「『加納の大島の集い』は、ハードル高すぎ!」と言われたけど、やってよかったの話
過日2月26日土曜日、和の國にて「加納の大島紬の集い」を開催しました。
前回の出来事に、背中を押されたからです。
昨年の「還暦パーティ」がきっかけ。
和の國では、昨年11月に小生の還暦パーティを数回に分けて開催しました。
「やはり着物で集うって良いね!」「久しぶりに楽しかったです!」とご参加の皆さまからの温かなお言葉と笑顔に、こちらもほっこりです。数年ぶりの会にジーンときました。
改めて、皆さま本当に楽しそうになさっていて、「着物で集う会は素晴らしいな〜。」と思った次第でした。
仕事冥利は、「着物姿を間近で見れること。」
お客様同士の会話も、後押しになりました。
和美さん:「加納の大島紬(本場奄美泥大島・一元)を買いましたよ!」。
宏美さん:「えーー素敵、それ見てみたい!」と。
それから、和の國では「大島紬展」を予定しています。その前哨戦?ではないのですが、その前に大島紬の装いだけで集うのも面白いかなと思いました。そして、「大島紬展に、大島紬を着て和の國にお越しいただける。」と思うだけで、とても嬉しくなります。
大島紬の着物姿を身近で見れるので、ボクたちもとっても幸せです。
このことは、本当に仕事冥利に尽きます。
ドレスコードは、加納の大島紬(本泥・一元)!
話を戻し、京都の仕入先に、「そのような大島紬・ひともとのランチ会って今までにありましたか?」とお尋ねしてみました。
「昔、結城紬の装いでという会は少しあったけど、そんなんやるとこ、今どこもあらしませんわ!」とのこと。
「誰もやっていない!?」 おーー。心の中で、ガッツポーズ。アドレナリン出まくりで、余計にやりたくなりました。
「加納の大島の集い」となったワケです。
人間国宝も唸った「加納の大島紬」
大島紬といえば、仕事(工程)も産地も様々。ゆえに、いちばんと言って良いほど「くくり」を高くしました。ドレスコードは、「加納の大島・本場奄美泥大島紬/一元(ひともと)」です。
余談ですが、「ひともと」といえば、大島紬の織りの技術の最高峰で、縦糸、横糸を2本ずつ使って絣を合わせていく技法です。今、この織りができるのは、日本国内で5人もいらっしゃらないというほど、卓越した技術なのです。
また、志村ふくみさんなどの重要無形文化財保持者の染織家が、加納さんとお取引なさることになったのは、「加納の大島紬をご覧いただいて、ご納得なさったから」。人間国宝の方々が唸ってらっしゃる様子が想像できます。
この大島紬一つの商品で、ブランド化できるって、本当に凄いことだと思いました。
大島紬の着姿を愛でながら、会話を楽しむ
本来は、以前にご購入なさった方や、和の國でご購入でなくても、一元の泥大島紬であれば参加OKというランチ会の予定でした。
しかし、まん防中でしたので、和の國で開催としました。
午前11時はじまり。お天気にも恵まれました。
お客様は、4名様中3名様が、今回「初おろし」です。
季節の和菓子に、お抹茶タイムもありました。
お互いの大島紬の着姿を愛でながら、会話を楽しみました。
手土産は熊本の「時蔵巻き」、「銀座の久兵衛巻き」に似ています。
ご参加くださった、4名様のお声(順不同)
何から何までお世話になって、ありがとうございます。それぞれ皆さん、素敵な大島紬で、それぞれのコーディネートも勉強になりました。みんな同じ着物というのも良いですね。もっと自分磨きして、大島紬の似合う素敵な女性になりたいと思いました。来月も楽しみにしています。(ひろみ様より)
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昨日は愉しい集いをありがとうございました。目的なく誂えた(笑)おろしてたての着物は袖をとおすのが勿体なくて、着る機会を失いがちですが、このようなイベントがあれば他の人のコーディネートや着こなしを参考にしたり、何より同じ価値観での会話を楽しめるのでとても良かったです。とても軽くて、着やすいので、『大島紬を着て旅行』の気持ちもわかりました。次の企画も楽しみにしております。海苔巻きありがとうございました。美味しく頂きました😌 写真も綺麗に撮って頂いてありがとうございます❤ (かずみ様より)
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大島紬という同じ着物を着てるということで、共通の話題があってよかったです。会としては、非常に面白かったです。コロナとか落ち着いたら、規模を大きくしても良いのではと思います。いつか、大島紬の変遷(色・柄)も見たいです。
特に女性の着物(帯揚げ・帯締め)で、季節感が出ることが勉強になりました。だから今日は、グリーンの色の角帯を締めて来ています。(店内笑いの渦) ちほ(奥さん)に話をしたら、「『可愛いね!私も可愛いでしょう?』と言うような“お嬢さんの女子校”のイメージ。『あなたの着物良いね!私の着物も良いでしょう。』と言うような、とても楽しい会だったのでしょう。」とのことでした。(たくじ様より/翌日再来店時/口頭にて聞き取り)
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皆さん着物が大好きと云うのが良くわかりました。たくじさんの大島の知識をたくさん聞けるのが楽しみですね。それぞれの着物の楽しみ方と、これからのコーディネートなども観たいですね🌟 帯のシェアは楽しめそうで良いのかなと思いました。もっともっと着物についての知識を増やしていきたいと 改めて思いました。コロナ禍で大変ですが、月に1度でも良いので、皆さんと会える機会が有ったら楽しみですね✨お土産の巻き鮨、美味しく頂きました。ご馳走さまです。次回も楽しみに待っています。いよいよミモザの帯が締められると思うと、なんだか顔がにやけそうです(笑) (まさこ様より)
ゆり女将の「大島紬を着た感想は?」
ゆり女将は、大島紬に袖を通し、こう言いました。
「この会があったからこそ、念願の大島紬に私も袖を通すことができました。軽くて、しっとり感が何ともいえません。嬉しくなります。」
「『黒色』のイメージは男性的なキリッとする印象を持つのかなと思っていたのですが、すごくしっとりしているので、着ていてとても心地良く、柔らかな優しい着心地です。私の身体に寄り添ってくれるような感覚です。」
「また、帯合わせは何でも乗せれる喜びがあります。だからこそ、何を合わせようかと頭をひねります。嬉しい悩みです。」「触れていて幸せ感がいっぱいです。」・・・と。
「大島紬の黒は人を美しく見せる」by緒方麻由子
大島の黒って、人を美しく見せる色なんだなと思いました。黒が「黒」じゃなくて、優しくて深みがあって…。さまざまな工程を経て、成分同士反応を起こしてこの色が上がってくると思うと、着物も化学だな!と感じます。
今回の皆さまの着物姿から、改めて「反物の状態」と「仕立て上がって着物としてまとった時」の印象の違いに感心しました。柄一つ一つがイキイキしていたようで、素敵なものがより素敵になるって、当たり前のようですが、本当にすばらしいことだと思います。また、特に加納さんの大島は無地場が多いので、帯合わせで自分らしさが表現しやすいといいますか、それぞれの方らしくて見ていて楽しかったです。
私個人的に、日頃身近に加納さんの大島を拝見していて、素敵だわと憧れる気持ちが年々増しているのですが、もう少し着物経験を重ねると似合うようになるのかしら・・と思っています(笑)
「シャリシャリの大島紬も好きに!」@923
「カミさんが大島紬を着たら、顔がきつくなるかな?」と勝手に思っていました。意外や意外、着こなしていました。
ボクの勝手な思い込み。プチ反省です!
ボク自身は「天の川」という銘の大島紬を着ていました。
正直、紬の着心地が大好きな「結城紬派」なのですが、「シャリシャリ感の大島紬もだんだん好きになってきている」というのが素直な感想です。
「今さら」とのお声もありそうですが、上質なものを好きになるって、進化しつづけていることだと思います!
知らないことを知っていく喜びこそが、極上の喜びだと思います!
『加納の大島の集い』は、ハードル高すぎ!」と言われたけど、やってよかったと心から思います。
また、着物で贅沢な時間を共有できればありがたいです。