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娘の告白

4歳の女の子の気持ちはどんな風に変化しているのだろう。

昨夜、妻と娘ちゃんがお風呂に入っていました。

私はダイニングに居りましたが、浴室へと続くドアを開けていて、妻と娘のキャッキャと遊んでいる声が聞こえていました。

娘ちゃんはいつも、浴室から上がると

「お父さ~ん、おふろでたよ~」

と、大きな声で知らせてくれます。

昨日も娘ちゃんの元気な声が聞こえたので、脱衣場までタオルを持っていきました。そして、

「あたたまった?」「さっぱりした?」

など、いつものように話しながら娘ちゃんを拭いていました。

すると娘ちゃんが、とても真剣なまなざしで、私の目をまっすぐみて、

「ちょっとまえ、猫ちゃんのぺろぺろするご飯のところ【猫用の飲み水のことです】に猫ちゃんの毛が入ったやつぐるぐるしてごめんなさい」

と、話してくれました。

実はその日、妻と娘ちゃんが風呂に入る前、猫と遊んでいるときの事です。おもちゃの、小さな箒のようなもので、娘ちゃんは猫をなでていました。そして、猫の毛が沢山付いたその箒を、猫用の飲み水の上に持っていき、

「ここにぐるぐるしてみたい」

と聞いてきたのです。そこで娘ちゃんに

「猫ちゃんは、自分の飲み水に、自分の毛を入れられてどんな気持ちになると思う?

「・・・・」

「娘ちゃんは、自分が飲もうとしてる水に、髪の毛を入れられたらどんなきもちになる?」

「娘ちゃんはいやだ!」

「猫ちゃんもきっと、自分の飲み水を汚されるのは嫌だと思うよ?」

「でもやってみたいぃ!」

と言って、ばちゃばちゃと箒を飲み水につけてしまいました。

その時に、

「娘ちゃん、もし、自分が同じことをされたら嫌だな、悲しいな、と思う事をほかの人や生き物にするのは、とても良くない事なんだ」

と伝えていました。

そんなことがあっての、娘ちゃんの風呂上がりの言葉に、びっくりするのと、うれしい気持ちが沸き上がりました。

きっと娘ちゃんは、

[やってはいけない事]と分かっているけれど、自分の、

[やってみたい]という気持ちのほうが勝り、その後、

(やってはいけないなことをした)と風呂の中で娘ちゃんなりに考えていたのだと私は思っていました。

そして、突然の脱衣場での娘ちゃんの告白です。

とてもうれしくて私は風呂場の妻に脱衣場から、

「今、娘ちゃんが、猫の水に毛を入れた事を、娘ちゃんの言葉で『ごめんなさい』とつたえてくれたよ」

と言いました。すると妻が、

「お風呂の中で、娘ちゃんが『昨日、お風呂に入っているときに、髪の毛洗わないって嫌がってごめんなさい』って伝えてくれたよ、と教えてくれました!!。

娘ちゃんは髪の毛を洗う時に、顔にお湯がかかるのが嫌で、シャンプーが苦手です。ですが、

私も妻も

「シャンプーしよ」

と誘いますが、娘ちゃんが嫌がっても、

「シャンプーをしないのはいけない事だ」

と伝えたことはありません。私や妻が髪の毛を洗っているのを見て、

(自分だけ髪の毛洗っていないなぁ)

と感じていたのかもしれません。

こんな風に自分の気持ちを素直に伝えてくれたことがうれしくて、私はぎゅっと娘ちゃんを抱きしめながら、

「お父さんとお母さんは、今みたいに、娘ちゃんが、その時の気持ちを伝えてくれることがとても嬉しいよ」

と言いました。すると娘ちゃんは

「そっか、じゃ、お父さんむすめちゃんとけっこんしよっか」

と。。

「う!?」

そんなやり取りがありながら、娘ちゃんを拭き、パンツとランニングを着せ【パジャマは寝る寸前まで着ようとしません】

リビングに行くと、風呂から上がっていた妻と私に向かって、娘ちゃんが

「今日の朝、保育園に行くの嫌だって言って、用意しなくてごめんなさい」

と、本日3回目の告白。

何があったんだ娘ちゃん!?

私が考えている以上に、娘ちゃんは、保育園の先生やお友達、そして私たち両親と過ごす中で、4年という年月、日々色々なことを感じ、経験し、自分の中で

(こんな気持ちだったよ)

と自分の言葉で伝えてくれるようになった娘ちゃん。

そして、ごめんなさいと、自分の言葉で伝えてくれた娘ちゃん。

素直に育ってくれてありがとう。お父さんもお母さんも今、とても嬉しく、楽しく思っています。

これからも、色々な気持ちを、お父さんとお母さんに話してね。

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