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Aria ProⅡ TS-500(改)
またもやジャンクギターを買い、修理しました。1980年製、Aria ProⅡのTS-500。
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TSは79年くらいにデビューしたギター。当時はB.C.リッチやアレンビックのスルーネックのギターが流行っていて、国産もそれを参考にオリジナルシェイプのギターを作っていた感じです。AriaだとTSがB.C.リッチ、RSがアレンビック系。GrecoだとGOシリーズがどっちもやって感じ。
TSは上位モデルはスルーネックだけど、下位モデルはスルーネックに見えるセットネック。TS-500はセットネックで、エントリーモデルのTS-400にブースターを足した感じ。
ちなみにTS-500(定価5万円)の上位モデルTS-600はスルーネック、なんと定価6万円。物価が違うとはいえ、恐ろしい時代です。
ただ、ジャパンビンテージは加工精度が良くて…という話が話題になってますが、5万円クラスだとボチボチな感じです。笑。ズレてるな、って思う部分はチラホラあります。まぁ楽器としては申し分なく使えるので、海外の同じ値段よりはずっと良いのかもしれない。
80〜81年くらいにヘッド形状が6連から3連+3連に変更されます。ヘッド形状だけでなく、ブリッジや回路も変更されているみたい。回路はハムバッカーのコイルタップがシリーズ/パラレルの切り替えに変わって、ほぼB.C.リッチの回路そのものになってるっぽい。
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僕の買ったやつは前期ながら過渡期のもので、ボディ材が後期のものになってます。
カタログによると発売当初はセンターがメイプルでウイングがチェスナット。手元にあるものは、ウイングはたぶんセン(アッシュという説もあるけど)。上位モデルと同じ材に変更されています。あとメイプル部分のウォルナットのラインが、発売当初はない。
それと、ヘッドのモデル名とトリサウンドシリーズのロゴの字体が変更されています。当初はもっとポップな字体だった。
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前から見るとどう見てもスルーネックなのに、実際にはセットネックというのはなんだか情けない感じもするけど、考え様によってはなかなか他には無い構成のギターです。セットネックで、ボディ材がセンターとウイングで異なるギターは多分新品では売ってないと思う。
さて、どの辺がジャンクだったかと言うと。音は出るのだけれども…
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本来は
マスターボリューム
マスタートーン
バリトンスイッチ
ブースターとそのボリュームとスイッチ
コイルタップ
フェイズスイッチ
というコントロールなんだけれども、マスターボリュームとバリトンスイッチだけになっていました。
ツマミがあと3つありますが、ひとつは効かず、あとのふたつはダミーで、なんとボディに接着剤でくっついていました。
ブースターは壊れて外したとか想像できますけど、ノブを接着剤で貼り付けたやつは許すまじ…外す時に塗装がぶっ飛んだよ。
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若気の至りでダミーつけるにしても、元に戻せるようにしてくれ!と思う。
ミニスイッチがあったあたりも接着剤の跡がある。そしてそれを外したのだろう、塗装が剥がれている。
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コントロールは全撤去。生き残っていたバリトンスイッチも廃止。フロントとリアにそれぞれ
ボリューム
トーン
コイルタップ
トーン回路切り離しスイッチ
をつけました。本当はボリュームポットもバイパスしたかったけど、考えていた回路と部品では成り立たないことが作業してからわかり…
急遽トーンの切り離しにやり直したので、時間がかかったし疲れた。電装は想定の倍くらい時間がかかってしまった…
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コンデンサは相変わらずサウンドハウスで買えるSCUDの80円のカスコン。当時の日本のギターにはこれが似合う気がする。
なにかに使おうと買って余っていたSONICのフルアップトーンポットはリアに使って、あとのポットは全部ALPHA。ジャックもSCUD、配線は在庫があったベルデン。
ミニスイッチとピックアップセレクターはサウンドハウスよりギャレットオーディオが安かったのでそっちで買いました。
トーン回路切り離せるのにフルアップトーンポットは宝の持ち腐れ…だけどトーン無しから瞬時にトーン全切りに切り替えたりできるのだ!そういうことだ。
もう1つ、ジャンクな理由がありまして。
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オリジナルのブリッジが壊れたのか部品をなくしたのか、交換されていました。オリジナルは分厚いプレートが埋まってて、特殊な形状のサドルが付いているので、替えがきかない。仕方なく埋木をして一般的なブリッジに替えようとしたみたい。
その埋木は丁寧に作られてはいたけどザグリより薄くて面があっていないので、そのせいでブリッジが少し斜めになっていました。
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気に入らないので埋木を作り直すことに。幸いに接着はされてなかったです。
ホームセンターで近い厚みの檜を買い、工具を揃えたら結構お金がかかってしまいました。
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元の埋木よりマシだけど、素人なので平面が出ず。ノコギリとヤスリの限界ですね。サンダーとジグソー欲しい。
将来的にやり替えることもあるかと思い、今回も接着はせず、ネジ止めにしました。
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その上に余っていたウィルキンソンのブリッジプレートを取り付け。
サドルは安くて気に入るのが見つからなかったので、思い切ってグラフテックのTASQにしました。初のグラフテック。ストリングセイバーは在庫切れだったので、TASQにしました。弦アースが取れるか不安だったけど、いけました。
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ピックアップのキャビティにはアルミシールが貼られていました。丁寧に貼ってあったけど、重なってる部分で導通してなかったし、アースもとってなかったので、このあとできるだけ剥がしました。貼り方が丁寧すぎてフロント側のネックのジョイント部分は工具もいい角度で入らず、少し残ってしまった。
ちなみにピックアップはたぶんオリジナルで、フロントが2芯とシールド、リアが3芯とシールドでした。どうやらフェイズスイッチのためにリアだけ1芯増やしたみたい。
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あとはストラップピンを交換。パックプレートとジャックのネジが大幅に足りないし錆びていたけど、SF500を改造した時の余りを使いました。持つべきものは在庫部品です。
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さてさて長くなりましたが。
音はかなり気に入っています。当時の日本のギターらしく、明るくて太い音。同時期のヤマハと比べると、癖も少なくて素直な印象。
穴がいっぱいあるのでつけたミニスイッチも楽しい。コイルタップくらいしか使わない気もするけど。笑。
オリジナルのピックアップはハイパワーだけどハイが出て、だけどキンキンしてる訳では無いです。スーパーディストーションを参考にしてそうなルックスだけど、スーパーディストーション使ったことないから比較はできません。
24フレットでテクニカル系な感じだけど、古いからかネックは太く、弾きやすーい!みたいな感じでは無いです。けどそれが音の良さ(僕の好み)には貢献してると思います。
ヘッドが遠いなぁ…と思ったらロングスケール。
グラフテックのTASQは良い感じだけど、オリジナルとの比較はできないので、音の違いは分からないです。笑。買った時に付いてたブリッジはほとんど弾いてないから音を覚えてないし…
純正の分厚いブリッジプレートから重量が減ってるので、サステインの面では不利になってるかも。
このギターはネットで買ったんですけど、どうやらヤフオク等々でかなりのユーザーの間を渡り歩いてきたみたい。
(ブリッジに特徴的な改造をされてるのでわかる)
色んな人が手に入れては「あちゃ〜」と思って手放したり、余計なことをしてきたようです。
自画自賛だけど、新品時以来の良い状態にできたんじゃないかな…
手間と、必要な工具や部品の費用を考えると、まともな状態のやつが買えたのでは…と思うこともあるけど、ゴミ同然の扱いを受けていたギターを復活させるのは素直に楽しいし、嬉しい。
まだまだ行けるぞお前!と思う。
幸いに、ネックの状態は良かったです。ジャンクギターはトラスロッドが締め切られてたり、逆反りしまくってることも多いので、この点は嬉しかった…
BONE AND SKINではフェンダーとかギブソンのギターを使うつもりだけど、getageではこのTS-500か、YAMAHAのSF3000、SF500を使うつもり。
ここ数ヶ月で80年前後の日本のギターが3本も増えたけど、手頃なのがあればまだ欲しいなー。
GrecoのGOとYAMAHAのSGは欲しい。
あとはYAMAHAのSF1000かSF7000、5000あたりと、Aria ProⅡのTSの後期、RSとか。PEとCSも捨て難い!
78年のムスタングを手に入れて、一定王道のギターには満足した感じです。日本の古いオリジナルモデルが今アツいのだ。アジがある。
しかしAria ProⅡのプロツーってなんやろね。由来を知っても、なんでプロな上にツーにしたんだと思う。それもアジだけど。笑。嫌いじゃないですよ。
ギターの置き場所には本当に困り始めています。