草鞋の履き方
僕は、コンサルティングファームで働きながら武蔵野美術大学でデザインの勉強をしています。
デザインを勉強する上で、気を付けていることがあります。それは、デザインをコンサルティングに無理につなげようとしないことです。
僕の中では当たり前に持っていた考え方ですが、この考え方に同僚が興味を持ってくれたので、なぜそう考えるのかを簡単に書こうと思います。
ひとつは、もったいないからです。
デザインがどうコンサルティングにつながるのか、説明しようと思ったらこんな感じでしょうか。
「デザインの人間中心主義的な視点を持つことが、クライアントの商品やサービスを複眼的に捉えることにつながるから」
「デザインの力を使えば、クライアントに『伝える力』が増すから」
「デザインの『作りながら考える』スタンスが、プロジェクトや事業開発に取り組む姿勢につながるから」
ただ本当のところ、まだ「デザイン」のことを全然わかっていない体感があります。
「コンサルティング」のことですら、恥ずかしながら分かっていません。
この状態で、あやふやな「コンサルティング」の視点に立って「デザイン」を捉えてしまうと、僕は言葉をこねくり回して口先で説明してしまいます。上で挙げた3つの解釈も、間違ってはいないのでしょうが、身体で理解しているわけではありません。
口先で説明してしまうと「デザイン」が分かった錯覚がして、自分の血肉になるチャンスを逃してしまうことに確信があります。
もう一つは、失礼だからです。
当たり前のことですが、デザインの世界にはデザインで本気で戦っている人がいます。
デザインの世界のほんの一部分をかじったに過ぎない僕が、「デザイン」を解釈すること自体がおこがましいことです。
「コンサルティング」も「デザイン」も、その世界にどっぷり漬かって、ようやくごく一部の人が体得できるものであるはずです。
それぞれの世界に遣ってそれぞれが自分の血肉になったときに、「デザイン」と「コンサルティング」がどう繋がるのか、見えてくるような気がしています。
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