コスパ最高の映像伝送
人類誰しも一度は「映像伝送したいなぁ」と思ったことありますよね。
え、無い?
またまたー。
HDMIケーブルなんかでパソコンからモニターへ繋ぐ以外にも、ビデオ通話やテレビも映像伝送ですよ。モニター付きインターホンなんかも身近でしょう。
今回は
カメラからビデオスイッチャー、PCからモニターなどローカルエリア内に映像を送ることを考えます。距離としては150m以内が目安。
テレビの中継のように遠方とスタジオを繋いでグルメリポート見てくださいこのエビ!プリップリ!…向けではありません。
とりあえず列挙
◯有線接続
一般的なもの
・VGAなどアナログ信号
・HDMIなどデジタル信号
一般的でないもの
・USB
・SDI
・LANケーブルでのTCP/IP
・NDI
・SMPTE 304
◯無線接続
一般的なもの
・ビデオ通話画面を流用
・スマホアプリ
一般的でないもの
・Wi-Fi
・LiveU
・免許必要なガチなやつ
思いつく限り書き出しました。他にもあればぜひコメントで教えてください。
記事タイトルの答えをズバッと出して解散といきたいところですが、状況によっていろいろ変わってくるので単純に1つに絞れません…
オススメナンバーワン
・LANケーブル
HDMI→LAN→HDMIと変換。
HDMI信号をLANケーブルで伝送します。HDMI信号をそのまま通す(端子の配列をいじるだけで直結)ことはできないので、圧縮をかけて伝送します。
製品によって異なりますが、最大で50mから150mほどの伝送が可能です。変換器が1万円弱、LANケーブルは価格に幅がありますが100m1万円が目安かな?
ほとんどが1080/60pです。4Kと書いてあるものもありますが正直怪しい。
安心のサンワサプライ製
かなり高額。上には上がありますけど。
4000円台のよくわからんメーカーのものも普通に使えるのでそちらをオススメしますが、なんせよくわからんメーカーなのでリンクは貼りません笑
LANケーブルがオススメな理由
なかなかマイナーな手法ですが、おすすめするにはワケがあります
①汎用性の高いケーブルである
HDMIケーブルは映像音声の伝達にしか使えません(※)。DisprayportもVGAも然り。しかしLANケーブルはネットワーク通信や電源供給(PoE)まで多目的です。
特にライブ配信においては、ネットワーク構築も同時に行うことがあります。LANで映像伝送を行えば、持ち込むケーブルが1種類で済むわけです。
これは想像以上にクソデカメリットで、身の回りがUSB規格だらけなのも同じ理由です。
※Ethernet対応のケーブルもありますが、実際に使われるところは見たことありません。ケーブルに with Ethernet と表記されており、規格名はHEC(HDMI Ethernet Channel)。通信速度は100Mbpsほど。
②引っ張っても勝手に抜けない
つまり信頼性が高い。プロの現場で使われるSDI(映像等)やXLR(音声)やDMX(照明)やSMPTE 304(光ファイバー映像伝送)や同軸ケーブルN型(電波)…全て、接続するとカチッと固定されケーブルを引っ張るぐらいでは抜けません。その点はLANケーブルも同じです。
プロがHDMIを使うときは、テープでガチガチに固定したりsmallrigの挟んで固定するやつを使ったりすることが多い。それだけケーブルの抜けは怖いんです。
③自作できる
端子を自分で取り付けられます。ケーブルのみを買ってきて必要な長さで切って端子をつけたり、端子の根本が断線したら(あるある)そこを切って少し短く作り直したり。断線したらゴミになる他のケーブルと比べて、長期的に見ると安く済みます。
屋外用のタフなものやドアの隙間用の薄いものなどバリエーションも豊富です。
④将来性がある
主観になりますが…。映像のIP伝送は放送業界でも注目され始めています。「NDI」という規格がありまして、まぁ詳しくは検索してください。それに対応したちゃんとしたメーカーの製品も出始めています。さらにPTZカメラの需要の高まりとか、割愛しますがLANケーブルが使われるシーンは増えるはずなんですよ(雑)
デメリットとしては、コンバーターに電源供給が必要(たいてい5V1A)なこと、少し画質が落ちること、プロ用機材にくらべると遅延が大きいこと。
シチュエーション別オススメ
全部LANケーブルというわけにはいきませんから。
とにかく金が無い!近距離
・HDMIなどよくある方法
そのままです。金が無いなら送信受信の距離を短くするとか妥協も必要。欲張りはいけない。
・USB
パソコンへの入力に限ります。Canon Nikon Sonyなどなど各社が一眼レフカメラをウェブカメラ化するソフトをリリースしています。また、HDMIをUSBに変換してウェブカメラとして認識させるアダプターも売っています。
それらのUSB接続を長くしようということ。
長いケーブルを使って5mぐらいが限界だと思います。(激安延長USBケーブルで確認済)
とにかく金が無い!遠距離
・Wi-Fi
Letsviewという画面ミラーリングのアプリ・ソフトを使用します。
スマホ対パソコンしかできないので注意。スマホ対スマホなどはできません。また、1対1のみです。
FiLMiC Proなど画面内の表示を無くすことのできるカメラアプリをミラーリングすればリモートカメラとして利用できます。
同一LAN内(同じWi-Fiに繋がってる)なら距離に制限なし。遅延0.2秒ほどで高画質
・ビデオ通話画面の流用
LINEでもZOOMでもいいです。画面を外部モニターに出力するなり、OBSのウインドウキャプチャで持ってくるなりすればよし。
1対多 が可能。さらにインターネットに繋がれば距離に制限なし。遅延0.2秒ほどで低画質
最近ではテレビでもよく使われている手法です。
・スマホアプリ
FiLMiC ProというカメラアプリをFiLMiC Remoteというアプリでライブビューできます(共に有料)。最長10mほど。端末同士が直接通信するのでネット環境が無くても大丈夫。…正直に申しますとイマイチです。
・専用ソフト
EPSONのプロジェクターをお使いの方に、EPSON iProjectionというソフトウェアがあります。プロジェクターをLANに繋いで投射。EasyMP Network Projectionではさらに違った使い方ができますが割愛
100m2万円で
・LANケーブル
先述のとおり!まじおすすめ!
・光ファイバーHDMI
みなさんご存知長距離通信の代名詞、光ファイバー。端子部分で変換し伝送するので、見た目は普通のHDMIケーブルとほとんど同じです。
折り曲げに弱いこと、in outの方向が決まっていることに注意。
安くて100mで1万円、300mで4万円ほど。
よくわからんメーカー製
高級品サンワサプライ
・SDI
放送業界のスタンダード。業務用機器にはSDIの入出力が必ずと言っていいほど備わっています。最大100mほど。全て業務用機器で揃えるなら便利ですが、伝送のためだけにわざわざ変換するメリットは無いです。
カメラが動き回る
・Wi-Fi
先述のフリーソフトを使う方法ではなく、専用の機材を使います。流石プロ用、無線にもかかわらず圧倒的高画質と低遅延。レンタルを行なっているところも多いので、意外と手軽に使えます。
少し余談ですが、距離が離れると音が空気を通して実際に伝わるよりも早く電波が届きます。
Hollyland MARS 300 PRO
最大120m、12Mbps(高画質)、遅延0.08秒
IDX CW-1dx
最大250m、25Mbps(かなり高画質)、遅延0.07秒
金はいくらでも出す
・NDI
放送業界において将来性が高い(と私が勝手に思っている)IP伝送方式。多 対 多 の通信で高効率。お金持ちさん、ぜひ投資を。
・SMPTE 304
光ファイバーが2本入ったケーブルです。Blackmagic Fiber Convertersを使えば20kmまで伝送可能。わざわざ20km敷設する個人事業なんてイカれてるぜ
・LiveU
携帯電話回線を複数束ねることで安定した高速大容量通信が可能に。小規模なテレビ中継によく使われます。屋外でのYouTubeライブにもおすすめ。基本レンタル。
・免許必要なガチなやつ
勉強して免許とってパラボラ立てましょう。設置の際の厳密な角度調整が難しい。送信受信にそれぞれ人が必要です。調整時にそちらの受信感度どうっすかーとかやり取りします。
おわり
みなさんにとってのコスパ最高の映像伝送方法は見つかりましたでしょうか?
選択肢は多い方がいいということで、マイナーなものからゴミクオリティなものまで紹介しました。
皆様の素敵な映像伝送ライフの手助けになれば幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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