ゲスト(見学者)参加の意義 ~ゲストに育てられる~
脳は浮気性
脳って浮気性で、新しいものが目の前に現れるとエサに飛びつく金魚みたいにパクッと食いつきたくなる衝動に駆られるそうな。新しいもの=新しい状況で、そういった状況下(ほどよいストレスがある状態)での活動が脳にとって最も学びのある状況らしい。
でも当たり前だけど、ずっとストレスがかかった状態にいると脳みそは疲れ知らずでずっと動くのだけど、その他の部分(ココロと言っていいのか精神と言っていいのかわからない)が疲弊して、やれ交感神経・副交感神経あたりから・・・色々なところに影響が出るそうな。
コンフォートゾーンと非コンフォートゾーンをうまく整理するところにつながる話なんだよね。
ゲストが非コンフォートゾーンへ誘う
この記事では、トーストマスターズクラブの例会(ミーティング)に訪れるゲスト(見学者)の存在が、その場にいるクラブメンバーをコンフォートゾーンから非コンフォートゾーンへ引っ張りだしてくれる=クラブメンバーを成長させてくれるという話をしようと思う。
見学から入会までを思い出して欲しい
まずは思い出して欲しい。「トーストマスターズクラブに入ろうと思った時」を。
「人前で話す時に緊張してしまう自分を変えたい」「会社の会議での発言に論理性をもたせたい」等々、きっかけは様々だと思う。
既に友人・知り合いが入会しており、その友人・知り合いが在籍するトーストマスターズクラブのミーティングに参加する時、まぁこういった参加も(特に緊張しぃの方にとっては)当てはまるのだろうけど、ここではインターネットで検索をかけて、知ってる人が全くいないトーストマスターズクラブの例会へ、はじめてお邪魔するという設定で話を進ませて欲しい。
まずホームページなりソーシャルメディアなりを通じて連絡をする。「一度、見学をさせて欲しいのだけど」という挨拶。ここでクラブ側は「いかにホームページやソーシャルメディアに来た連絡を放置しておくことが罪深いか?」を痛感するハズ。この問い合わせ自体、ドキドキして送ってるハズなのだ。ドキドキして送ったものに対して、なんの連絡もないとそのココロの針が振り切れた分に相当する失望が待っている。「勇気を振り絞って連絡したのに・・・返事ぐらい欲しいなぁ」なのだ。罪深いよ、これ。
コンタクトをとったトーストマスターズクラブのメンバーから返信がきた。返信がきたことに対しても、違ったドキドキがあるハズ。なにせトーストマスター達は、テンションが高い。「お問い合わせ、ありがとうございまーーーーーーーすーーーーーー!」と、オリエンタルラジオの藤森さんの「きみきゃわいいね!」ぐらいの熱量でもって返信を送ってるハズ。
予定を合わせ、いざ例会の会場へ。会場がわかりにくかったり、お部屋までたどり着くのに手間取ってしまうと、やたら心拍数があがる。なにせ「どんな人達(メンバー)が待っているかわからない=非コンフォートゾーンな」場所に飛び込むんだ。トーストマスター達は、時折、自分達が全くの第三者からどういった風に見られているかを振り返った方がよい。「トーストマスターズ 宗教」「トーストマスターズ あやしい」なんて Google の検索が出る。そんなところに勇気を振り絞って飛び込んでくれるゲスト、大事にしないといけない。
無事に会場の扉の前までたどり着いた。扉が開いていたら、メンバーが気づいてくれるかも。扉が閉まっていたら自らノックして開ける(当たり前)。このノックがさ、またドキドキなのよ。
そして、「ようこそ〇〇トーストマスターズクラブへ!」という、これまたオリエンタルラジオの藤森さんのようなテンションで迎えられる(ハズ)。
脳が慣れる→コンフォートゾーン化する
・・・記事の趣旨から外れてきた。
とにかく今でこそ平気で人前でスピーチをする、そこのあなた!あなたもきっと、はじめてトーストマスターズクラブの扉を叩いた時は、(全員でないにせよ)ドキドキだったハズ。
はじめてのスピーチ、はじめての他クラブの訪問・・・沢山の「はじめて」をこなして、今に至る。
脳が慣れてしまうのだ。そして脳が慣れることで、所属するトーストマスターズクラブの例会が、非コンフォートゾーンからコンフォートゾーンに変化する。
平気で人前でスピーチをできるようになった頃、所属クラブの例会がコンフォートゾーンになった頃・・・あなたのスピーチは荒れてきてはいないか?準備が雑になってきてはいないか?なんて聞きたくなっちゃう(自戒)。
多少適当なことを言っても、まぁいつものメンバーは笑って受け入れてくれる。準備できてないことを逆にネタにして笑いに変える。
それはそれで、ある意味重要なスキルなのだけど、冒頭で述べた「脳が最も頑張る時」であるちょびっとストレスがかかった状態、非コンフォートゾーンでのパフォーマンス機会が失われたことは、実は大きな意味がある。
ゲストがまとう空気が「非」コンフォートゾーンに
さぁ、そこでゲストが来る訳だ。
対面で(リアルに人前で)スピーチをする時、同じ会場でも聴いてくれる聴衆に、知らない人が入ると空気感が全く変わる。
見学者がもっているドキドキ(不安)は、緊張感としてスピーカーに伝わる。一生懸命スピーチを聞こうという前のめりな姿勢も、それはそれで緊張感として伝わる可能性は、ある。
いつもの会場、いつものメンバー、慣れてしまったあなたにとってコンフォートゾーンだったハズの所属トーストマスターズクラブの例会という空間が、非コンフォートゾーンに変化した瞬間だ。
脳がフル稼働でまわる感覚に襲われる。あなたのスピーチ一つで、見学者が「入会したい!」と思うかもしれないし、はたまた「うーん・・・やめとこ」になるかもしれない。なんとも思われない可能性もあるけども。
ちょっとは・・・緊張・・・しない?
しないかなぁ。
「お客さんに育てられる」なんて言葉があると思う。それと似たようなことが見学者とスピーカーの間に起きる。
見学者が増えるということは、もちろん将来の仲間、メンバーとなる可能性が増えるということになる。
と同時に、スピーカーとしての自分の経験を増やしてくれる存在でもあることを覚えておくといいかも。
「場数を踏む」の意味
「同じスピーチでいいから、色々なクラブで披露させてもらうといい」「エリアディレクター(複数クラブを統括する立場)になって他クラブへ訪問して挨拶をするという経験は、有意義だ」「様々な会場で、様々なレベルのコンテストでスピーチを披露する」といったことも、このゲスト・見学者が会場に来てくれることと同義。
脳がビンビンに刺激を受ける。ちょっとストレスがかかった状態でのパフォーマンスは、得るものが大きい。
そんな非コンフォートゾーンをもたらしてくれるゲスト・見学者・・・大事にしたくなるでしょう?こちらから出向かなくても、相手から訪れてくれるのだもの。
入会後の話のネタに
その後、入会宣言をして、晴れて仲間となったその元ゲスト・見学者に対し、懇親会か何かで自身が緊張した話なんぞをしてみるといいよ。そしてあらためて「見学に来てくれてありがとう」なんて伝えてみるのも、いいんじゃないかな?
ということで、ゲスト・見学者がもたらすものは、メンバー増員だけじゃなく、既存メンバーの経験値 up のキッカケとなる非コンフォートゾーンへの誘いでもあったというお話でした。
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