足・足首・足趾・裸足
ワラーチとの出会い
SNSの中のとても狭い界隈の話なのですが、私が「足の人」と言われるようになって数年経ちました。きっかけは2018年11月から始めたランニングです。アマチュアながらサッカーを40年近くプレーしてきたのでサッカーが體の一部のような人生でしたが、2018年の初夏、ある日突然スパイクを脱ぎました。ボールを蹴らない人生を半年過ごしたころ、積読していた『BORN TO RUN』という本がふと目に止まりました。部活のトラウマなのか走るのがあまり好きではなかったのでRUNというタイトルを敬遠していたのが積読の理由なのですが、いざ読み始めてみたら沼にハマるが如くどっぷりとランニングの世界に引き込まれていきました(笑)
ただ実は、本にも出てくるワラーチで走るようになったのは、ランニングを始めてから1年半が過ぎた夏でした。この時すでに走行距離が4,500kmに達しており、走力が少し伸び悩み始めていた頃だったので趣向を変えるにはちょうど良かったと思います。そして、ワラーチを履いて走るまでは「足の本質」などこれっぽっちも氣にしていなかったのは紛れも無い事実です。
ワラーチランニング1日目。
「とにかく足が痛い。たった3km走っただけなのに、踵が痛い。小趾が痛い。鼻緒があたって皮がズル剥けて痛い。足首やアキレス腱も痛い…」
まったくひどい状態でした(笑)その後は走るのをやめて残り2kmは歩きました。そして、自宅に戻り「BORN TO RUN」の重要箇所をもう一度読み返しました。この少し前から足に注目し、足首や足趾のケアを始めていましたが、この時はじめて「足」について全体像を理解する必要があると氣づきました。ワラーチで生活する"ララムリ"が、なぜ山を速く走れるのか?サブキャストのベアフッドテッドが、なぜ裸足なのに長距離を走れるのか?そういえばブラジルの人たちは裸足でサッカーするのが当たり前だったよな?
裸足とアーシング
ワラーチの話と少し前後しますが、みなさんはアーシングしていますか?アーシングは"肌を大地に接して帯電している電子を放電する"ということなのですが、実は「earth+ing」という造語で和製英語らしいです(笑)まだ科学的に証明されていないようなので疑似科学だのスピリチュアルだのと揶揄されることも多いですが、私はコロナが始まった2020年春から自然生活を探求し始めていたので、アーシングを見聞きした時に真っ先に"裸足=アーシング"という構図が脳裏に浮かびました。
自分自身の退化しきった足の再生のために始めた足趾のトレーニングを兼ねて、子どもたちと一緒にこんなこともやっていました。木の根っこを足趾で掴むとバランスが取れるので、落ちないように鬼ごっこしたり片脚立ちをしたり。まあ、一般的な小児科医からは「土には雑菌がたくさんいるから危ない!」とお叱りを受けそうですが…(苦笑)足裏にはたくさんのセンサーがあるのは有名な話ですが、土や草などの自然と接することでこのセンサーが刺激されます。たくさんの土壌菌と触れることで体内細菌の活性化も進みます。ガラス片などを氣をつけさえすれば裸足にはデメリットを遥かに凌駕するメリットしかないと考えています。
裸足の効果を知れば知るほど裸足でいたくなります。家に戻って真っ黒になった足裏を洗うのが少々手間にはなりますが(笑)そして、春から秋にかけては裸足で遊ぶ機会が圧倒的に増えました。子どもは小さければ小さいほど裸足を喜びますね。本能的に靴が嫌なのだと思いますが、それ以上に裸足で土や芝生の上を歩くと気持ち良いのだと思います。子どもは砂浜でもすぐにビーチサンダルを脱ぎますよね?あえてアーシングの効果で議論しないのは、科学で証明する必要がないからです。気持ちが良い、気分が晴れる、體が温かくなるなどポジティブな感覚になれる人がやればいいのかなと考えています。
とはいえ、アーシングもこっそり広めたいので、会社でサポートしているJリーガーの中でも効果を体感した選手たちには積極的に宣教師になってもらっています(笑)選手たちには試合やトレーニングの後にクールダウンでの裸足ジョギングを推奨しています。(おそらく日本だけでしょうが)サッカー界では長らく裸足は禁忌になっているので、「裸足で走れ」という突飛なアドバイスをすんなり受け入れてくれた最初のJリーガーであるサガン鳥栖の堀米勇輝選手には感謝しきりです(笑)
大人でもワラーチや裸足で足が再生されてくると靴はとても窮屈でギブスを履いているかのような感覚に陥りますから、ましてやスタッドでグリップが効きまくるスパイクを履いて強度の高い試合やトレーニングの後で裸足になってのんびり動くのは血流促進という観点だけでも理にかなっていると思います。日常的に多くのサッカー選手が裸足でクールダウンするようになってくれば、これを真似する育成年代の指導者が増えてくれるかなと淡い期待をしています。何より子どもたちの足を健やかに育ててあげたいですからね。
実は、裸足でクールダウンは第一段階で、本当の狙いは裸足でサッカーなのです(笑)いまだにブラジルでは裸足でサッカーをやって遊ぶのが当たり前のようです。巧い選手もど素人も。子どもも大人もみんな裸足でサッカーを遊ぶというのはもはや文化なのでしょうね。芝生や土の上だけではなくアスファルトの上でも裸足でサッカーをやっているのを見ると、「なるほど、これは接地でのバランス感覚や軽い身のこなしができるようになるな」と感嘆するばかりです。
昔は貧しいから裸足でサッカーだったのかもしれませんが、ご覧のようにちゃんとしたフットサルコートでもみんな裸足でボールと戯れています。この11歳の少年は将来を嘱望されている天才サッカー少年ですが、周りの大人たちから「裸足は危ない!」なんて言われないようです(笑)この軽い身のこなしは裸足での接地と深い関わりがあるのは裸足研究家の吉野剛さんにたっぷり教わったので容易に想像できます。(ちなみに、吉野さんはベアフッドランニングの第一人者でもあり、ワラーチで170kmのウルトラトレイルマラソンを楽々完走してしまう強者です)裸足で高いところからジャンプしてアスファルトに接地してもベチャッという音が一切しないという脱力を身につける身体操作トレーニングがありますが、ブラジルの人たちは日頃から足裏での柔らかな接地を身につけているのです。脱力は足裏からが真理ですね。
ワラーチでトレイルランニング
ワラーチランニングはあまりの痛さで2日間でギブアップしました(苦笑)。一旦ランニングシューズに戻し、ワラーチランを再開したのは10日後でした。そこからは無理をせずに徐々に足を慣らしていきました。そして、約1ヶ月の間ワラーチでロードを100kmほど走ったあと、2020年9月3日に初めてワラーチでのトレイルランニングを敢行しました。画像を見るとこの時の足はまだまだ野生には戻っておらず足全体がボテっとしていますね(笑)
その2週間後には距離を伸ばして20km(GARMINが途中で止まってしまったので画像表記は13kmになっていますが、自分の定番である高尾山口駅から陣馬山を経由して藤野駅へ至るちょうど20kmのコース)の定番コースを走りました。走り慣れているコースは、勾配や地面の癖も頭に入っているのでワラーチで滑ったり踏み外すリスクは少ないです。雨の日はたまに滑って泥だらけになりますが、それでも山の中での孤独なランニングはゾーンに入っているので瞑想のような感覚になれます。
裸足に近いワラーチで大自然の中を駆け回る。子どもの頃に帰ったような体験がワラーチランニングに拍車をかけたのは間違いありません。足に痛みが出ないとなると、あとはひたすら走るだけです(笑)ランニングジャンキーだった3年前は、毎日10km走っても疲れを知らない體だったので20kmのトレイルランニングの3日後にワラーチによるLSD(Long Slow Distance)120分を敢行。ワラーチでの合理的な接地が不十分だったので、最後の3kmは痛みとの闘いになりましたがしっかり走り切れた満足感がありました。
足の話からそれますが、ワラーチでのトレイルランニングに慣れるとシューズの重さを感じないので快調に走れるようになります。特に山の登りはシューズや登山靴にはない開放感で心肺の辛さを忘れスイスイと登っていける感覚があります。一度走ったことがある山であれば百名山でさえもワラーチで走れます。こんな絶景を裸足で拝めるとは、ほんの少しだけララムリに近づけたのかなと自己満足に浸っていました(*ただし、ご自身の走力や体力をしっかり把握した上での実践を強く推奨します。山は甘く見ると痛い目に遭うのは必定かと思っています)
なぜ「足」なのか?
ワラーチでのランニングが1年近く経過すると走行距離は1,000kmを超えてきます。もちろんランニングだけではなく普段の履き物がワラーチなので徒歩を合わせると2,000km近くワラーチで移動したことになります。必然的にこの1年間で足自体へのこだわりも強くなり、足の構造を探求思考したり、足趾のエクサイズをしたり、裸足ジョギングを取り入れたりと、自身の人体実験の検証対象が「走る種族であるホモ・サピエンス」から「直立二足歩行するホモ・サピエンスの足」へ移っていきました。
私の體へ探究心は、崩れてボロボロだった自身の體の再生から始まり、整体院の経営に乗り出し、Jリーガーのサポートのためにオーソモレキュラー栄養療法を学び、ランニングに取り組み、骨格基準の身体操作を身につけていく過程でどんどん深くなっています。自身の體の再生から、體の本質への探求へのターニングポイントがあるすれば、これまでのランニング走行距離9,000kmの中間点である4,500kmでワラーチに出会ったことです。前述した通り、「足」へのこだわりから直立二足歩行するホモ・サピエンスへ興味の対象が移ったことで、「足=土台」という着眼点に辿り着いたのです。
人體のテンセグリティの骨格構造を考えれば考えるほど、精巧な人の足が直立二足歩行を可能にしている最大の要因の一つなのですが、筋肉の発達していない赤ちゃんが1歳で立ち上がることができるのは、26本の骨が精緻にバランスを取っているからに他なりません。そして、26本の骨に加え、55個の関節、100本の靭帯、母趾球・小趾球・踵骨の3点重心、3つ(4つ)のアーチ構造(土踏まず)、ウィンドラス・トラス機構など機能性が高い構造物こそが足なのです。この高い機能性が、底屈・背屈を基本として、内転と外転、回内と回外といった複数の動きが無意識に組み合わさり内返し・外返しという複雑な足の動きを実現しています。かのレオナルド・ダヴィンチが人の足を称して「最大の傑作であり、最高の芸術作品」と驚愕したのも頷けます。
しかし、この最大の傑作が、便利になりすぎた文明生活の影響で退化しているとしたら何という皮肉でしょうか。足部の症状は、扁平足、外反母趾、足底筋膜炎、浮指など挙げたらきりがないのですが、原因は足の使い過ぎ、足の柔軟性低下、筋力不足、不適切な靴、悪い路面での練習などと言われています。私は、體の不調の原因は構造の歪みにあると考えているので骨に着眼します。何が足の構造を歪ませるのか?もうおわかりですよね(笑)
ズバリそれは不適切な履き物である靴。
現代の靴は、足の症状の原因を見誤った結果、過剰に進化しすぎています。クッション性の高いソールや足趾が動かない誤った木型が足の機能性を奪っていきます。足の崩れは則ち土台の崩れですから、土台が歪めば構造物自体が歪みます。
一昔前の子どもたちの写真です。姿勢が綺麗ですよね。下駄や草履を履いています。ソールにクッションはなく足のクッションが活かされています。足趾はどうでしょうか?自由に動きますから足のグリップが効きます。草鞋(わらじ)がメキシコに渡りワラーチになったという説があるように、私は、裸足に近い履き物のこそが最大の傑作たる足の機能性を担保するのだと考えています。
足の再生と體の変化
ワラーチを履き始めてからちょうど2年がすぎたころの足です。まだ小趾が弱いですが骨が少しずつ動き始めているので浮腫も取れて爪の血行が回復しています。ほんの少しですが野生の雰囲気が出てきました(笑)
ワラーチの利点の一つは、芝生の上ですぐに裸足になれることです。これが結構重要だなと感じています。「靴を脱いで、ソックスを脱いで、さあ裸足だ」は少しイベント色が強く、何より面倒臭いですよね(笑)私は、いつもワラーチなので、子どもと公園に遊びにいってもすぐに裸足になってしまいます。周りの子どもが「あのおじさん裸足だよ!」という囁きが聞こえてくることも一度や二度ではありません。お母さんが反応に困っていたら裸足の利点を切々と語ったりしています(笑)まあ、側から見たら変なおじさんなのでしょうが、最近はワラーチもちらほら見かけるようになったので、裸足もそのうち市民権を得るだろうと睨んでいます。(ホントかぁ?笑)
そして、暇さえあればすぐに裸足になってトーガ(TOE-GA)という足趾のエクササイズをやります。足趾が自由に動き始めると重心線が整うので、全身の骨格構造に好影響が及ぶようです。歪んだ骨盤や動かなかった背骨や胸郭のためのエクササイズがスムーズにできるようになったかと思うと、歯のポジションにも変化が現れました。何となく聞いたことがある話だったのですが、まさか自分が体験できるとは露にも思っていなかったので素直に驚きました。
ワラーチでのトレイルランニングの風景です。裸足感覚で野山を駆け回るために取り入れたワラーチが私の足には自然体になりました。最近は、たまに裸足で走ることもありますが、ワラーチほどスピードを出せないのでやっぱりワラーチがしっくりきます。登りも下りも気持ちよく爽快に走れるようになりました。ワラーチを履き始めてそろそろ4年ですが靴をかなり処分しました。ランニングシューズも履かないですし登山靴も履きません。ビジネスシューズは言わずもがなです(笑)
MTR Method Lab™️が推奨するリアクティベーションとツール
最後に、私たちが考える「足の再生」に効果的なリアクティベーション(骨格基準のエクササイズ)とトレーニングツールをお伝えします。トレーニングではなく、あくまでエクササイズなので負荷は低いですが、地味なのでいかに愚直に継続できるかが肝になります。日頃からワラーチを履き、芝生での裸足ジョグを併用すれば相乗効果が期待できます。MTR Method Lab™️のInstagramでは新しいリアクティベーションをアップデートしていきますので、フォローしていただけると幸甚です。
そして、足趾の可動性を高めるツールを3つ紹介しておきます。一つ目はネーミングもそのままユビスラです(笑)体幹覚醒ツールのスラックレールの生みの親であるジリリタ株式会社の高島勇夫社長が、スラックレールに穴を開けて出る廃材の再利用を考えていた時にふと思いついたのがユビスラだったそうです(笑)高島社長は私より1歳下でまさに昭和同世代なのですが、長らく玩具メーカーにお勤めだった経歴そのままに遊び心満載の友人で良きビジネスパートナーです。
二つ目は知る人ぞ知る『一本歯下駄PREMIUM ARUCTO(アルクト)』です。サッカー界や野球界ではトレーニングとして利用している選手も増えている足趾強化ツールです。足趾が動くようになってもそう簡単にグリップ力が強くなるわけではありません。長年過保護にしてきた足趾を手取り早く強化するためにはこうしたツールを利用するのも一つの手です。私たちはパフォーマンスアップやコンディショニングに効果があるものが本質的であれば、それを積極的に取り入れていくべきだと考えています。
最後は、宣伝です(笑)これまで動かしてこなかった骨を蘇らせる時に重宝するのが『Growith ゲルマニウムバーム』です。リアクティベーションの前後に、天然成分にこだわったゲルマバームを足首から、足、足趾、爪までしっかり擦り込んでみてください。骨を固定してしまっている筋肉に作用して活性化してきます。筋肉が活性化すれば骨に刺激を与えるエクササイズの効果も上がります。ぜひ2週間ほどつづけてみてください。血行促進されてきたのを実感されると思います。もちろん、バームは足だけのものではないので、体全体に擦り込んでセルフケアしていただきたいサポートツールです。ご愛用くださるJリーガーも増えてきました。崩れた足の再生とともにセルフケアも習慣化していけば選手生命は着実に延びると思います。
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