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2代目呉服店主・親父からの一言!

「お前、気は確かか?」
かつて、父親から言われた、衝撃の一言です。


僕は、今から約35年前、実家の呉服屋を継ぎました。大正5年創業、僕で3代目です。
親の代までは、黙っていても着物が売れる時代でした。
継ぐと決めた当時、すでに着物離れが始まっていて、未来は決して明るくなく…。
着物屋がスーツで接客することにも、疑問を感じていました。

28年前、起爆剤として「きもの宣言」なるものをしました。『今後一生、着物しか着ない!!』という魂の誓いみたいなもので、そのしるしに、手持ちの洋服を1枚残らず全部捨てました。


…で、冒頭の一言、「お前、気は確かか」。
てっきり、父は応援してくれると思っていたのに…。
心配からくる言葉だったようですが、当時は「頼むから、応援してくれよ!」の一心でした。


意気揚々としていたのは、たったの数日間。その後は、トホホ…の連続でした。
家族も、「なんでそこまでするの?」とあきれ顔、もちろん知らない人からすれば、“何だあの人は!?” 扱い。
「新郎」や「住職」、「旅役者」にまで間違われる始末。「いつまで正月ボケしてるの?」と陰口さえ叩かれる。(ばっちり、僕の耳には届いてましたけど。)
きっと、それだけ着物が日常から遠のいているということでしょうね。

「Tシャツとジーンズくらい残しておけば良かった。。」と後悔しても、時すでに遅し。

着物姿はめちゃめちゃ目立ちます。自分が決めたことだから、誰も責められない。だからストレスはたまる一方…。
唯一、裸になれる温泉が安息地でした。

リーマンショックで世の中がどよめいた頃、中東ドバイに飛んでビシネスを仕掛けたこともありますが、多額の借金だけが残りました。
商業出版した著書も、段ボールに山積み状態。
そして、熊本地震が地元を襲い。。。

実は、人生終わらせようとしたこともありました。だけど、人間、簡単には死ねないものですね。なんだかんだ言いながらも、今日まで続けて来られています。
そうこうしているうちに、コロナです。またまた、神様の試験。廃業や倒産のニュースも聞こえてきますが、コケ続けの人生、こんなことで凹む僕ではありません!

だって、着物文化を守りたいのです!

文化を残すためにどうしたらいいか、考えて、考えて、出した答えがコレです。noteを書こうっと。
僕の愉快な着物人生は、これから続いていきます。

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