見出し画像

自慢したら、ひどいめにあいますよ。クジャクの一言に傷ついたツルは、猛然と攻撃してきた(イソップ物語)

 何気なく言ったことが、相手を傷つけたり、怒らせたりすることが、よくあります。イソップは、「特に、自慢話には気をつけましょう」と、次のような話をしています。

 クジャクが、色鮮やかな羽を広げ始めました。
 太陽の光を浴びて、キラキラ輝いています。

 周りにいる他の鳥たちに向かって、
「どうぉ! 私、ステキでしょう!」
と言いたそうな顔をして、羽を見せびらかしていました。

 でも、誰も褒めてくれません。

 そこでクジャクは、近くにいたツルに向かって言いました。
「世の中に、私の羽より美しいものはないと思いませんか。有名な画家でさえ、七色に輝く私の姿を、絵に描くことはできないと言ったのですよ」

 ツルは、白一色の自分の羽を、けなされたように感じました。
 面白くありません。
 きつい口調で、こう言い返したのです。

「なるほど、鳥の中で、あなた以上に美しい者はいないでしょう。しかし、あなたには、大きな欠点が、二つあります。
 まず、足元が汚いこと! 
豪華な服を着ながら、足に泥をつけているのと同じですよ。

 次に、空を飛べないこと! 
あなた、それで鳥といえますか。

 自慢ばかりして、少しも欠点を改めないなんて、恥ずかしくないんですか!」

 クジャクは、一言も返答ができず、うつむいて逃げていきました。

 自分が、何気なく話したことが、相手を傷つけたり、怒らせたりすることが、よくあります。
 特に、自慢話を聞かされて、うれしい人はありません。
 もしかしたら、あなたの話を、「そうなんですか!」「すごいですね!」と、笑顔で聞いている人でも、心の中では、このツルと同じように文句を言っているかもしれませんよ。
 自慢話は、要注意!

イラスト・黒澤葵

いいなと思ったら応援しよう!