犬に優しい街?
毎年恒例の大濠公園の花火大会がなくなってしまってもう何年もたつ。
天神(福岡の中心地)からふたつ目の駅にある大濠公園で行われる花火大会で、花火大会が行われるその日は、町中で浴衣姿のお嬢さんが見られ、地下鉄大濠公園駅では駅もホームも車内もすしづめとなり、天神から大濠公園へと続くお濠端の道は歩道も車道も大渋滞、遠くからヤンキー車が続々と集まった。
いつもはビジネス街の道路に夜店や露店が並び、お祭り天国福岡気分が盛り上がった。青春の思い出がある人はたくさんいると思う。
温暖化は始まっていても、まだここ数年ほどの熱波という感じの猛暑でなく、家族連れで、近くの南公園の展望台から、花火見物する人もよく見られた。蚊取り線香の匂いをさせて。
飼っていた犬が元気だったころ、大濠公園も散歩の範囲に入っていた。けれど花火大会の後しばらくは、飲み物の瓶の破片とか、焼き鳥の串とか、危険物がたくさん散らばっていて、犬の散歩ができなかった。我が家は「犬を連れて歩いて行くことができる」程度に離れていたので、それほど影響はなかったが、近所に住んでいる人はうんざりだったろう。
そして花火大会当日は、まあまあ離れていても、花火の、腹に響く「ドン!」という音が聞こえてきて、犬はずっと風呂場でブルブル震えていた。準備をする昼間から「ヒュルヒュルヒュル」という音も聞こえて、犬は半日ずっとオロオロしていた。
そして翌朝からしばらく「花火の音に驚いて逃げ出しました」と迷子犬の貼り紙があちこちで見られた。
大濠公園は一周2kmの遊歩道、ランニングコース、自転車コースがあるので、その近くで犬を飼うのはご機嫌な環境なのだ。
花火大会の終了理由は、安全確保が難しいという理由だそうだけれど、人間だけじゃなく、ご近所の犬たちも胸を撫で下ろしていることだろう。
ちょっと寂しいけれど。