木村情報技術の「AWS導入コンサルティングサービス」を佐銀デジタルパートナーズが採用。システムのクラウド化を支援
佐銀デジタルパートナーズ株式会社は佐賀銀行の子会社で、金融システムから発展し、自治体・流通業・製造業・卸業等の分野の業務ソフトウェア開発を行っています。 主なサービスとして、販売管理システム、クリーンWebシステム、会員情報管理システム、学校徴収金管理システムなどを提供しています。
「最高のITサービスで地域社会に貢献する」を基本理念に、2024年4月からは社名を現在の「佐銀デジタルパートナーズ株式会社」に変更、オーダーメードの開発で企業や団体の課題解決を推進しています。
同社は、2023年から既存システムのクラウド化を検討していましたが、内製でプロジェクトを推進することに困難さを感じるようになり、木村情報技術にAWS導入コンサルティングを依頼しました。
その背景や支援内容などについて、佐銀デジタルパートナーズのIT統括部システム部の皆さまにお話を伺いました。
1.なぜ「AWS」のことを木村情報技術に?
佐賀県に本社を構えるIT企業の木村情報技術は、主力事業の1つが「ライブ配信サービス」です。医療業界におけるWeb講演会の運営・配信サービスにおいてはシェアNo.1(※1)ですが、特に医療業界向けのライブ配信はミスに対してシビアであるため、クラウドサービスとして信頼性の高いAWS (アマゾン ウェブ サービス)を採用しています。
(※1)株式会社富士経済「2020年 医療ITのシームレス化・クラウド化と医療ビッグデータビジネスの将来展望」より
弊社がAWSを導入した当時は、まだクラウドは一般的でなく、オンプレミスが主流でした。弊社のエンジニアは早くからクラウドの将来性を感じ、AWSを採用しました。これは当時では大きな決断で、多くの苦労や失敗もありました。そのため弊社のエンジニアは、教科書では学べないリアルな経験を積んでいます。
現在、木村情報技術には全12種類のAWS 認定資格を持つエンジニアが2名在籍しており、社内でAWSに詳しい社員や認定資格を持つ社員が増えています。
2.クラウド化プロジェクトの背景
森光部長:当社は、学校徴収金管理システムや販売管理システム、会員情報管理システムなどを提供しています。学校徴収金管理システムは、佐賀県内の5市5町で、小中学校と私学を合わせ100校以上で使用されています。これまで、これらのシステムは全てオンプレミスで管理されてきました。
オンプレミスの場合、各学校を訪問して現地でセットアップをする必要があります。また、新年度になるとご担当者の異動も多く、それに伴う対応も必要です。
このような学校関連の業務は、作業が同時期に集中し、当社社員の人手不足が課題でした。そのため、クラウド化の必要性を強く感じていました。
これまで、セキュリティなどの理由から、こうしたシステムはオンプレミスで管理する方法が一般的でした。しかし、最近では学校側も時代の変化や政府のデジタル化推進の流れに合わせ、クラウドの受け入れも広がっています。
これから提案していく中で、クラウドという選択肢も持っておきたいと考えていました。
AWSの選択理由
森光部長:クラウドサービスには様々な種類がありますが、AWSは継続的な値下げを行っており、コスト面でのメリットが期待できます。また、マネージド型サービスのため外部連携が不要で、セキュリティがしっかりしており運用負荷も軽減されると考えられます。このような理由から、AWSを選択しました。
3.木村情報技術にコンサルティングを依頼した背景
森光部長:システムのクラウド化については、社内でも検討しましたが、既存のオンプレミスのシステムをそのままAWSに移行する構成しか思いつかず、どこかに相談したいと思っていました。
ちょうどそのころ、もともと当社とお付き合いがあり、同じ佐賀県の企業でもある木村情報技術に、AWSに詳しい方がいることを知りました。まさに渡りに船でした。
古賀マネージャー:クラウド分野は、これから避けて通れないと感じていましたが、どう進めていいのか分からず、不安がありました。経験のあることはイメージやストーリーが描けますが、AWSは未知の領域で、うまくイメージが湧かず、自分達で進めようにも、方向性が正しいかどうかも判断が難しい状態でした。
森光部長:木村情報技術との検討の中で、まず大きく二つの道が提示されました。「内容は大きく変えず、オンプレミスからAWSに移行する方法」と、「AWSの特性を活かし、構成を大きく変更したうえで移行する方法」です。
前者はスピーディな実績化が可能ですが、後者は実現まで時間が必要なうえ、困難な道だと予想され、経営層の理解も必要になります。
それでも長期的な視点で考え、社内にノウハウを蓄積したいこと、そしてビジネスへの活用も視野に、目先の成果にとらわれず後者を選択しました。
実は、コンサルティングをどこにお願いするか、他社との比較はしませんでした。選定にあたり木村情報技術の担当者と話し、知識やノウハウに加えて、人柄も信用できると感じました。
また、コンサルティングの費用も手ごろだと感じ、それは経営陣も同じ意見でした。
齋藤様:私は2018年入社ですが、就活時に木村情報技術の情報も調べたことがありました。ライブ配信事業を手掛けていて、インフラ関係の専門知識があり、その分野に強い印象がありました。その木村情報技術がAWSを長年利用しているのなら、コンサルティングを依頼しても安心だと思いました。
4.コンサルティングの具体的内容
森光部長:システムのAWSへの移行プロジェクトは、2023年の春頃から社内で話は出ていて、6~7月には自分たちで構成図を作成しました。それをもとに、8月中旬ころにキックオフを行い、本格的にコンサルティングが始まりました。
古賀マネージャー:AWSには200ほどのサービスがあります。できる事が豊富なのはメリットですが、その中からどれを選択すればよいか迷っていました。書籍でも勉強しましたが、実際の経験者からのアドバイスのほうが有効だと感じました。コンサルティングを受けることで、プロジェクトの進行が大幅に加速しました。
齋藤様:コンサルティングは、9月から11月の3か月間で計6回行われました。1回あたりの時間は約2時間で、IT統括部システム部の6名が参加しました。
自分達で作成した構成図をもとに、コンサルティングの場で非常に詳細な構成図を作成してもらいました。それがなかったら、私たちのすべきことがはっきりしなかったと思います。
5.コンサルティングサービスを経験した感想
森光部長:AWSの勘どころや、経験を通さないと得られない知見を短期間で学ぶことができました。クラウド分野での遅れを感じていたので、他社の知見を吸収して、プロジェクト進行に関する時間を短縮したいという思いがありました。
コンサルティングを受けなかったら、何も進まなかったと思います。最初に社内でAWSの設定を試みましたが、全く分からず、コンサルタントのサポートがなければ行き詰まっていたでしょう。お願いしてよかったです。
古賀マネージャー:自分たちだけで相談しても、堂々巡りで行き詰まっていました。仮説を立てても、分からない者同士ではその検証も難しかったです。もっと早く相談すればよかったと思いました。
齋藤様:クラウド関連の業務に関心はありましたが、予算や知識不足、勉強時間の不足で、個人で取り組むのは難しいと感じていました。クラウドでは設定の少しの誤りでも高額な利用料の請求につながることもあるため、ハードルの高さを感じていました。会社で取り組んでもらえたことは、技術者としてありがたかったです。
6.今後の展望
森光部長:これまではオンプレミスが中心でしたが、行政でもクラウド化を推進し始めており、当社もクラウド分野の強化が不可欠だと感じています。
今回のコンサルティングでは、プロジェクトの推進だけでなく、チームメンバーのスキルアップにも大きく貢献しました。
またAWSに限らず、他社との情報交換の場としても貴重なものでした。
クラウド化をベンダーに依頼するのは簡単ですが、我々はベンダーへの依存を避け、社内のノウハウ蓄積やメンバーの成長促進も考え、内製化を重視しています。
学校徴収金管理システムは、既にAWS上でほぼ完成していますが、セキュリティ対応やログ取得などの細かい調整が必要です。その過程で、また自分達の考えや構成に疑問も出ており、コンサルティングの再依頼も検討しています。
今後は学校徴収金管理システムに続いて、その他のシステムもクラウド化したいと考えています。
また人材育成にも力を入れ、トレーニングを受けたスタッフが今後のサービス開発にもノウハウを活かし、ビジネス面に貢献できることを期待しています。
■「AWS導入コンサルティングサービス」について
コンサルティングの流れ
(1)ヒアリング
クラウド化の要件や、ビジネスの目的を伺います。
※オンプレミスのクラウド化 / 開発チームの育成 / 開発手法の変更 / DevOpsの実施など。
(2)ご提案
目標を達成するために必要なプロセスについてご提案します。
エンジニアリングチームの育成について、弊社の関与度合などもご提案します。
(3)コンサルティングの実施
クラウド化に向け、ご提案内容を実施します。
社内の変革の実施と維持について、弊社が伴走します。
・質疑応答
・コーチング
(4)フォローアップ
変革の流れができた後は、ご質問への対応など、継続的かつ柔軟なフォローが可能です。
お問い合わせ
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