方で記録できないか探ることに。
まったく別の機会に、別の場所でおこなった、電信柱の「ここは○○」という看板と一緒に撮るやり方を採用しました。
一時期住んでいたことがある西金沢駅界隈、久しぶりに行きましたが、あまり街並みが変わっておらず安心しました。
西金沢駅で、路線バスの定期便が来るまでしばらく時間があったので、すこし撮影タイム。
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本来は上荒屋線の、西金沢駅を通って金大附属学校自衛隊前へ向かうバスの行先表示を出したかったそうですが、諸事情でこちらに。
平和町線の臨時増発便です。北陸鉄道 金沢営業所が運行を担当しています。
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そして西金沢駅東口のロータリーへバスが到着。
北陸鉄道表示での撮影を楽しみました。
この16-693号車は、新車導入から令和4年7月までの15年以上にわたり、北陸鉄道(金沢営業所 南部支所)に在籍していました。
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石川線電車が、16-693号車の後ろで串刺しになっているかのような風景も見られました。
というわけで、JR西金沢駅への立ち寄りも終了です。
解散:金沢駅西口 団体バス乗降場
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というわけで、夕方16時すぎに金沢駅西口で解散となりました。
約20名のツアー参加者のみなさまともお別れです。
今回のツアーの感想
今回は北鉄金沢バス 北部営業所での撮影会がメインディッシュということで、2時間近くという長時間にわたって北部営業所の車両を堪能することができました。
ふだんは(北部営業所の路線でいうと)西金沢線にお世話になっていますが、正直なところ金沢地区の北鉄グループバスはどれも新しい車両ばかりで、車両のバリエーションも少なく、(地元と比べると)すこし変わったおもしろみがあるな~と思ったりします。
今回の使用車両、平成18年式の16-693号車は、金沢地区の北鉄バスでは間違いなく古参にあたります。さらに、翌年導入の同型式(17-750・751・752)が一足先に廃車になったこともあって、何度も引退が噂されています。
令和5年12月現在、北陸鉄道グループ全体でスペースランナーRAは6両中3両が現存しており、16-691号車と16-692号車が北鉄能登バスで活躍中です。
一方で地元では、KL-規制のワンステップ車の除籍が進み、今回お世話になった16-693と同年代のスペースランナーRAが大量に仲間入りしている状況です。
スペースランナーRAが急激に増加中の地元と、金沢ではラスト1台でみんなに注目される北鉄。非常に対照的な2つの地域に縁がある者として、(決して古いとは思いませんが)金沢では35-103号車・36-664号車などと並んで最古参に近い車歴となった16-693号車を、引き続き見守りたいと思います。
当日は、北陸の冬を感じる天候に見舞われたバスツアーでしたが、多くの関係者の方の尽力がないと成立しない、盛りだくさんの内容だったと感じます。お世話になり、ありがとうございました。
おまけ:北陸鉄道時代の16-693号車
現在は北鉄白山バスに所属している16-693号車ですが、新製配置後しばらくは、北陸鉄道(金沢営業所 南部支所)に所属していました。
北陸鉄道在籍当時の写真をこちらで共有します。
令和3年3月末に金沢に移り住んだ筆者が、初めて16-693号車を見かけたのは4月28日、金沢大学から帰るときでした。
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