【元祖ママ振袖】誕生秘話

巷では、成人式のお祝いに「自動車か振袖か」を親御さんがプレゼントされるほど高価な振袖が普通に選択できる時代でもありました。

振袖の仕立て加工等を担っていた私共からみると、そこは異次元の世界でもありました。あまりにも高額な振袖にスポットライトが当たりすぎているのではないかと、疑問に思ったものです。

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着物は振袖に限らず三代にわたり、洗い張り、仕立て替え等でリユースできる構造になっています。「きっとタンスの中で眠ったままになっている振袖があるはず!これを活用しない手はない」との思いがふつふつとわいてきました。まだ「ママ振袖」なるネーミングも誕生していませんでした。

「振袖リフォーム専門工房」の専用ホームページ新規制作、チラシや新聞広告をかけてプロモーションしましたが、市場の反応は冷ややかなものでした。仕事を終えて家内と二人でチラシをポスチングしましたが、成果は犬に追いかけ廻されたくらいでした。

それでも、良家のお嬢様方からはポツポツと仕立て替えのご依頼を受けていましたので、いつか日の目をみる時期が来るとの確信はありましたが、経済学のセオリー通り「ママ振袖」が認知されるまでには十数年の歳月がかかったように思われます。

成人式も来年は開催されるかは、コロナ過の影響で予想がつきませんが、大切に育てられたお嬢様が大人への仲間入りされるケジメの儀式として、晴れ着をきて神社等にお参りされる風習は残るものと思われます。

20年に一度の晴れ姿を「ママ振袖」で装うことができることは至上の喜びとなるでしょう。

私共はその黒子として、お役に立てるよう尽力させていただきます。

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