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尺側側副靭帯損傷を有する野球選手は、健康な対照と比較して回旋筋腱板の筋力が低下している

尺側側副靭帯(UCL)損傷は、野球選手の多くに共通する傷害であり、その主な原因は肘にかかる反復的なストレスだと言われています。肩の腱板(ローテーターカフ)は、投球時の肩の安定性に重要な役割を果たします。

この研究はUCL損傷と肩の腱板の筋力の関係に焦点を当てています。野球選手においてUCL損傷を有する選手が、UCL損傷を有していない健康な選手と比較して腱板の筋力が低下しているかどうかを調査することです。

方法としてはMRI画像による医師の診断を元にUCL損傷を有している高校または大学レベルの野球選手と、健康な選手とグループ分けた後、腱板の筋力を比較しました。筋力測定は肩の内旋および外旋動作が使用されました。

結果、UCL損傷を有している選手は、対照グループと比較して肩の腱板の筋力が大幅に低下していることが確認されて、特に投球の減速段階に重要な外旋筋力の低下が顕著だということが分かりました。

この研究の結果は肩の腱板の弱さがUCL損傷の原因となりうるか、または損傷の結果として筋力が低下した可能性があることを示唆しています。UCL損傷のリハビリプログラムには、特に外旋筋力を改善するための特化したエクササイズを取り入れるべきと著者は述べています。

論文のリンクを貼っておくので、興味のある方はどうぞ。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26346550/

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