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【小説】クお白チ 098【第一期】

俺「もう一個やってみる?」
白「次はなにをやるんですか?」
俺「今度は小鳥が主役かな」
小「えー今度は私がターゲットですかー」
俺「香が自爆しただけで、俺はターゲットにしてなかったろ」
小「いじめませんよね…?」
俺「香だっていじめてないじゃん」
香「私的にはいじめられた気がしてます…」
俺「まったく誘導してないのにいじめられたって言われるのはいやだなぁ」
小「私も自爆しちゃいます?」
俺「あぁ、それはないと思うよ」
チ「この人最初になにをやるか言わないんだよ…」
俺「まだ言うか!このチビ!」
チ「あぁーまた言っちゃったよぉーごめんよぉー」
俺「何回言えば覚えるんだよまったく…みんな黒板の前に立ってくれ」
立ち上がってぞろぞろ黒板の前に一列に並ぶ。俺は一番後ろの真ん中の椅子に座り
俺「気が抜けちゃってるから当るかどうか分からないけどやってみるね」
お「なにやるのぉー」
俺「答えはあとだって言ってるだろ。おしゃべりまでチビと一緒かよ」
お「初めてやっちゃったぁーごめーん」
「あははははっ」×7+俺
俺「俺が、机におでこを付けたら並んでる順番をランダムに変えて。みんなが並んだら俺がせーのって言うから全員で『あー』って言ってみて」
「分かったー」×8
机におでこを付けると、みんなが並び変わるのが分かって、音が止まった。感覚を研ぎ澄まし、集中してから
俺「せーの」
「あー」×8
俺「ごめん。もう一回。せーの」
「あー」×8
机におでこをつけたまま
俺「ごめん。五人しか分かんないや。左から二番目がチビ、その次が小鳥、左から四番目が白、右から二番目がおしゃべり、一番右がラブ。顔を上げていいかな?」
「嘘ぉー!」×8
顔を上げる。三人以外は全員当てた
チ「なんで分かるのさ」
俺「小鳥の声を分解して聞いてるうちに、だんだん他の人も分かるようになったの」
ク「なんで私達は分からないんですか?」
俺「仕事が終わってボケボケだから、クッキーと香の声、香とムックの声が似てるから分解できなかったの」
小「だから私が主役なんだ」
俺「小鳥の声でみんなの声が分からなかったから、二回声を出してもらったのよ」
ラ「やっぱりちょっとこわいかも…」
俺「せっかく当てたのにラブはもういい!先に帰れ!」
ラ「あ゛ーーー!ごめんなさい。帰るのはやですよ…」
俺「まったく学習しないやつだな…」
お「誰がどうちがうのぉー」
俺「小鳥が一番綺麗な声を出すのは知ってるよね?」
「知ってるー」×7
俺「チビが一番くすんだ声を出す。白は香なんかと同じなんだけどちょっとだけ声が低い。おしゃべりとラブはこもった声を出すんだけど、ラブの方が高い声なの」
小「音楽やってるんですか?」
俺「いや、分解できるだけ」
チ「耳もいい、なんだよ」
ム「それは私も分かんないや」
俺「足音も五人だけ分かるよ」
香「誰ですか?」
俺「クッキーとチビとラブとムックと香」
白「どこが違うんですか?」
俺「クッキーは足を引きずる。チビは歩幅が極端に小さい。ラブはつま先から足を下ろす。ムックはまったく音をたてないで歩く。香は靴がちょっとキュって鳴る」
チ「気持ちわる…なんでもないよ…」
「あははははっ」×7+俺
ラ「つま先から足を下ろすのとかかとから下ろすので音が違うんですか?」
俺「つま先から下ろすとタンって音じゃなくトンって音がするの」
ラ「足音なんて自分じゃ気がつかないですよ…」
俺「まだあるよ」
ム「なに?」
俺「昨日スコートだっただろ?」
「はい」×8
俺「みんなの綺麗なおみ足を初めて拝見させていただきました♪」
「エッチーー!」×8
俺「じゃ、教えない!」
ク「あーーーー!教えてください…」
「教えてください」×7
俺「これは一瞬で分かった。おしゃべり、チビ、白、香の足は真っ直ぐ。クッキー、小鳥、ムックの足は若干O脚。ラブは微妙にX脚なんだよね」
ラ「だから私がX脚だって分かったんだ」
お「なんでぇーラブちゃんだけ知ってるのぉー」
ラ「あー!」
すぐにフォローした
俺「二者面談の時に教えてあげたんだよ」
ラ「そうなんです…」
白「空間認識能力?」
俺「足のライン読んだだけだからたいした事ないけど、チビと小鳥はちょっと難しかったかな」
小「なんでですか?」
俺「二人ともチビだから」
チ「ブーーー」
小「勝てない…」
「あはははははっ」×6+俺
弁当の味とキス、抱いた感じ、みんなの香り、姿形、彼女達が発する声や音。五感を全て使って感じとってここまで来た。いや、全てを押しつけられてと言った方が正しいかもしれない…話す言葉や仕草で性格を読み取り、出来る時には第六感まで駆使して彼女達を見つめてきた。俺は自分をひた隠しにするつもりだったが、どうしてももれる情報でみんなに悟られてしまった

彼女達のぬくもりのある質感は二度と感じる事は出来ない…

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