アーレント読本
『アーレント読本』が近刊です。私も編集委員として関わらせていただきました。以下は、法政大学出版局のホームページからの転載情報となります。
https://www.h-up.com/bd/isbn978-4-588-15109-5.html
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『アーレント読本』
日本アーレント研究会:編, 三浦 隆宏:編, 木村 史人:編, 渡名喜 庸哲:編, 百木 漠:編
A5判 / 430ページ / 並製 / 定価:3,200円 + 税
ISBN978-4-588-15109-5 C1010 [2020年07月 刊行]
内容紹介
二十世紀の全体主義の惨禍を、一人のユダヤ人女性として、亡命知識人として生きたハンナ・アーレント。政治的公共性や市民的自由がグローバルな危機に瀕し、民主主義の未来が脅かされる現在、彼女の思考の遺産から私たちは何を学ぶべきなのか? ベテランから若手まで総勢50名の気鋭の執筆者が、主要なテーマ群を最新の視点で掘り下げる決定版の入門書。各著作の解題や略年譜も付す。
目次
序 【三浦隆宏】
凡 例
著作略号一覧
第Ⅰ部 アーレントにおける基本概念
1 愛──その哲学的議論にみる、世界の脱‐構築 【阿部里加】
2 ユダヤ人問題──そしてパレスチナ問題 【小森謙一郎】
3 全体主義──アーレント政治思想の基礎概念 【牧野雅彦】
コラム❶ マルティン・ハイデガー 【木村史人】
コラム❷ カール・ヤスパース 【豊泉清浩】
4 労 働──アーレント思想の下部構造 【百木 漠】
5 制作/仕事──人為的制作物をめぐる思考の現代的意義と限界 【篠原雅武】
6 活動/行為──それは語りなのか 【橋爪大輝】
7 はじまりと出生──自由の原理と、その困難 【森川輝一】
8 公と私──古典古代モデルと現代的意義 【川崎 修】
コラム❸ ハンス・ヨナス 【戸谷洋志】
コラム❹ ギュンター・アンダース 【小林 叶】
コラム❺ ヴァルター・ベンヤミン 【細見和之】
9 革命・権力・暴力──自由と合致する権力、自由のための革命 【石田雅樹】
10 アイヒマン裁判──「悪の凡庸さ」は論駁されたか 【三浦隆宏】
11 真理と嘘──二十世紀の政治を問う 【小山花子】
12 思 考──現われの“reality” 【青木 崇】
13 意 志──留保し、可能性を開く 【木村史人】
14 判 断──政治的なものと歴史的なものの交叉 【宮﨑裕助】
15 世 界──耐久性、共通性、複数性 【森 一郎】
コラム❻ ハインリヒ・ブリュッヒャー 【初見 基】
コラム❼ ニューヨークの知識人たち 【大形 綾】
第Ⅱ部 現代世界におけるアーレント
1 理解と和解──人間の本質を信じること 【対馬美千子】
2 約束と赦し──アウシュヴィッツ以後の時代における政治倫理学 【守中高明】
3 悪と無思慮──アイヒマンは何も思考していないのか 【山田正行】
4 責任・道徳・倫理──アーレント責任論の意義と限界 【渡名喜庸哲】
5 芸術論──不死性のための美学 【齋藤宜之】
コラム❽ 物語り 【矢野久美子】
コラム❾ アーレントとスピノザ 【國分功一郎】
6 自由論──複数性のもとで「動く」自由 【齋藤純一】
7 共和主義──新しさの指標 【森分大輔】
8 法と権利──政治の条件としての人為的制度 【毛利 透】
9 熟議と闘技──活動/行為はどのようなかたちをとるのか 【金 慧】
10 政治学──アーレントと政治理論 【乙部延剛】
コラム❿ デモクラシー 【山本 圭】
11 社会的なもの/社会──その公共性との関係をめぐって 【河合恭平】
12 市民的不服従──新たな政治体の「はじまり」 【間庭大祐】
13 フェミニズム──「攻撃されている事柄」による抵抗 【舟場保之】
14 教育学──過去と未来を架橋する出生 【小玉重夫】
15 科学技術──科学を公共圏に取り戻すことは可能か 【平川秀幸】
コラム⓫ 政 策 【奥井 剛】
コラム⓬ アーレント研究センター 【阿部里加/百木 漠】
第Ⅲ部 各国における受容
1 日 本 【三浦隆宏】
2 英語圏 【蛭田 圭】
3 ドイツ 【シュテファニー・ローゼンミュラー】
4 フランス 【渡名喜庸哲/柿並良佑】
第Ⅳ部 著作解題
アーレント著作マップ
1 『アウグスティヌスの愛の概念』 【和田隆之介】
2 『ラーエル・ファルンハーゲン』 【押山詩緒里】
3 『パーリアとしてのユダヤ人』 【石神真悠子/百木 漠】
4 『全体主義の起原』 【石神真悠子/百木 漠】
5 『人間の条件』/『活動的生』 【青木 崇】
6 『過去と未来の間』 【青木 崇】
7 『革命について』 【田中智輝】
8 『エルサレムのアイヒマン』 【石神真悠子/百木 漠】
9 『暗い時代の人々』 【田中智輝】
10 『暴力について』 【田中智輝】
11 『精神の生活』 【村松 灯】
12 『カント政治哲学講義』 【村松 灯】
13 『政治思想集成』 【小森(井上)達郎】
14 『政治とは何か』 【小森(井上)達郎】
15 『政治の約束』 【和田隆之介】
16 『責任と判断』 【村松 灯】
17 『ユダヤ論集』 【押山詩緒里】
18 『思索日記』 【押山詩緒里】
19 書簡集 【田中直美】
20 手稿類 【田中直美】
21 『批判版全集』 【橋爪大輝
アーレント略年譜 【齋藤宜之】
事項索引
人名索引