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2店舗を出店に動き出す
僕は美容室でアルバイトをしてから美容学校へ通いましたから、美容師を続けていくのは当然の成り行きだと思っていました。
でも僕が独立したその頃、美容師学校の元同級生たちの中で美容師をしている人はほとんどいませんでした。
卒業と同時に別の道を選んだ人も多くいました。アパレルや他の美容方面(ネイルやメイクなど)以外でも普通に会社員として働く人も。
美容師になった人ももちろんいましたが、結婚や転職で、数年以内に辞めてしまっていたのです。
美容師を目指してわざわざ学校にまで通ったのに、美容師を続けない。
そのことには一人ひとり別々の理由があると思うのですが、続けていける環境がなかった、という理由の人もいるんです。
実際一日中立っていることの多い仕事ですし、労働時間も長い。
体力的に辛い人もいるでしょう。
狭い社会ですから人間関係で揉めるとそれも大変です。
それに何よりお金の問題が大きいと思うんです。
お店によってかなりの差がありますが、入店して10年でも結婚して家族を養うのは難しい、ということもざらです。
技術職である美容師ですから、いわゆる「手に職」で、ずっと続けられるはずのものです。
しかし現実には異常とも思える離職率の高さがありました。
目指す人の甘さもあるのかもしませんが、実際の職場にも問題がありそうです。
やっぱり、皆んなが気持ちよく働けて、ちゃんとした対価をもらえるお店が必要なのだ。
僕のようなやり方なら、もっと続けて行きたくなるような仕事を作れるかもしれない!
美容師の中にもそういう場所を求めている人は多いはずだ!
そんなふうに考えていました。
独立する時は迷いましたが、一旦独立採算の生活に慣れてしまうと、2店舗目の出店には大きな不安はありませんでした。
1店舗目が軌道に乗ったことで、それほど構えなくてもできるな、という実感もありました。実際1店舗目の出店経費はとても安くすみましたから、世間で言うほどの大事(おおごと)ではないなという気持ちです。
二店舗目にどんなかたちを考えていたかというと、最初の店をいくつかくっつけたような作りです。
一店舗目のように、完全に一人だけの美容室を作るというのでは、いきなり誰かに独立しろと迫ることになってしまうので難しい。
だから、カットスペースはそれぞれ区切られ、部屋のような仕様になっていて、それぞれが独立してお客様の担当をすれば良いだろうと考えたのです。
一つの場所に幾つかの個人店が入っている店。
2店舗目を作るためのベストな環境として、いくつか部屋のある一軒家が借りられないかと考えていました。