【試行錯誤の記録】小物×接着芯
今の私なりに過去の経験や調べ尽くして得た知識で「最善!最良!」と思って作ったものが、その時は確かに輝いていたのに、未来の私が見ると改善点が目に付く。。。
のっけから小難しく書いちゃったけど、つまり
前に作ったものって後から見ると「こうすればよかった」って思うよねー
って話、ありませんか。
きっとどんな仕事でも共通する話かと思うのです。
私はそれを、特に「接着芯」という資材に関して感じるので、ちょっと書こうと思います。
着物からポーチなどの小物を作るとき
生地の裏に「接着芯」という素材を貼ります。
厚みや張りを出したり、補強のためなのですが、
これが。。。難しい。
まず大量に種類があって、どれが適しているのか分からない。(これが最大の問題)
多分、100や200では済まないんじゃないでしょうか。種類の数。
メーカーもそうだし、種類が様々すぎる。
で
そんな中から、これかなーと思って貼っても
思ったような質感にならない、縫いにくい、シワになるなど
「むむむ…」となることがとにかく多いんです。
最近も、着物に合わせて色んな貼り方をしたのでいくつかご紹介。。。
①紬→数珠入れ
素材→紬(硬め。オックス生地くらい)
+
希望→ピンと張った硬めにしたい。
蓋にボタンを付けないので蓋が浮かない程度のしなやかさは欲しい。
↓
織物接着芯を貼ってから、不織布接着芯(厚め)
全体に貼った織物接着芯(薄)はこちら↓
不織布接着芯(厚め)
これも使ったりします
②紬→コインケース(財布)
素材→紬(同じ「紬」でもさっきのより柔らかい)
+
希望→お財布っぽく硬めに仕上げたい。
↓
織物接着芯+ワッペンスライサー
先述のものより1つ厚いもの↓
③襦袢→マット
素材→薄い。ふにゃふにゃ。柔らかい。
+
希望→厚みがほしい(でも少しだけ)折り畳めるくらいのにはしなやかさがほしい
↓
織物タイプの接着芯を重ねる
これ↓を3枚に貼りました。
結果的には一段階厚いものを貼れば良かったのだけど、厚みとしなやかさを確認しながら…だったので、1番薄いこちらを貼ってイメージに近づける作業になりました。
④ウール→眼鏡ケース
素材→ウール(程よい厚み)
+
希望→中の眼鏡を守る厚み
↓
織物タイプの接着芯+キルト接着芯
こんな風に
ひと口に「着物リメイク小物」といっても、100個作れば100通りの接着芯の使い方があるんです。
で、次に似たようなものを作る時に
「あれを使えばよかった」
とか
「あれは使わなくてもよかった」
とか思ったりします。
作った時は
「よし!うまく行った!上出来👏」
って思ってたのに。
そう思えるってことは
どれも正解だし
(お客様目線では)違いなんて無い
ものなのかもしれません。
そして、答えのない、終わりのない課題だな
…と書いてて思いました。
いつもオーダーでたくさん作らせてもらっていると、最近はどの芯を貼るかを「素材」×「希望の硬さ」で決められる『感覚値』がついてきたなーと感じるようになってきた(やったー)ものの、あくまで感覚値。
もう少しどうにかデータ化して
雲を晴らしたいなと思っています。