【小説】クお白チ 023【第一期】
10時は白が作ったカツサンドだった。美味かったんだけど、なんかみんなに責められまくり…1年生がこんなに話したの初めてじゃね?って思う位責め立てられた。チビのテンションが以上に高くて、怒鳴られてる感じがした。チビはなんで一人で涙ぐんでるんだろう?おしゃべりが俺を加勢するのが不思議だった。こちらは平謝りするしかなかった
昼になった。小鳥の弁当はオーソドックスな白飯にゴマ、卵焼き、ウインナー、ポテトサラダが入っているものだった。小鳥が右手の人差し指に絆創膏を貼っているのに気が付いた
俺「小鳥、右手の絆創膏はどうした」
小鳥が右手を隠す。みんながハッとするのが分かった
小「一昨日包丁で切っちゃったんです」
俺「利き手は?」
小「右です」
俺「右手で包丁を持って右手を切るって不自然だぞ?本当の事を言いな」
みんなの動揺が伝わってくる
小「蛍光灯がすべりました…」
俺「新しい絆創膏は持ってるか?」
小「はい…」
俺「絆創膏を取って見せろ」
小「いやです…」
俺「取って見せろ!!!」
初めて怒鳴った。みんながビクッ!とした。小鳥が絆創膏を剥がす。俺は席を立ち小鳥の側まで行って傷を見る。軽い擦過傷で切れてはいない
俺「怒鳴って悪かった。ごめんよ」
小鳥の肩を叩いて席に戻る
俺「飯を食ったら、全員帰ってくれ」
チ「やだよ!」
涙ぐんでチビが叫んだ…
小「たいした怪我じゃありません。そんな事言わないでください!」
俺「大きい小さいは関係ない。誰かが怪我をしたらここにはいられないって約束したはずだよ?」
チビと小鳥とラブが最初に泣き出した。釣られて他のみんなも泣き出だす
俺「これは俺の仕事だから、みんなにこれ以上迷惑はかけられない。さっき俺をみんなで責めたから言ってるんじゃないよ。クッキーと白が個人プレーはよくないって言った。じゃ、俺を除いてチームで隠すのはいいのかい?」
お「私の責任なんだよ」
俺「どういう事?」
お「みんなに口止めしたのは私なんだ…」
白「手伝えなくなるのがいやだったんです」
チ「手伝わせてよぉ…」
チビは涙で顔がグチャグチャになってる。こいつは感情の起伏が激しい
俺「じゃ、午後から見てろ。一人でやるよ」
ラ「そんな事言わないでくださいよ…」
俺「怪我をしない保証は全然無いんだよ。大怪我されたら俺が困る」
お「今度怪我をしたらあきらめる…みんなそれでいい?」
みんながコクリとうなずく
俺「帰りにみんなの手を見せてくれ、それで怪我を見つけたら終りだ」
チ「分かったよ…」
一人だけ涙をポロポロ流してる…
俺「だから10時におしゃべりは俺を責めなかったのか?」
お「罪悪感があったから…」
俺「チビ。おしゃべりを見習え!」
チ「分かったよ。えへへ♪」
「あははははっ」×7
彼女達が安堵の表情に変わった。実は俺もホッとしてた。彼女達がいなくて終わらせる自信は全然無かった
俺「白。このタオルを濡らして絞ってきて。走るなよ」
白「はい」
白はニコニコ顔に戻ってた。可愛い…
白が戻ってきたのでハチマキを取ってTシャツを脱いだ
「おぉーーーっ」×8
俺「ん?」
チ「すごい筋肉だー!」
新しい湿布を出して、背中を見せて
俺「湿布何枚貼ってある?」
ク「肩を入れて9枚です」
肩の一枚を自分で剥がす
俺「みんなでせーので剥がして。痛いから」
白「あははっ」
お「せーのぉー」
ビリッ!
俺「痛でっ!いっぺんに剥がされても痛いものは痛い…」
「あははははっ」×8
チ「背中の左側真っ青だよ」
俺「しかたないよ。自業自得ってやつさ。白、背中を拭いてくれ。クッキー、ハチマキで水分を拭き取ってくれ。みんなで湿布を貼ってくれ」
新しい湿布が肌に染みこんでいく。Tシャツを着て、白が濡らしてきたタオルを絞ってハチマキをし、ハチマキにしていたタオルを首にかける
俺「もう一回言う。走るな、怪我をするな、無理をするな。もう一つ。声を掛け合え。二人で持ち上げる時はお互いに意思の疎通をはかれ」
「はい!」×8
俺「そういえば小鳥。手袋は切れてないの?」
小「ちょっと滑っただけなんで手袋は平気です」
俺「今度誰かが怪我したら終りだ。細心の注意をしてくれよ。俺だってみんながいないと困るんだよ」
「はい!」×8
俺「あぁ、そう言えばおしゃべりは緊迫すると語尾が伸びないんだな」
お「そう言う事言わないでよぉー」
俺「また語尾が伸びてる」
「あははははっ」×7+俺
弁当を食って、時計を見ると1時を回ってた。
俺「全員顔を洗ってこい、行くぞー」
「はい」×8
俺の精鋭部隊は誠実で心優しく愛らしい子ばかりだ…
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