帯揚げ、腰紐、汗汚れの気になる小物を洗濯しよう
と、思い立った盆休み
ピーカン照りの1日を利用して着物周りのお洗濯をしました
なぜそんな気になったのか?
木綿や麻きものは汚れたり、型が崩れてきたら洗うのですが
腰紐や帯揚げって、ついつい忘れちゃうというか
それこそ毎日使っているので洗うタイミングが見つからなかったのです
でも汗はよくかいているので確実に汚いよね…
と、はたと気づいてしまった私
この盆は着物をお休みして
家でのんびりまったりしようと思っていたので思い切って水洗いしてみました
絹もウールも綿も麻も 洗われるものたち
洗うのは夏場によく使っている部分絞りの水色の帯揚げ、平織綸子の水色帯揚げ、紋紗のピンクの帯揚げ
上から自作補正伊達締め、夏用の博多織伊達締め(絹)、楊柳腰紐(絹)
とトスコ麻襦袢(藍染めしたもの)綿麻浴衣白いのと黒いの
シルクを家で洗う前に
さて、絹 水洗い
というと、シルクって家で洗えるの?とよく聞かれます
答えは
注意すれば普通に洗えます
同じような質問で
「絹の着物は家で洗えますか?」
という質問もたまに聞かれるのですが
こちらの場合、お店では
「絹の着物は家で洗えません」とお伝えしています
というのも
絹の着物は洗えますか?と人が聞く時
その人が思い描いている水洗いしたい着物の詳細は
袷の大島紬や結城紬
ニオイの消えない【多分絹と思われる】リサイクル着物やおさがり着物
汚れていて【ゴシゴシ】水洗いしたい着物
帯周りに汗を含んだ変わり織りの単衣や薄物(絹)
である可能性が高いから(当社比)
袷の着物なら表地と裏地の狂い
単衣にも縮みや縫い糸のツレ
絹物全般の水シミの心配
古い着物の色落ち、色移り
汚れを擦って布地の傷むこと
汗汚れには洗い残しからのカビやシミのリスク
思い描いている絹織物の強度の問題
もともとシルクは水洗いに向かないもの
と、
わかっていても、使っているうちに洗いたくのもよくわかる
が、
自宅での洗濯スキルも人による
洗濯機にポンでいけると思っている若人(かつての私)もいれば
夏の帽子やシルクのスカーフも家で手入れします
というホームクリーニングの猛者もいる
前者であった場合は
ハードルが高すぎる…と思ってしまうんです
(なので、絹物の自宅で水洗いは基本的にどこのサイトを巡っても【自己責任で】という冠がついていると思います)
どうしても絹の着物が洗ってみたい人は
まずは半衿や帯揚げなどの小物から試してみるとよいように思います
特に帯揚げなら汗汚れ程度ですし、見える量も少なく、縮んでも使うのに問題はないので
最初に絹物水洗いするならチャレンジしやすいアイテムかも
絹を水で洗うと風合いはどう変わるのか?
どこに注意しないといけないのか?
そこを知ってから洗うことにしても遅くはないですよ〜
では水洗いしてみましょう!
さて、前置きが長くなりましたが早速洗ってみました
いつもは、洗える着物はエマールで洗ってますがそういえばこれもいけるのでは?と
今日はこちら
ウタマロリキッドを使ってみます
まずは裏面を確認
ドライ表示の絹やキュプラは使えないとありますが、そこまでクオリティ求めてないので無視しました(なので真似する人は自己責任でね)
手洗いの分量を目安に
目分量で、たらいに洗剤を2,3滴ぐらい
初めは帯揚げから
水に濡れた帯揚げは紙のような強度しかないのでシワを伸ばしながら手早く押し洗い
伊達締めも汗汚れがひどかったので洗っちゃいましょう
絹の楊柳、汗でヨレヨレだったモスリン、綿麻のチェックの腰紐も
けっこう汚れてたましたね
洗剤を入れて押し洗いの後は
すすぎ2回で
脱水はせずそのままベランダのハンガーへ
本当は陰干ししたかったのだけど、場所がなかったので妥協
ただ夏の日差しに長時間あてるとやけるので、乾いたらすぐ取り込むように
乾いたら最後の仕上げを
さすがは夏、1時間もせずに乾きました
最後は仕上げのアイロンです
楊柳腰紐と補正伊達締めはノーアイロンでOKなのでそのまま
まずは熱に強いモスリン、綿麻からかけました。こちらは何も気にせず
がしがしとアイロンがかけられます
博多織伊達締めも同じ流れで直ドライで(もうだいぶくたびれてるので気にせずアイロンしてます)
ふわっと仕上げたい帯揚げは
裏からスチームアイロンで軽くシワ伸ばし(自分の納得できる範囲でのホームクリーニングなので手軽にやってます)
水洗いの結果はいかに!?
個人的な感想ですが
絹は水洗いして乾かすとはじめは少し硬くなります
触感はリンスし忘れた時のキシキシした髪みたいな感じ
最初は違和感があるけれどアイロンして数日たつとふわっといい感じの触感になり気持ちよく使える気がします。まあ使うのにさして問題はないものたちばかりなので、とここは自己満足しております
何より、汗と自分の熱でシワッシワになっていた帯揚げのシワが取れたのが一番嬉しい
特に紋紗の帯揚げと博多織の伊達締めはふっくら仕上がって
私、なかなかアイロンがけが上手いのでは!?
と悦になりました(笑)
後から気が付いたんですが
洗いたてのギシギシした感じ、もしかしたらリンスか柔軟剤を使ったら良かったのでは?
…これはこれでまた違う触感になりそうです
今回はこのまま使っちゃうけれど
次に水洗いする時には試してみましょうかね
以上
小物を水洗いしてみるリポートでした
ここまでお付き合いいただきありがとうございました