着物セラピー誕生話①
2018年3月、起業家プレゼンで「着物セラピー」を発表した
「健やかに育った我が子の晴れ姿を見たいと願う親の想いは一緒です」というプレゼンは結構な反響を呼んだ。審査員長の方からは、「いずれは全国へ」というお言葉をいただき、そんなことを考えてもいなかった私はびっくりしたが、自分の中で大きく音を立てて舵を切った、そんな感覚もあった。そんな「着物セラピー」誕生の話を書いていきたいと思う。
きっかけは成人式の前撮り撮影現場にて
成人式の前撮り撮影ってどんな感じで行われているかご存知だろうか?
もちろんすべてがすべてそうだというわけではないけれども、大手の振袖レンタルの場合、大体がスタジオでたくさんのポーズ写真を撮り、そこからお写真を選ぶというスタイルが主流だ。
Aスタ⇨Bスタ⇨Cスタと移動し、正統派な写真からポップなインスタ映えするような写真までいろいろなポーズの写真を撮られる。
本人はよくわからないまま、言われるがままにポーズを撮ってカメラを見る。
私は着付けでその現場に入っていたわけではなく、【振り付け】というカメラマン助手の仕事で入っていた。
ホテルで朝から晩まで大量の新成人の方たちの撮影は、まるでベルトコンベアーに乗せられたように次から次へと流れ作業のように進められる。
お母さんはたくさんの荷物を持ってそのあとを付いて回る。
そんな中、カメラマンの要望にうまく応えることができないお嬢様も数名いた。「目を大きく」と言われて、首まで突き出してしまう子、お気に入りのぬいぐるみを持ってずっと揺れている子。
そんな彼女たちを見ていて、『このような流れ作業の撮影じゃなく、この子らしい姿を写真におさめられたらいいのに』と思った。
振袖は諦めているの
同じ頃、知的障がいをお持ちのお子さんを持つお母様が、振袖は諦めていると言っているのを聞いた。
諦めてしまうなんてもったいない、私がお力になれるかもしれない!そう思った。
鬱病だったお父様に起こった奇跡
また同じ頃、ご家族で着物写真を撮られた方のお支度をしていると、鬱病だったお父様が着物を着ていくうちに、どんどんと饒舌になられて、写真撮影のときはとても楽しそうな姿を見せてくれた。最終的には、お嬢様をお姫様抱っこしたいと自ら言われ、満面の笑みで抱っこする素敵なお写真が撮れた。
「着物セラピー」誕生
その様子を見ていて、着物の力ってすごい!というのは今までも思っていたけれども、セラピー効果があるなあと思ったことから、「着物セラピー」という言葉を思いついた。
プライベート出張着付け・ヘアメイクお支度撮影
そこで生まれたのが、
何らかの障害があり、大勢の場に出ていけない方のための、「完全プライベート出張着付け・ヘアメイクお支度撮影」だった。
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