今日のトーストマスター:その例会はアナタ次第
司会 実は一番好きな役割だったりする
今日のトーストマスターは、トーストマスターズクラブではTMOE/TMOD (ToastMaster Of the Evening/ToastMaster Of the Day)といった呼び方が使われてるかも。ここではレガシープログラムにある表記 Today's Toastmasters =今日のトーストマスター という言い方で通そうと思う。
喜餅は実はスピーチはあまり好きじゃない・・・というよりも、この今日のトーストマスターが一番好きで、次が総合論評者、そして Table Topics Master が好きだったりする。
要は司会のようなものが好きという。
まぁ、喜餅の個人的趣味はともかく。
要はその日の司会。会長の開会の挨拶がアイスブレイク(冒頭の空気をやわらげる役割)とするなら、今日のトーストマスターの力量でそのミーティングの良し悪しが決まるといっても過言では、ない。
さぁ、どういったことをやるのか?
準備・柔軟性・進行・コメント力
1.準備
これはトーストマスターズクラブによって異なる。ある程度パターン分けして、みてみる。
パターンA:副会長教育担当(VPE)が全て役割を決めている場合
スピーチは〇〇さん、総合論評は△△さん・・・と、全ての役割を整えてくれる場合の今日のトーストマスターの準備は、アジェンダ(議事次第)の作成が準備の主軸となる。
この場合、「時間の割り振り」がポイント。準備スピーチの本数やゲストの数によって各セクションの時間が異なる。余裕をもってスケジュールを組みたいよね。
喜餅のタイムテーブルを組む時の注意点は、後述する。
パターンB:主要の役割だけ副会長教育担当(VPE)が行う場合
トーストマスターズクラブは「準備スピーチ」「即興スピーチ」「(準備スピーチに対する)論評」という3つのセクションに分かれていて、各セクションを進行する小司会みたいな役割がある。今日のトーストマスターは、そのまま準備スピーチセクションの司会も行うため、他2セクションの役割+準備スピーチの役割依頼のみを副会長教育担当が行うクラブなどもあったりする。
そうなると今日のトーストマスターは、それ以外の、計時係や文法係といった役割を他メンバーに依頼(アサインする、という表現を使ったりする)しなければならない。その依頼をしながらアジェンダを作成する。
パターンAよりも、ちょっと大変だね。
パターンC:全部の役割決定を行う場合
そのミーティングの司会、ということは全権を委ねられているということで今日のトーストマスターが準備スピーチから細かな役割まで全てのアサインを行い、アジェンダも作成する。
これは大変だ。
喜餅の意見としては、パターンAがよいのではと思う。というのは、今日のトーストマスターは、自分が担当する「その日」という点だけで役割を見る。それに対し副会長教育担当は、1年間全体という線で役割を見ることになる。任せる役割のバランスや、任されるメンバーの習熟度などは、線で見ている副会長教育担当が管理した方が、クラブ全体から見ても有益だからね。(その分、副会長教育担当の負担は大きくなるけれど。でも、そこが有意義なところの一つなんだよ、副会長教育担当の!)
喜餅のタイムテーブル作成における留意点
準備スピーチは10分/1スピーチ(7分スピーチの場合)、即興スピーチは全体で20分(5名を想定)、論評スピーチは4分/1論評を目安に組み立てる。
オンラインミーティングはちょっと違うかもだけど、対面での進行については正味の時間よりも幅を持たせて考えてる。たとえば準備スピーチは披露されるスピーチに対する論評者による目的説明やスピーカーが自身の席からステージまで歩いてくる/席に戻る時間、1分間のコメント時間なども加味する。即興スピーチは、テーブルトピックスマスター(司会・質問者)の質問が端的なものか長いものかわからない、といった理由もあったりする。
あとは冒頭の役割説明なども、ゲストの有無によって長さを調節したりする。
いつも悩むのは総合論評における時間。ここで帳尻を合わせる(予定より長引いた進行をここで巻く)ことが多い。そのため、なんとも淡白な総合論評が展開されることがある。もちろん総合論評者の力量によるのだけど、ある程度の時間を確保して、総合論評者に渡したい。次回以降のミーディングをより良いものにするには、総合論評者のフィードバックは重要だからね。
様々な「変更」に対応する柔軟性
事前に決めておいたとおりに事が運ぶのなら、それに越したことはない。でも、大体、そのとおりにはいかないのがトーストマスターズクラブのミーティング。
とりわけ平日のクラブは仕事が終わった後に開催されることから、仕事上の急なトラブルによる欠席や遅刻など、頻繁だったりもする。
そんな時は、その場その場の柔軟な対応を迫られる。
その場に副会長教育担当(VPE)がいる場合などは、VPEと相談(とりわけ主要な役割についてはVPEの思惑もあるだろうからね)しながら他メンバーにその場で代打をお願いする必要がある。
完全に欠席が確定している場合ではなく、少し遅れる場合などもあったりする。準備スピーチの順番を変える、場合によっては即興スピーチ(テーブルトピックスセクション)と準備スピーチのセクションを変える、といった判断なども必要になってくる。
※喜餅が所属する3クラブのうち、「ことのは」と「栄」は、1.準備スピーチ 2.テーブルトピックス という組み立てになっている。そのため、①スピーチ順番の変更②セクションの変更 という2パターンの変更、どちらも、ある。おそらくは原則は逆じゃないかな。
こんな時、ベテランメンバーは頼もしい。ダブルロール・トリプルロールもへっちゃらでやってくれたり、歴の浅いメンバーには重い役割も軽々とこなしてしまうからね。
忘れてはならないのは、会長から進行をバトンタッチした時、最初に必ず変更を共有(しっかりと話題にだす)すること。「例会に先立ち、変更があります。アジェンダの〇〇は、△△」みたいなことを最初にやっておき、会の途中の混乱を少しでも避ける。
進行:今日のトーストマスターだって「アイコンタクト」
さていよいよ例会が始まった。今日のトーストマスターであるアナタがふるタクトでクラブメンバーが動く。
最大の注意点が一つ、それは計時係の時間説明と時間報告がおろそかになりがち、ということ。
「よし、まずは準備スピーチだな!では、〇〇さんのスピーチを論評する△△さん・・・」※即興スピーチや論評セッションでも、よくある。
本当に忘れられやすいよね、計時係。自分も時折、やっちゃう。
ごめんね、計時係。
盛り上げるということを意識してしまうとハードルが高くなってしまうので、ここではもう少し簡単に挑戦してもらいたいことを一つ、提案したい。それは、他メンバーが拍手しやすい進行を心がけるということ。
いつ拍手をしていいのか迷うと、一体感というか盛り上げを作ること、難しい。しっかりと「あ、ここで拍手ね」とわかりやすいシグナルを送ること、それだけでミーティングは一気に「締まる」。
そのためには、しっかりと「間」を使っていきたいね。
例)それでは、最初のスピーカーを紹介します。最初のスピーカーは〇〇さん、スピーチタイトルは△△、△△、〇〇さんです。皆さん、拍手でお迎えください。
「〇〇さんです」で終わっても、OK。但し、しっかりと「切る」こと。語尾を伸ばしたりすると、「う、うん?」みたいな感じで、叩こうとした両手を全筋力をもってずらさないといけなくなる。
もう一点、これは初心者、または英語が苦手な人に多い傾向なのだけど、準備した進行原稿を、まるでオーディエンスと自分の間をふさぐ壁のように御簾のように立てるような形にして、本当に読みながら進めてしまうこと。
今日のトーストマスターだって、アイコンタクトが重要なんだよ。
もちろん、はじめての今日のトーストマスターだったり、苦手な英語だったりといった理由で、ミスなく進めたいという気持ち、わかる。
ただ、少しだけ・・・その垂直にそびえたつ紙の壁を、傾けて欲しいかな。
休憩を何分とるのか、または予定していた休憩をカットするのか、テーブルトピックスセクション(即興スピーチセクション)に進行を切り替える場合の持ち時間の釘差しなども今日のトーストマスターの腕の見せ所。
アジェンダでは5分休憩とありますが、3分にします。
テーブルトピックス、予定では5名とありますが、3名にしてもらってもいいでしょうか?
・・・と言った瞬時の判断、したいね。
※テーブルトピックスは、本当は予定どおりの質問はこなしたいよね。トピックスマスターはトピックスマスターで、質問を準備してるだろうし。
コメント力はアクティブリスナーとしての第一歩
これは賛否が分かれると思う。準備スピーチが終わった後、1分間のコメントタイムが与えられる。スピーチを聴いたメンバーはコメントシートにコメントを書き、あとでスピーカーに渡す。
喜餅はこの1分間で、今日のトーストマスターとして、ちょこっと(口頭で)コメントをしちゃう。コメントというコメントじゃなく、ツッコミだったりボケだったり、とにかくそのスピーチに関連した事柄で膨らませようとしちゃう。
盛り上がるという側面がありつつ、コメントを書くのに集中したいのに今日のトーストマスターのコメントも聞きたくなる、論評者にとってはそのコメントに自身の論評が左右される、などという側面もある。
賛否はあれど、準備スピーチをちゃんと聴いてないとコメントはできない訳だから、アクティブリスナーの第一歩として、やってみる価値はあると思う。・・・という自己正当化をしておく。
母語じゃない言語だと、難易度が高いよね
※ここでは母語じゃない言語=英語としておくね
英語で今日のトーストマスターをやるにあたって、自身の英語力によってそのスムーズさは変わってくるよね。
準備スピーチは準備できるからよいとして、即興スピーチや論評などは、質問やスピーチを聞いてからでないとできないから、本当に大変だ。
英語クラブにいながら論評だけは絶対にアサインしないでくれというメンバー、いるとかいないとか。
今日のトーストマスターはどうだろう?
喜餅の感覚としては、準備できる部類の役割だと思う。
進行における原稿、事前に書けるね。披露されたスピーチへのコメントは難しいにしても、スピーカーの呼び込みや終わった後のねぎらい、別のセクションへの切り替えなどなど、事前に想定できる。
突発的な変更すら、準備できる。地震や火事といった規模のアクシデントはともかく、突発的といえども想定できる。「かもしれない運転」をするだけなんだよ。
ポジティブにとらえると、自身の英語インプットのアンテナを高めるチャンスなんだよ、今日のトーストマスターは。
たとえば前述の急な欠席や遅刻による変更のお知らせなどは、TOEIC の PART4 で使える素材、めちゃくちゃある。それらを引っ張ってきて、自身のテンプレートにしちゃう。
まずは PART4 の素材を暗唱できるようにする。できるようになったら中の表現を変えたりしてみる。全部を完璧に暗唱できるようにしなくても、1文だけ引っ張ったりしてもOK。
・ちょっと変更あるよ
・〇〇さん、ちょっと遅れます
・この部分、今回はカットで
・・・といった展開は TOEIC PART4 にもよく出る。音声をしっかり聴いて、オーバーラッピングしたりして英語のリズムはイントネーションも盗んでしまえばいい。
使えそうなフレーズでこんなことがあった。
「今日のトーストマスターで使える表現、ないかなぁ」なんて思っていたら、(多分この映画だったと思う)映画「ジェイソン・ボーン」で、IT会社の社長が新サービス発表会に遅刻するシーンがあって。そこで司会が「(社長は)そんなに遅れることはないと思います」みたいな感じで、こう言ったんだよね。
He shouldn't be late.
「おぉ、推量の should ちゃう?これは使える!『~すべき』の should ばかりの人生から、卒業だ!」と思った自分は、今日のトーストマスターの役割を与えられた時、不謹慎にも「誰か遅れてくる連絡してこないかな!」と願ってしまった。
そういう時に限って、みんな定刻に来るのが、マーフィーの法則。
挑戦すると、アンテナが立つ
トーストマスターズクラブは「失敗してよい場所」なのだから、今日のトーストマスターも、是非、挑戦したらよいと思う。
挑戦すると、自身にとって不足している場所がわかる。自身の中で、欲しいものが、挑戦する前よりも鮮明になる。
すると、どうなるか。
他メンバーの今日のトーストマスターぶりを、観察するようになる。クールな表現などを見つけたら、盗める。
挑戦しないと、素通りしちゃうのよ。だって、当事者意識が膨らまないから。
喜餅と同じトーストマスターズクラブに所属しているメンバーは、喜餅がいつのころからか「I'm your TMOE」「I'm your General Evaluator」みたいな言い方をしていること、気づいたかもしれない。これも、他のメンバーが言ってるのを見て、盗ませてもらったものだ。
メンバーが充実しているクラブだと、今日のトーストマスターが次にまわってくるのは、それなりに期間が空くと思う。次にアサインされるまでの間に触れるトーストマスター達、そしてあなたが日常で触れる英語は、きっと何かしらの良い表現を与えてくれるはず。
当社比じゃないけれど、過去の自分がやった「今日のトーストマスター」と、今日、アナタが挑戦する「今日のトーストマスター」、比較してその成長を楽しもうじゃないか。
今日のトーストマスター、手を挙げてみよう。
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