2023年度昭和大学医学部Ⅰ期 数学 #過去問分析
受験生の皆さんは最後の追い込みの時期ですね。
諦めず一点でも積み重ねられるように頑張って欲しいと思います。
少しでも勉強の役に立てばと思い、作成しました。
作成希望の大学があればこちらまで。
X(twitter) @kimura_ijyuku
【学校情報】
試験時間(英語と併せて)140分、配点100点(英語100点、理科140分で200点)
**2次試験は小論文+面接
数学ではなく国語で受験することもできる大学です。期待値など他の大学ではあまり見かけない単元が出題されたり、学校の定期テストレベルの基本問題が出題されたりと、独特な部分はあるものの、失点すると他の受験生と差がついてしまう問題が多い印象です。
【全体概評】
大問4つ。答えのみ書けばよい形式です。そのため、厳密な論証というよりは答えさえ出せればOKと割り切ってスピーディに進めていくことが大切です。英語との時間配分がカギになるので、英語も解いてみて、数学にどの程度時間がかけられるかを予め決めておくと良いですね。
2023年度の合格最低点は400点中231点ですが、これは1次試験の合格者の最低点になります。2次試験では、年度によって比率は異なりますが、合格者数が半分程度になる事を考慮すると、260点(6割5分)〜280点(7割)を目標にすると良いと思われます。
【大問毎の分析】
大問1:複素数平面
(1)は解けてほしい問題です。(2)(3)については、うまくまとめないと答えが出せないので差がつきそうな問題です。(4)については2次曲線(平面上の曲線)の知識が問われて慌ててしまった受験生も多いかなと思います。また、1のn乗根のイメージが湧かないと難しかった問題かなと思います。思いつかなければ割り切って先に進みましょう。
大問2:小問集合
(1)判別式と不等式
実数解を持つという条件から上手く方針が見えると良いです。文字が多くて混乱すると思いますが、何を求めればよいのかというゴールから逆算していくと正解の方針が見えてくると思います。
(2)指数不等式
基本問題です。底の大小関係に注意しましょう。正解必須です。
(3)ベクトル
できそうでできないと思った人も多いかなと思います。一般的にはベクトルで絶対値を見たら問答無用で2乗するのがセオリーですが、内積を利用する際にベクトルの大きさがわからなくて詰んでしまいます。解き方を知らないと対処できないと思いますので、2010年度東邦大学医学部大問1の(7)や2022年度山梨大学医学部大問1(5)の類題は解いておくと良いと思います。
(4)対数、不等式
真面目に解くと大変です。どんな値でも必ず成立するので、都合の良さそうな数値をいれて大小関係を判断すれば答えは出せてしまいますし、それで十分だと思います。
大問3:微分・積分(回転体)
y=xを軸にして回転させる問題の亜種(傾きが変わったバージョン)です。誘導も丁寧で、学校の問題集に掲載されるレベルの典型問題だと思いますので、完答できた人は多かった問題だと思います。もしわからなかった場合は、一般的な問題集であれば類題が載っていると思いますので、是非復習して欲しい問題です。
(5)は公式を知っている人は(4)までの誘導を無視して解くことができます。どちらを使ってもあまり差は無いので、誘導を踏まえても解いても良いですし、踏まえないで公式で解いても大丈夫かなと思います。
大問4:確率、整数、規則性
(1)は数え上げで十分対応できます。問題文の読み間違いや思い込みに注意です。(1-3)(1-4)のように文字が含まれると混乱する人もいるかもしれませんが、分析の流れは前半の小問と同じです。和の公式をうまく活用して答えまでたどり着いてほしい問題です。
(2)については、だいぶ難しいですね・・・。本番では後回しでも良いと思います。
記述問題ではないので、論証の正確さは無視して大丈夫と割り切りましょう。大体この値になりそうだと感覚的に処理する問題ですので、こういったある意味で”雑な”解き方が苦手な人は一度練習しておくと良いかなと思います。ちなみに、不等式の形は違いますが、群数列の「第何群の何番目か」を求める問題でも同じような「おおよその数値を探していく」練習ができるので苦手な人は取り組んでみると良いかなと思います。
いずれにせよ、不等式を立てるところまでは出来てほしい問題です。手が出なかった場合は、必要な条件をすべて書き出す癖をつけるなど、解き方で改善できるところがないかを省みると良いと思います。