2020年を振り返る(2)
日曜日の夜、洗面所で目の横を打って片目お岩さん状態の木村です。
今年は創業当初から40年以上活躍していた大型真空管ですが、これまで補修や修理を行ってなんとか使用していましたが、製品の品質向上・作業効率UPのため入れ替えを行いました。
それでもやはり新品は高価なので、メーカーさんにお願いして中古美品にしました。
この頑丈な作りの機械です。
「大型真空缶」とは聞き慣れない言葉だと思いますが、品質安定・作業効率向上のためにとても大切な機械なのです。
(以下長文になります)
以前は樽に漬けられた沢庵を八百屋さんが一本ずつ販売していた時代は工場で沢庵を樽詰めの状態で出荷していました。
現代の一般的な流通は真空パックがほとんどです。
真空パックした後に加熱殺菌処理をすることで、常温のまま、数ヶ月の賞味期限を記載することができるようになります。
HACCPという高度な衛生管理でも品質確保のためのチェックポイントとして殺菌温度と殺菌時間が決められ、実際にその記録を一日になんども計測・記録をしています。
こうした記録により、たくあんの中心温度が設定された温度で決められた時間経つことで殺菌が正しく行われたことになります。
たくあんを真空パックしてそのまま加熱すると、だいこん内にある気泡が膨張し、だいこん外へ出て、袋の中に空気が入ったような状態となることがあります。
もし、この様になってしまうと、袋内の空気により熱をたくあんへ完全に伝えられないため、たくあんの中心温度が設定した温度にならず、きちんと殺菌ができず、菌が増殖して不良品となってしまいます。
そのため、大型真空缶が必要になります。
真空パックの前処理として、たくあん約550kgを1t(トン)の容器に入れたままこの大型真空管に入れます。
密封した状態で真空ポンプを動かし、30分以上真空状態を保ち、缶内のたくあんの気泡にある空気を抜きます。
こうして、加熱殺菌時に空気が出ることなく、殺菌処理が行われることで不良品の発生を抑えることができます。
地味で無骨な機械ですが、とても大切な機械なのです。
では、また明日。