松屋の期間限定メニュー&碧南市をぶらり一人で巡る
久しぶりの名古屋駅
2月27日、猿人は東海地方最大の駅・名古屋駅で下車。ここに来たのは、以前昼食を食べるためだけに四日市を訪れた時以来。(その時の話は下のリンクから)
東海地方で産まれ育った猿人にとって名古屋駅は、幾度となく訪れた日常の一部でありながら、また旅の始まりを告げる地でもあり、少し胸が躍るような、そんな感覚を覚える。
やって来たのは東海道本線の普通列車、豊橋行き。まずはこれに乗り込む。
11時3分、列車は名古屋駅を出発した。
さすがは大幹線・東海道本線。直線区間が多いので、普通列車といえどもかなりの速度でかっ飛ばすため、間違えて新快速に乗ってしまったのではないか、という錯覚すら感じさせる。あっという間に名古屋市を過ぎ、尾張と三河を隔てる境川、次いで逢妻川を飛び越え、11時30分、列車は愛知県刈谷市、逢妻駅に到着した。
松屋の限定メニューを食べる
この駅で下車した目的は、この旅行記のタイトルにもあるとおり、松屋のある限定メニューを食べるためである。通り沿いのいくつもの飲食店に食欲をそそられ、ふと目に入った鹿児島ラーメンの店に入ってしまおうか、という衝動をなんとか抑えながら歩いているうちに、目的地である松屋・刈谷日高店が見えてきた。店の前には目的のメニューの広告がデカデカと掲げられている。この店舗で間違いないようだ。
目的の料理とは、この写真の広告にもある「ポーランド風ミエロニィハンバーグ」だ。このメニューは期間限定で、しかもこれを味わえるのはここ、刈谷日高店を含め全国で48店舗。早速券売機で注文し、ミエロニィハンバーグとご対面。デミグラスソースのいい匂いが漂う。
では、実食。
ハンバーグは粗挽きの部分ときめ細かい部分が混ざり合っており、食感の違いが楽しい。噛めば噛むほど旨味溢れる肉汁と濃厚なデミグラスソースが口の中で混ざり合い、ここにさらにバターライスを食べればもう……この幸せは言葉では表しきれない。
食レポをしようとして自らの語彙力の無さを読者の皆様に晒したところで、刈谷駅へ歩いて向かう。その途中で見かけたマンホールには、刈谷市の花: カキツバタが描かれていた。この市の北部にある小堤西池は、国指定天然記念物になっているカキツバタの自生地だそうだ。
(出典: 刈谷市 小堤西池のカキツバタ群落 【国指定天然記念物】https://www.city.kariya.lg.jp/kankobunka/rekishibunka/bunkazai_iseki/1006415.html )
駅に近づくと、大きな建物が見えてきた。トヨタグループの大企業、デンソーの本社だ。刈谷市内にはほかにもアイシン精機、ジェイテクトなどといったトヨタグループの企業の本社や工場が所在し、刈谷市の経済を支えている。
その後ほどなくして刈谷駅に到着。刈谷市の中心駅で、JR東海道本線と名鉄三河線が交差する大きな駅だ。
名鉄三河線の2両の列車は、平日の日中だが多くの客で賑わっていた。碧南中央につくまでのおよそ30分間ずっと立ちっぱなしだった。
碧南海浜水族館へ
その名の通り碧南市の中心駅、碧南中央駅で列車を降り、本日2つ目の目的地、碧南海浜水族館へと向かう。およそ1.5km、徒歩20分の道のりだ。
その道中、何やら住宅街の上に大きな煙突が見えた。「これはもしかして、いい建物が見られるかもしれない。」猿人の脳内の「いい建物スイッチ」(?)が作動する。
近づいてみると、倉庫のような、味のある建物が見えてきた。この時は何の建物なのかよくわからなかったが、帰った後に検索したら、ここは大正12年(1923年)に建てられた大浜火力発電所という発電所で、現在は中部電力の変電所と鋳造会社の工場として使われている建物だということが分かった。
(出典: 碧南市 碧南の歴史へのいざないhttps://www.city.hekinan.lg.jp/material/files/group/4/1774_15.pdf )
用途こそ変わったものの、大正時代の建築物が今も現役で使われていることには驚きである。
そして、今回2つ目の目的地、碧南海浜水族館に到着した。入場料は大人500円。水族館としてはおそらく最安の部類だろう。
伊勢湾や三河湾、遠州灘、愛知県内の河川などといった碧南市付近に生息する生物が多く展示されている、まさに地域密着型の水族館といえる。平日の日中でありながら親子連れやご高齢の夫婦で賑わっており、近隣住民にもこの水族館が愛されていることがよく伝わった。
また、この水族館は希少な生物の繁殖にも力を入れており、「人魚の財布」という異名をもつ卵で知られるトラザメの繁殖に日本で初めて成功したのも、ここ碧南海浜水族館である。
この水族館にはドラゴンズベビー(正式名称: ホライモリ)という生物も飼育されている。ドラゴンズベビーは南ヨーロッパ・クロアチアなどの洞窟の中に生息するサンショウウオの仲間で大きさは最大で30cmほど。日本で飼育されているのは碧南海浜水族館の1匹だけというレアな生き物。
さらに、この水族館には近隣の海や生態系などを紹介する科学館やビオトープも併設されており、500円という入場料からは想像もつかないほど展示が充実していた。
水族館の見学も一通り終えたところで、最後の目的地へ。
衣浦トンネルを通って知多半島・半田市へ
水族館から少し南に歩き、橋を渡る。この日は風が強く、少し足を緩めたら海に突き落とされそうな感覚がして、足早に渡りきる。
そして歩くことおよそ30分。今日最後の目的地、衣浦トンネルの入り口にたどり着いた。
衣浦トンネルとは、衣浦湾を挟んで向かい合う碧南市と半田市を結ぶ海底トンネルである。車用のトンネルと歩行者用のトンネルは分かれており、徒歩道の長さは480mほど。徒歩で海底を渡ることができるトンネルはここを含め日本で5か所しかないという。
(出典: ニッポン旅マガジン 海底を歩く!海底トンネル人道 全5ヶ所紹介 https://tabi-mag.jp/underseawalk/ )
トンネルの中は薄暗く、中央部を境にV字型の傾斜がついているため、先が見渡せない。自分を除き人ひとりいない中にラジオの音声だけが響く不気味な空間は、歩く者にこの先に出口などないのではないか、という錯覚すら覚えさせる。
しかし、そうは言ってもたかが480mである。ものの数分で半田側の出口にたどり着いた。トンネルの中では海を渡っている感覚などはなく、初めてそのことを実感したのは、トンネルに入る前に見えていた船が対岸に見えたときだった。
半田側の出口は、埠頭の先端にある。そのため、周囲には倉庫や何かしらの資材置き場、緑地などがあるのみで、人はほとんどいない。猿人は比較的孤独には強い方だと自負している(現にこの旅行中はずっと一人である)が、それでもここまで人の気配がないと、少しは心細さを感じる。
そんな猿人の心を癒してくれたのは、道中で数匹出会った猫たちである。多分この辺りは、人より猫の数の方が多い。
途中で線路が見えた。しかし、残念ながらこれは衣浦臨海鉄道の貨物線。まだ駅に向かって歩き続けなければならない。
その後も歩き続け、奥に半田の街が見え、
歩き始めてから1時間ほどで半田を象徴する景観、半田運河にたどり着いた。ここには昨年の夏にも訪れたが、その時は雨だったため、晴れの日の半田運河は初めて。穏やかな風景が、ここまで歩いてきた足の疲れを癒してくれる。
そして、もうすぐ17時になろうかというところでついに知多半田駅に到着。碧南中央駅からここまでおよそ8kmの道のりである。長かった。足が悲鳴を上げており、駅周辺を散策する余裕もないので、やってきた電車に乗り込んだ。
今回の旅はここまで。最後までお読みいただきありがとうございました。
3月はいよいよ、みんな大好き18きっぷが解禁。猿人が次に行く場所はどこでしょう?次回の旅行記もお楽しみに。
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